that's not me

それはわたしではない

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それはわたしではない

最近の記事

私がカウリスマキの枯葉に対して感じた1番の疑問が、なぜやたらとブルーカラーが投げやりなんだろう、ってこと。彼らの時給はいくら頑張っても変わらないとか、いくらでも仕事があるとか、そう言う社会的な背景なのだろうか?ブルーカラーの私としては、なんとも違和感があった。誤解を与えそうだと。

    • Superchunk Phone Sex テレフォンセックスと飛行機事故

      薔薇色の頬で呆れ顔 蒸し暑い日曜日の夜 彼らはテレフォンセックスする仲だった でもその古めかしい電話は鳴らないまま 彼女は彼を待つ間 バスルームの鏡に石鹸の泡で 彼の名前を書いた 彼のソファを東に戻した がっかり でも少なくとも彼の無事は知っている 飛行機事故の番組が流れてた あれは僕だったかもしれないんだ 機首を下げ続けろ 主翼が凍りついている 別の日曜日 まだ少し暗くて 薄ぼんやりしてる 電話が鳴り始める 彼女はほとんど乾いている また別の夜にしよう 本当に最悪 うまくや

      • お母さんに会いたい「君たちはどう生きるか」

        第二次大戦中の日本で、疎開した田舎で少年に起こる怪異。近年の宮崎駿作品の中で一番よかったと思います。本物の母と、双子の?妹の義母、そして性行為をする前の実母の少女時代に出会うという(笑)いろんな種類のお母さんが出てくるので、宮崎駿は自分が作った作品内でお母さんに会いたかったのだと思った。はっきりいうて変態だなあ、と思いながらも、母を亡くした自分は強く共感したし、男はどこまでも母命!みたいなところがあるので。それにしても、処女作ですか?ってくらい荒々しくプリティブな初期衝動が感

        • デビッドバーンのマルタンマルジェラみたいなセットアップスーツ「ストップメイキングセンス」

          マルタンマルジェラの白のセットアップのような格好の男が、画面隅から出てきて、ポータブルカセットプレイヤーを地面に置く。デビッドバーンの言葉は人物や物事が記号的であり、繰り返し歌われるのは「交換可能な」自分たちの存在である。その態度は死に向かって生きている人のそれだと思った。一曲目の「サイコキラー」では、リズムボックスの音に乗せてアコギ一本で俺の人生より猟奇殺人犯のほうがマシだとシニカルに歌われる。最後にチャップリンのようなステップを踏む。二曲目でベースのトムトムクラブのティナ

        私がカウリスマキの枯葉に対して感じた1番の疑問が、なぜやたらとブルーカラーが投げやりなんだろう、ってこと。彼らの時給はいくら頑張っても変わらないとか、いくらでも仕事があるとか、そう言う社会的な背景なのだろうか?ブルーカラーの私としては、なんとも違和感があった。誤解を与えそうだと。

          父と娘の禁断の..ビクトル・エリセ「エルスール」

          エルスールというタイトルのみ知っており、前知識一切無しで鑑賞。エルスール?女の子の名前?くらいの感じだった。どこの国の映画かすら知らない。 まあー、画面の構成が無駄がなく、色彩が美しく(リマスタリングもしっかりされている!)本当に見事ですよね。唯一残念だったのが音楽が音割れしまくりだったことである。 父と娘。そしてついでに母。 この関係性、なかなかにリアルですよね。 女の子にとって、母って大切な愛しい存在ではあるけど、同時に疎ましい存在でもあるんだよな、と。 この映画、

          父と娘の禁断の..ビクトル・エリセ「エルスール」

          太宰治の「キリギリス」とPerfect Daysの清貧思想

          太宰治の「キリギリス」とPerfect Daysの清貧思想

          グレイス・ペイリー「最後の瞬間のすごく大きな変化」言葉よりも声

          あきらかに文盲の黒人や少数民族らしき彼らの物語において、作者はあきらかに彼らそのものになってしまっており、言葉がまるで文盲のように、前後の文の矛盾や、言葉の拙さのようなものがあり、しかしながらたまに輝く何かがある瞬間があり、なんとも新鮮な気持ちで読むことができた。なんで不思議な小説だろうか。村上春樹自身の作品とはまるで真逆の作風だと思う。物語はほとんどない。あるのは、生の声だと思った。意味ではなく、声を聞く小説というのだろうか。独特だけど、私は読んでると安心するので好きです。

          グレイス・ペイリー「最後の瞬間のすごく大きな変化」言葉よりも声

          あのRRRに似てる?パルムドール受賞作アンダーワールド

          このシーンどうやって撮ったの?という場面の連続で飽きさせない生粋の娯楽映画。ユーゴについてはそんなに詳しくありませんが、ピトーについてはなんとなく知っていた程度でも正直あんまり関係ないと思う。途中ランボーみたいになるシーンもあって、重い題材なのに抜けのいいユーモア感覚があって好き。個人的にはRRRにとてもよく似ていると感じた。あんな感じの歴史喜劇?悲劇?ブラックユーモアを解さない人は合わないかもしれません。前半はお金をかけたリアルな超大作の赴きですが、後半現代に近くにつれ、や

          あのRRRに似てる?パルムドール受賞作アンダーワールド

          カウリスマキ版のTOKYOラブストーリー的なやつ「枯葉」

          ハズレの少ないカウリスマキの中でも、すこし難癖のつく作品になってしまっているように思われた。 今作、過去作ではあんなに朴訥として喋らなかったのに人物が、結構ペラペラ喋ります。しかも朴訥とぺらぺら喋るんだよね(作内でもお前の悪いとこは喋りすぎなところだというセリフもあった)。 それに伴って、セリフの中の固有名詞の出し方がわざとらしい部分が散見され、興が削がれる感じがする。解雇を雇用主から通告された時に女性が法律の固有名詞?を持ち出すが、わざとらしすぎないだろうか。その後の同

          カウリスマキ版のTOKYOラブストーリー的なやつ「枯葉」

          Perfect Daysのパンフレットやっと映画館で買えたんだけど、川上未映子の対談が一番自分に近い、というかほぼ同じ感想だった。平山の過去を描かないことにより、作品の持ってしまったメッセージがポリフォニーになるという発言はまじで共感。流石。

          Perfect Daysのパンフレットやっと映画館で買えたんだけど、川上未映子の対談が一番自分に近い、というかほぼ同じ感想だった。平山の過去を描かないことにより、作品の持ってしまったメッセージがポリフォニーになるという発言はまじで共感。流石。

          Perfect DaysとCarol KingのA Quiet Place To Live

          私がほしいのは、静かに暮らせる場所だけだ 労働の成果を味わい 新聞を読んでも 泣き嘆く必要なんてない 心の中ではっきりと見通すことができる 周りの人たちと夢を共有し 今彼らは私を囲んで 私は群衆の中の1人になる 私はどうなるのだろう? 子供についてはどう考える? 次の機会に彼らは私たちに何をするだろう? 何を導き出せるだろうか? それは私にとって何を意味するのだろう? いつになったら彼らは 私たちが地下にいることに気づくだろう? ここが地下であることが? 私がほしいのは

          Perfect DaysとCarol KingのA Quiet Place To Live

          日本人ってなぜこんなに不倫に敏感なんだろうか。恋愛は自由でしょ。情緒が幼稚なんだろうか。自立心の欠如?集団意識の高さ?儒教的なもの?なんか異様だよね。他人が不倫したら親を殺されたみたいに噛みつくよね。もっと違うとこにエネルギー使った方がいいと思うぜ。

          日本人ってなぜこんなに不倫に敏感なんだろうか。恋愛は自由でしょ。情緒が幼稚なんだろうか。自立心の欠如?集団意識の高さ?儒教的なもの?なんか異様だよね。他人が不倫したら親を殺されたみたいに噛みつくよね。もっと違うとこにエネルギー使った方がいいと思うぜ。

          Perfect Daysのパンフ転売する奴全員朝飯食おうとしたら何回も髪が歯にはさまってしつこくまとわりつく呪いがかかればいいのに。1日の始まりが最悪になればいい。

          Perfect Daysのパンフ転売する奴全員朝飯食おうとしたら何回も髪が歯にはさまってしつこくまとわりつく呪いがかかればいいのに。1日の始まりが最悪になればいい。

          ドストエフスキーはやっぱすごいわ。拗らせ具合が人間超えてる。

          ドストエフスキーはやっぱすごいわ。拗らせ具合が人間超えてる。

          巨大資本を提供されながらもラジカルな思想を作品に反映しようとする監督自身への批評、亡くなった友人レナードコーエンの思い出を添えて、という趣か。こんな映画、一般的な観客に理解されるとは思われません..

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          高等遊民のような男、まるで工藤冬里のような、だから自分に似てる、貧乏な生活なんて仕事やめらば誰でもできるなんて批評もあるが、すこし筋違いな気がする。誰も工藤冬里にはなれない。そもそも貧困がテーマではない。この映画のテーマは監督からみた東京と、日本的資本主義、そして

          高等遊民のような男、まるで工藤冬里のような、だから自分に似てる、貧乏な生活なんて仕事やめらば誰でもできるなんて批評もあるが、すこし筋違いな気がする。誰も工藤冬里にはなれない。そもそも貧困がテーマではない。この映画のテーマは監督からみた東京と、日本的資本主義、そして