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あのRRRに似てる?パルムドール受賞作アンダーワールド

このシーンどうやって撮ったの?という場面の連続で飽きさせない生粋の娯楽映画。ユーゴについてはそんなに詳しくありませんが、ピトーについてはなんとなく知っていた程度でも正直あんまり関係ないと思う。途中ランボーみたいになるシーンもあって、重い題材なのに抜けのいいユーモア感覚があって好き。個人的にはRRRにとてもよく似ていると感じた。あんな感じの歴史喜劇?悲劇?ブラックユーモアを解さない人は合わないかもしれません。前半はお金をかけたリアルな超大作の赴きですが、後半現代に近くにつれ、ややファンタジーに寄っていくのが印象的。いま目の前で起こっている現実を映画に投影するのはかなり困難ですからね。この映画をただの娯楽映画以上のものたらしめてるのは、作品内で映画制作をする自分の分身を彼自身が攻撃するという、ラジカルな皮肉や、ドリフみたいなアホなユーモアが渾然一体となった謎パワーによるものだろう。最初のオープニングの馬鹿騒ぎって、あれもしかして映画制作中の作中内演技の可能性までありそうだよね、やたらと大袈裟だし。映画内で映画制作をするという重層構造ってドライブマイカーもそうだけど、優れた脚本がものをいうので面白い作品が多いですよね。ドライブマイカーほどの奥深さまでは感じないけど、心に残る映画だった。あの印象的なラストシーンも、もしかしたら映画内映画かもしれないと。いじわるな映画だよね。

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