『KFACクラシックラジオ』
KFAC
Charles Bukowski
オレはいつものように腰を落ち着ける
ラジオアナウンサーが言う、
「次の3時間私たちが聴くのは、、、」
夜の11時
オレは長年に渡ってこの男の声を聞いている
この男もそれなりに歳をとっているはずだ
この放送局は最高のクラシック音楽を流す
このラジオを聴きながら、
いったい何人の女と暮らしてきたのか
いったい何台の車を所有してきたのか
いったいどれくらいの数の場所で暮らしてきたのか
オレには思い出せない
やつの声を聞くたびに
まだ生きているんだな、調子は悪くなさそうだ、なんてことを考える
だかやつもだんだんオイボレになってきている
いつの日かやつだって埋められる日がくるだろう
列をなして進む車がやつの乗った霊柩車の跡を追う
そして新しい声が
ラジオから聞こえてくることになる
やつはそれなりの歳になっているはずだ、
この男、
やつの声を毎度毎度聞くたびに
オレは敬意を表してグラスいっぱいに注いで乾杯する
やつともう1晩ともに過ごせてオレは嬉しく思う
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