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#31 『ゆかり』から考えるカテゴリ

2024年1月某日

「2024年」とタイピングするのも慣れてきた。少しずつ、年明けムードも薄くなり、「今年」が肌に馴染んできた印象だ。



さて、筆者はとある地方都市で会社員をしながら自営でフリーランスとしても活動している。そんなことから、基本的には毎朝決まった時間に自宅を出発し、電車にて通勤している。

自宅を出る前に軽めの朝食をとることが多い。メニューは「おにぎり」が6~7割である。今日のおにぎりは「ゆかり」味だった。何気なく妻に問いかけてみた。わが家のおにぎりの"フレーバー"は何種類あるのかと。妻は指を折りながら数え出した。「おかか、梅、鮭、昆布、"ゆかり"・・・」。

この違和感にお気づきだろうか。「ゆかり」だけ、固有名詞というか「商標」なのである。であるにもかかわらず、「ゆかり」は梅や鮭などの「カテゴリ」と並列の関係に置いてもなんら違和感がないほど、存在感を放っている。本来のカテゴリの階層・粒度で議論するなら、「ふりかけ味」カテゴリからの「ゆかり」という整理が正しいのかもしれない。しかし、もはや「ゆかり」ほどの強力なブランドは「カテゴリ」にまで発展していると言っても過言ではない。つまり、「ふりかけ」のカテゴリ内競争の外にいて、もっと手前の「鮭」や「昆布」と戦っているのである。これはすごいことだ。

調べてみると、「ゆかり」を製造するのは広島本社の「三島食品さん」とのことだ。創業は1949年と古いが、法人成りしたのは2016年という。足元、「ゆかり」にも「梅入り」「しょうが入り」のようなフレーバーラインナップが展開されている。これは、「ゆかり」が「カテゴリ」として定着しているからこそ成し得ることである。「ふりかけ」→「梅のふりかけ」→「ゆかり」ではない。「ゆかり」→「梅入りのゆかり」なのである。すばらしい

三島食品さんいつも生活に彩りを与えて頂きありがとうございます。今年もよろしくお願いします。

ほなら。

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