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コーヒーとボクの物語

飲むたびに発見がある不思議な飲み物

あなたは、人生最初のコーヒーを覚えているだろうか。

ボクの最初のコーヒーは、マクドナルドのアイスコーヒーだった。小学五年生の時、家庭教師の先生の家へ遊びに行った日だ。

ランチのために立ち寄ったマクドナルドで、先生がコーヒーを頼んだのがとても格好良く見えてボクも真似した。けれども、その味はとても苦くて沢山のミルクとシロップを入れても飲みきれなかった。その日のことを20年経った今でもまだ覚えているのは、その日の晩はカフェインがきいて一睡もできなかったせいだろうか。

深夜アニメが観たくて缶コーヒーを飲んでいた中学生時代。JTのRootsが大好きだった。缶にくびれがあった時代のRootsだ。

オーストラリアに渡り、インスタントコーヒーを飲んでいた高校時代。”wanna cuppa?” (コーヒーか紅茶飲む?) はお気に入りのフレーズで、来客時にコーヒーを振る舞うのは決まってボクの役割だった。

エスプレッソにハマった大学時代。メルボルンで一人暮らしを始め、レストランでバーテンダー兼バリスタとしてバイトを始めた。砂糖を入れなくても、フォームドミルクの味だけで十分甘くて美味しいと知ったのもこの頃だった。

就職のため日本へ帰国すると、ちょうどサードウェーブの波が来きた。ボクもハンドドリップを始めた。今でも家や会社で毎日コーヒーを淹れている。

飲むたびに発見があるこの飲み物は、20年ボクを魅了し続ける。

ボクがコーヒーのためにできること

コーヒー業界では新たな波「フォースウェブ」に向けての動きが強まっており、その中でボクが注目しているのが「自宅需要の増加」だ。気軽に始められる趣味として、家やオフィスでハンドドリップコーヒーを淹れる人が増えた。ボクもその一人だ。そして、高品質の豆が気軽に買える「コーヒーロースタリー」の需要が高まるのではと予測してる。

iPhone で入力しても赤線が出る "roastery" は「コーヒー焙煎所」を意味する英単語だ。2015年にオックスフォード英語辞典に新語として追加された比較的新しい単語ではあるが、日本でも自家焙煎を行う店が○○ロースターや○○ロースタリーと名乗るのを見ることが増えた。スターバックも、今月末に中目黒にスターバックスリザーブロースタリー東京をオープンさせる。

この数年間、コーヒーへの思いと、ソフトウェアエンジニアとしてのスキルを組み合わせて、何かできないかと考えることが増えた。

そこでまず最初に取り掛かったのが、国内にいるコーヒー焙煎士にフォーカスを当てたメディアサイトだった。早速、近所のロースタリーの焙煎士にお願いしインタビューさせてもらった。しかし、インタビューを記事に落とし込む作業が苦痛に感じ、これは自分が得意とするスキルとも違うと感じ、すぐに辞めた。

次に始めたのが、国内にあるコーヒーロースタリーを紹介するサイトだった。これが現在の roastery.jp である。

ボクが思い描く、次世代のコーヒーとライフスタイル

コーヒーマシーンは手軽で良い。ボタン一つでコーヒーが注がれる。それでもハンドドリップにこだわるのは、コーヒー豆を挽いた瞬間からオフィスにコーヒーの香りが広がり、デカンタにお湯が注がれるスピードと同じようにコーヒーテーブルに人が集まってくるあの瞬間が大好きだからだと思う。

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コーヒーはとても繊細な飲み物であるため狙った味を出すのは難しい。それが楽しみでもあるが、ハードルになってしまっているのは否めない。また抽出器具が多く、何から揃えて良いのか分からないものハードルになっているように感じる。

「100人いれば100通りの淹れ方がある」実家の近所にあるロースタリーの店主の言葉だ。コーヒーの淹れ方に正解はない。コーヒーを淹れる文化を根付かせ、ロースタリーでスペシャリティーコーヒーを買って貰い、家や会社で楽しんで貰える未来が作りたい。そのために自分には何ができるだろう。

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