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「三つ子の魂百まで」から考える保育観

三つ子の魂百まで

これは3歳頃までに人格や性格は形成され、100歳までそれは変わらない。という意味で使われることわざです。

つまり3歳までは人格は形成されておらずいわば人としての土台作りの時期だとも考えられます。

人格形成とは

家を作り方をご存知ですか?柱よりも壁よりも屋根よりもますば基礎がしっかりしていないと住むスペースが作れません。作ったとしても風が吹いたら、地震が来たらすぐに壊れる家が出来上がるでしょう。

その基礎の基礎の部分が人間で言う土台作りで人格形成期前の3歳までの時期だと考えられます。

発達段階を踏まえても生まれてすぐに生きようとする力はモンテッソーリが提唱する敏感期に他なりません。主体性を持って人は発達、成長していき人としての土台を形成していくと考えられます。そしてそれは3歳児までに顕著に現れます。科学的にも証明されていて脳の発達に関係するニューロンの数が1歳頃でピークを迎えるということもわかっています。

目に見えるもの見えないもの

ただ成長と発達は同時進行ではなくまた個人差があり目に見えるもののあれば目に見えないものもあります。特に目に見えない発達は他人が推し量るにはかなり難解なものである事に間違いはありません。目見える発達段階、立てるようになるとか言葉を喋ったとかは観察でわかります。目に見えないものとは優しさや他者を思い描ける想像力は目には「見えないもの」です。豊かな感性や感受性、待ち望む力や悲しむ力、集中する力、自分を表せる力、忍耐する力、何より自他を大切にする心、生きる力は目には見えません。この目に見えないつまり数値化しにくい能力を非認知能力と呼ぶそうです。

「わたしたちは見えるものにではなく、見えないものに目を注ぎます。見えるものは過ぎ去りますが、見えないものは永遠に存続するからです。」

コリントの信徒への手紙二4章18節

「心で見なくちゃものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは目に見えないんだよ」

『星の王子さま』(サン=テグジュペリ作)

見えないものは永遠に存続する

もちろん目見にえる発達段階を観察し表に照らし合わせてデータ化する事も大事ですがその子どもの気持ちや行動の意味を考えることも大事で今この子が何を思いどうしてそのような行動に出たのか?その気持ちをアシストする方法を探すのが保育者の務めでありまた成長の土台づくりに役立つ事だと考えられます。

家と違うのは土台が作られて上物を作って終わりではなく土台づくりは形を変えながら死ぬまで続くこと。最後に見た時にいい人生だったねと言えるくらいにその事は続くものでだからこそ振り幅の大きな幼少期の目に見えない時期に経験する事は重大で最初に言った「三つ子の魂百まで」に通じると考えられます。ただ逆に言えば難しいかもしれませんが人生いつでもスタートラインに立てる事も意味しています。

保育士として親として

さて私はその事を踏まえて子どもたちと向き合えているのか?日々自問自答し自責の念と格闘しています。そういう意味では子どもの成長を願いながら自分も成長させてもらっている。ありがたい仕事だということを肝に銘じていきたいと思います。

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