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【連載小説】優しい人類が作る優しい世界

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記事一覧

【連載小説】優しい人類が作る優しい世界⑨

【連載小説】優しい人類が作る優しい世界⑨

何が出来るのか分からないからとりあえずイラストを描いてみる事にした。描けたらSNSに投稿してみよう。もしかしたらどこかの国でバズるかもしれないしもしかしたら本になるかもしれない。
専用のソフトも持っていないので、パソコンに付いているペイントで書いてみる事にした。僕は昔から丸を描くのが苦手ですぐに楕円形になってしまう。しかしペイントを使うと綺麗な丸が描ける。これで苦手を克服出来た。こんなに簡単な事だ

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【連載小説】優しい人類が作る優しい世界⑧

【連載小説】優しい人類が作る優しい世界⑧

テレビを見ていたら、高学歴なのに働かない人が出ていた。なんで高学歴なのにニートになるのだろう。僕は高卒で学歴がないからどうせ工場位でしか働けないだろうと思っている。歯車の一つになるのが嫌なんだ。というとかっこいいと思っているだけでただ人が怖いというのが理由なのだけど。
高学歴ニートになる原因とは、やりたいことが見つけられなかった・プライドが捨てられない・就職に失敗してしまった・コミュニケーション能

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【連載小説】優しい人類が作る優しい世界⑦

【連載小説】優しい人類が作る優しい世界⑦

最近、HSPって言葉をよく聞くようになった。TVでも特集が組まれていたり、本も出版されている。HSPの特徴は(外部からの刺激に敏感・情報を深く読み取る・周囲の感情に共感しやすい・疲れやすい・鋭い感覚を持っている)。敏感すぎて疲れちゃうってまさに僕だな、だから人混みが嫌いなんだな。そしてスピリチュアル能力の感度もいいそうだ。きのうTVで見た「私ってHSPなんですー」と明るく言っている女性がいたが、あ

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【連載小説】優しい人類が作る優しい世界⑥

【連載小説】優しい人類が作る優しい世界⑥

僕が出来る事ってなんだ?考えても考えても思い浮かばない、リモートワークは社会経験がないと難しそうだし、芸術や音楽の才能はない。もっと勉強をして大学に行けば良かったなんていまさら思う。
だったら今から勉強して大学に行こうかなとも一瞬考えたが、勉強が嫌いだし人がいっぱいいるところに行くと立ち眩みがするんだよな。結局僕は何もできないんだ。未来のことを考えると僕なんて生きている意味ないって答えに行きつく。

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【連載小説】優しい人類が作っていく優しい世界⑤

【連載小説】優しい人類が作っていく優しい世界⑤

とりあえず何かできないかと思ってリモートワークを調べてみることにした。すると会社で事務職をやっていた方がリモートの変わったのが多いようだ。求人も経験者を募集している。事務系やWEB系の仕事が多いようだ。僕には人と関わらなきゃならないというのがハードル高いんだよな。経験のない僕はどうせ採用されないだろうと思ってしまう。だから一歩踏み出せないんだ。
昨日の夕飯の時にテレビで引きこもりを更生させるという

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【連載小説】優しい人類が作っていく優しい世界④

【連載小説】優しい人類が作っていく優しい世界④

もしかして、僕がやりたいことを思い浮かべれば何か出来るのかな。でもやりたいことなんて考えたことがないし、高卒の僕には何もできないだろう。しかも働いたこともないのだから、こういうのを社会不適合っていうのだろう。子供のころはヒーローになりたい、この世界に危機が訪れたら救世主になりたいなんて思っていたのだけれど、そんな漫画の世界のような事できるわけがないと小学生のころには気が付いた。中学生になると、お父

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【連載小説】優しい人類が作っていく優しい世界③

【連載小説】優しい人類が作っていく優しい世界③

海外では経済が縮小したおかげで大気汚染が改善されて遠くの山が見えるようになったらしい。地球ってちょっと経済が縮小しただけで綺麗になるんだな。この地球の汚染はもう手遅れで人類は滅亡するのだと思っていたが、希望が見えてきた。そう言えばSDGsってあったな、興味が出てきた。持続可能な社会、なんか難しい事を言っているな。しかし経済縮小というより経済成長をしながら二酸化炭素排出量を抑えるみたいな感じなんだな

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【連載小説】優しい人類が作っていく優しい世界②

【連載小説】優しい人類が作っていく優しい世界②

コロナ禍になり飲食店の時短営業、休業など身近な経済が縮小したが、僕は引きこもりで外食もしないから何の影響もなかった。人間嫌いな僕が飲食店で働くことはないと思うが、もし働いていたら仕事がなくなっていたかもしれない。という事は僕は勝ち組なんじゃないか。ずっと負け組だと思っていたけれどもともと仕事をしていない僕は、こんな状況でも何のショックも受けていない。働いてすらないのだから失業するわけないよな。

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【連載小説】優しい人類が作っていく優しい世界①

【連載小説】優しい人類が作っていく優しい世界①

【連載小説】優しい人類が作っていく優しい世界

なんなんだこの世界は、臭い排気ガスを出す車が走り、電車や車の騒音、外に出ればマンションや家が並び、人がいっぱい歩いている。僕はずっとこの世界に違和感がある。何のために勉強しなければならないのか?何のために働かなきゃならないのか?死ぬのを待つだけのために生きるみたいで、この世界が終わって欲しいといつも思っていた。だからといって自殺する勇気はなく、対人恐

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