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#53 『ビジネス系よろずや』

2024年4月某日

普段目にしているメディアの関係か、「ご自身の市場価値を見直しませんか!?」とか「あなたの将来ビジョンを言語化しましょう!」みたいなフィード広告や記事が表示される。世は、人材の超流動化時代に突入している。みなさん、「自分さがし」してますか。

さて、「自身の市場価値」みたいなことを考える際、「専門性」というテーマに必ず直面する。少し「専門性」について考えてみたい。

ひと昔前は「プログラミングスキル」「財務・会計・経理」「デザイン」など、わかりやすい「ハードスキル」を中心に、一芸に秀でて「スペシャリスト」を目指すことの重要性が説かれたものである。一方、総合職的に採用され、大企業のペーパーワークと調整業務に適応していく「ゼネラリスト」の評価が相対的に低いような意見も多かったと思う。

しかし、である。最近のビジネスにおける職種に目を向けてみると、一巡りして「ゼネラリスト」的な職種が「スペシャリスト」的な職種として、評価が高めつつあるように感じる。例えば、「BizDev(事業開発)」「事業企画」「ビジネスデザイナー」などの職種は、戦略・マーケティング・財務・プロジェクト管理・デリバリースキルなど、複数のスキルを組み合わせて、事業を推進するものである。これは、総合的な「ビジネス戦闘力」で勝負するタイプの「ゼネラリスト」に他ならない。

そのうえで気が付くのが、このような「汎用的なスキルセット」を備えた「ゼネラリスト的なスペシャリスト職」は、確かに誰しもが担えるものではないということである。事業を企画・推進していく際には、当然多くの関係者が関わるわけだし、「話し方」「 嫌われない性格」「雰囲気」など、ある種先天的なソフトスキルも求められるだろう(あったほうが望ましい)。このことから、「高度ゼネラリスト」は希少性が高く代替不可な存在として、価値を持つことも頷ける。

専門性が無いと悩むビジネスパーソンの皆さんは、「汎用的な専門性」を意識してみると、自身の価値を見出すことができるかもしれない。RPGのジョブとしては「ビジネス系よろずや」といったところだろう。
ほなら。

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