テツナカ|たのしい地方創生

地域活性化の事業を企画する人。シンクタンクで研究員しながら、自営でビジネスデザイナーし…

テツナカ|たのしい地方創生

地域活性化の事業を企画する人。シンクタンクで研究員しながら、自営でビジネスデザイナーしてます。経営学修士、ミニマリスト、ライフハッカー。地方で政策を分析したり、事業をつくったりしてます。しごとにまつわる日常の気づきをお届けします。

マガジン

  • たのしい地方創生

    地方ビジネス界で働く筆者の、日常のささい気づきや業界事情を、まじめ風味でお届け。

最近の記事

#61 地域活性化の『メカニズム』

2024年5月某日 「地方創生」や「地域活性化」は随分と一般的なものとなり、あらゆるビジネス主体が標語のごとく掲げている。世はまさに、「大・地方創生時代」といっても過言ではないだろう。喜ばしい限りである。 … こういう時代だからこそ、あらためて、「地方創生」や「地域活性化」の目的について考えてみたい。まず、わかりやすい概念として「地方創生」の定義を確認してみたい。2014年に施行された「まち・ひと・しごと創生法(2019年に廃止)」には、以下のような記述がある。 この

    • #60 『仙台と牛タン』

      2024年4月某日 大型連休を控える週初め、いかがお過ごしだろうか。通勤電車の座席に、ところどころ空席を見つけることができるのは、きっと、既に連休を謳歌していると思しきアイツがいないせいだろう。今日もがんばりましょう。 … さて、筆者は休暇があれば、全国様々な「地方」に出向くことをライフワークとしている。地方創生や地域活性化を仕事にしているのだが、実のところ、まだ訪れたことのない県もある。生涯で、全ての市町村(1,700以上)を踏破することは難しいかもしれないが、せめて

      • #59 論考『ひとくち、ちょうだい』

        2024年4月某日 ファミリーレストランのサービスクオリティが上がっている。某イタリア料理系ファミレスなど、そのコストパフォーマンスは素晴らしく、アルコールメニューも充実している。ちょっとした居酒屋にいくより、気軽で使いやすく、料理も美味しい。そんなわけで、地方暮らしの筆者も、ロードサイドのファミレス店舗には、よく家族でお世話になっている。 … さて、家族で外食などする際、筆者はつねに「ひとくち、ちょうだい」の問題に直面する。なにを了見のせまいことを、という意見が聞こえ

        • #58 『フレークワーク』の是々非々

          2024年4月某日 事業企画などという職種で、デスクワークに従事していると、「フレークワーク」というものに頻繁に直面する。みなさんご存知の「SWOT分析」とか、「5フォース分析」とか、そういうやつである。筆者は過去にビジネススクールで学んでいた身分でもあり、仕事を進める際、「フレームワーク」を用いた分析というのが、(良くも悪くも)癖づいてしまっているところがある。ちょっと、「フレームワーク」について考えてみたい。 … 「フレークワーク」には賛否あることは承知している。ネ

        #61 地域活性化の『メカニズム』

        マガジン

        • たのしい地方創生
          61本

        記事

          #57 『バランス感覚』の誤解

          2024年4月某日 ベンチャー企業の方と名刺交換などすると、肩書きの欄にカタカナが書いてあるケースもしばしばあり、どの程度の職位の方なのか、打ち合わせ中にコッソリとググっていたりする。着座直後、まだ会議が始まってもいないのに、なにやらパソコンをカタカタしている人物がいたら、それは筆者である。 … さて、組織の形態は様々に進化している。筆者の周辺では、まだまだ「部署」ごとに組織を分けた「機能別組織」を採用している企業が多い印象だが、「○○事業部」といった、事業ベースで組織

          #57 『バランス感覚』の誤解

          #56 よりよく生きるための『ライフハック』

          2024年4月某日 昔から「ライフハック」みたいなものが好きだ。生活や仕事を便利にするガジェット類に目がないし、自身のビジネスギアは常に見直している。一方、筆者はミニマリズムを信奉しているので、所有するアイテムの種類やサイズは厳正に審査しなければならず、不用意に「モノ」を増やすわけにはいかない。そんな、一人で頭を悩ます日々を送っている。 … さて、「ライフハック」は、関連書籍や動画など、様々な情報が世の中に発信されているが、あらためて定義を確認してみた。 筆者の場合、

          #56 よりよく生きるための『ライフハック』

          #55 『面』から『線』へのまちづくり

          2024年4月某日 まちづくりやエリアマネジメントの議論の中で、よく耳にする表現として「点から線、そして面へ」というものがある。具体的には、地域内での局所的で小さい取り組みからはじめて、ほかの地域のそれとつないで、ひいてはエリア全体に活動を伝播させよう、というものである。 … さて、先日、「地域活性化の失敗学(飯田他、2016)」に改めて目を通していたら、面白い事例が記載してあった。 カリフォルニア大学の研究で、「都市間の人的ネットワーク」について、定性的に研究したも

          #55 『面』から『線』へのまちづくり

          #54 『積ん読』と『トランザクティブ・メモリー』

          2024年4月某日 自身の読書体験を振り返ってみると、20代のころは新書・ビジネス書の類をよく斜め読みしていたことを思い出す。その後、社会人大学院での研究生活では、難解な経済・経営の学術書と格闘するようになり、自身の読書の幅が広がったように思う。そして、最近は、むしろエッセイとかtwitter文学みたいな、情緒に寄り添って文章を丁寧に辿る読書を楽しんでいる。 … さて、様々な道を辿りながら読書体験の幅が広がりを見せたことで、「読みたい」と思える本が増えた。このことは、教

          #54 『積ん読』と『トランザクティブ・メモリー』

          #53 『ビジネス系よろずや』

          2024年4月某日 普段目にしているメディアの関係か、「ご自身の市場価値を見直しませんか!?」とか「あなたの将来ビジョンを言語化しましょう!」みたいなフィード広告や記事が表示される。世は、人材の超流動化時代に突入している。みなさん、「自分さがし」してますか。 さて、「自身の市場価値」みたいなことを考える際、「専門性」というテーマに必ず直面する。少し「専門性」について考えてみたい。 … ひと昔前は「プログラミングスキル」「財務・会計・経理」「デザイン」など、わかりやすい

          #53 『ビジネス系よろずや』

          #52 『会議』の科学

          2024年4月某日 新年度も始まり、社会人・学生のみなさんは、会議ライフをエンジョイしているだろうか。オンライン会議が普及したことで、遠距離会議は随分便利になったが、最近はリアル会議も復権しているように感じる。 … さて、最近、ふとこんなことを感じた。「筆者の周辺には、『会議』が好きな人があまりいないのに、あまりにも多くの『会議』が開催されているのはなぜだろうか」ということである。あまりにも擦られたテーマであるが、今一度、会議の価値について考えてみたい。まず、インターネ

          #51 リバース『ラストワンマイル』

          2024年4月某日 過ごしやすい季節になってきた。上着も必要なくなると、荷物も心も軽くなり、何かと出かけたくなる。そんな浮き足だった筆者とは裏腹に、通勤電車の中には、大型連休までの期間をなんとか息継ぎしながらやり過ごそうとする企業戦士の暗い表情に溢れている。今日もがんばりましょう。 … さて、「旅行」のことを考えていたら、「移動」という概念が気になった。筆者のような地方在住者にとっては、移動は仕事・レジャーなど、自分に関わることはもちろん、地方創生の文脈においても観光政

          #51 リバース『ラストワンマイル』

          #50 令和の『テキストコミュニケーション』

          2024年4月某日 最近、通勤電車の中でもマスクをしている人が増えたと感じる。おそらく、花粉症対策なのであろう。「マスクをしている人が増えた」と筆者が知覚するということは、その前はみなさんマスクをしていなかった風景だったのだろう。つまり、「コロナを意識したマスク生活」からは緩やかに、着実に脱却しつつある生活が、社会に染み入っている。 … さて、「働き方」に目を向けてみると、コロナ禍ほどの盛り上がりはないももの、リモートワーク的なしごとの進め方は随分と一般化した。ZOOM

          #50 令和の『テキストコミュニケーション』

          #49 オトコは黙って『クラフトビール』

          2024年4月某日 クラフトビールは瓶で飲みたい。最近そんなことを思ったりする。1990年代の「地ビールブーム」が再来し「クラフトビールブーム」として世を席巻している。どこか懐かしさをまとった往年のカルチャーは、現代の「チルい」空気感とマッチしているのだろう。Lo-Fi、アナログレコード、クラフトビールなど、まちづくりの文脈でもよく見かける。しかし、とあるカルチャーが一世を風靡すると、その形態が「合理的」な姿に変容することについて、良い面・悪い面あるかもしれない。クラフトビ

          #49 オトコは黙って『クラフトビール』

          #48 地方の『スタートアップ界隈』

          2024年3月某日 最近、地域活性化政策の中に、しばしば「起業・創業」「スタートアップ」みたいなキーワードを見かける。個人的には、地域活性化に向けて必要な要素として「しごと」、特に「情報通信」や「クリエイティブ・企画」などと関連する、相対的に若い人々を惹きつけやすいしごとが生まれることは、ひとまず賛成の立場をとっている。 しかしながら、様々な政策の方向性や実施内容を見ていると「ローカルからユニコーンを!」とか「スタートアップ支援プラットフォームを!」といった、キーワードば

          #48 地方の『スタートアップ界隈』

          #47 お金が『つかえない』

          2024年3月某日 小規模ながら、自分でも商売の真似事などやってみると、「お金の稼ぎかた」のみならず、「お金の使いかた」が本当に難しいと思う。筆者は性格的に、リスクをとらずに、コツコツと地道にキャッシュを確保できるタイプのビジネスが好きだ。そのため、「役務提供」による利益率の高いビジネスばかり取り組んでいる。 しかし、役務提供型のビジネスの場合、どうしても個人の「時間≒工数」みたいなものが制約となって、事業としてスケーラビリティの問題に直面しがちである。その際、人や設備に

          #47 お金が『つかえない』

          #46 『現在』と『将来』の意識配分

          2024年3月某日 ここ最近、日経平均は随分高値で推移している。40,000円台などという水準が本当の存在したのかと、いまだに違和感を拭えない。筆者が社会人になりたての頃の日経平均は7,000〜8,000円台の水準にあったことを思い出すと、景気のサイクルというのは本当にあることを思い知らされる。 … さて、景気にはサイクルがあるので、良いときもあれば、悪いときもある。その循環を見越して、皆ライフプランなどを立てて、貯金やら投資したりするのである。 先日、大学院時代の友

          #46 『現在』と『将来』の意識配分