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世界一貧しい大統領から日本人へ


ホセ・ムヒカ大統領は
2010年3月第40代ウルグアイ大統領に就任。
個人資産はおよそ18万円という
中古のドイツ車一台。
給料のおよそ9割を社会福祉のため寄付し、
残りの1割、わずか10万円ほどで
暮らしてきたという。
その世界一貧しい大統領が
日本人へ伝いたいメッセージです。


「私は7歳の時に父を亡くしてね。
当時、母は少ない父の年金すら
15年も貰えず苦しんでいた。
小さな畑を耕してそこで栽培していたもので
生活をしていたんだ。」

母一人の働きな家計を支える極貧生活の中
貴重な収入源だったのが幼いムヒカ氏も
手伝ったという花の栽培だった。
しかも、そのきっかけは・・・

「実は家の近所に10軒か15軒ぐらいの
日本人家族がいてね。
皆、花を栽培していたんだ
幼い私も育て方を教わり家計を助けたよ
彼らは凄い働き者でね。
昔ながらの日本人だった。」

農民の思考で狭い土地に
多くのものを耕していた。
幼いムヒカ少年の心に刻まれた
働き者で土に根差した日本人のイメージ。

しかし、そんな極貧時代の経験が
彼を戦う男へと変貌させる。
20代は南米最強の極左都市ゲリラに加入。
腐敗する権力に戦いを挑み
数々の襲撃事件に加わる。

6発の銃弾を浴びながら
2度の脱獄を経て13年間の牢獄生活を送った。

「50年前の私達は富を
平等に分配することよって
世界をより良くできると考えていたんだ。」

「でも今になって気づいたのは
人間の文化そのものを変えないと
何も変わらないということだ。

極端な思想だけでは社会は変わらない。
そう気づいた頃、
彼は再び日本人魂に出会うこととなる。

「ここには日本の造船会社が来ていて
日本人技術者が大勢働いていたんだ。」
その子供たちはここで成長し
自転車で学校に通い、
ここでサッカーを覚えたんだ。」

「ある日、日本人の子供が試合に出ていてね。
激しいプレーで頭を怪我して血を流していた。
ついにはコートから出された。
その子は泣いていたよ。
でも傷が痛いからじゃない。
最後までプレーできないことが悔しくて
名誉心で泣いていたんだ。」

名誉とはなんですか?

「任務を最後まで全うするということかな。
自分が引き受けたスポーツでの任務をね。
君たちの文化ではとても大切なことだろう?」

そのころから日本に
強く心惹かれてきたと言うムヒカ氏。

こうした異文化への探求心が時同じくして
ムヒカ氏を政治家への道
すなわち世界一貧しい大統領へと歩ませる。

「私はみんな豊かさというものを
勘違いしていると思うんだよ。
大統領は王家のような生活、
皇帝のような生活をしなければならないと
思い込んでいるようでね。」

「わたしはそうは思わないんだ。
大統領というのは多数派が選ぶのだから
多数の人と同じ生活を
しなければならないんだ。
国民の生活レベルが
上がれば自分もちょっと上げる。
少数派じゃいけないんだ。
国を治める者の生活は
その国の平均でなければならない。」

貧乏とは
少ししか持っていないことではなく、
限りなく、多くを必要とし、
もっともっと欲しがることである。

「ハイパー消費社会を続けるためには、
商品の寿命を縮めて
できるだけ多く売らなければなりません。
10万時間持つ電球を作れるのに
1000時間しか持たない電球しか
売ってはいけない社会にいるのです。
長持ちする電球は作ってはいけないのです。
もっと働くため、もっと売るための
使い捨て社会なのです。」

私達は発展するために
生まれてきたわけではありません。
幸せになるために地球にやってきたのです。

「・・・日本人は魂を失った。」

そこには日本への尊敬の念と
私たちの歴史への深い理解があった。

「ペリー提督が
まだ扉を閉ざしていた頃の日本を
訪れた時のことさ。
当時の日本は「西洋人は泥棒」と
思っていた時代だねぇ。
あながち間違いではなかったけど。
賢い政策で対応したと思う。
西洋にある進んだ技術に
対抗できないことを認め、
彼らに勝る技術も作ろうと頑張ったんだ。
そしてそれを成し遂げてしまった
でもそのとき日本人は魂を失った」

日本人が失った魂それは一体何なのか。

「人間は必要なものを得るために
頑張らなきゃいけない時もある。
けれど必要以上のものはいらない。」

幸せな人生を送るには
重荷を背負ってはならないと思うんだ。
長旅を始めるときと同じさ。
長い旅に出るときに
50キロのリュックを背負っていたら
たとえいろんなものが入っても
歩くことはできない

「よくわからないけど
100年前、150年前の日本人は
私と同意見だったと思うよ
今の日本人は
賛成じゃないかもしれないけどけどね。」

多くのものを持たなかった日本人。
「足るを知る」を美徳とした文化。

「日本はすごい進歩を遂げた国だとは思う。
だけど本当に日本人が幸せなのか疑問なんだ。
西洋の悪いところをまねして
日本の性質を忘れてしまったのだと思う。
日本文化の根源をね。」

幸せとは物を買うことと
勘違いしているからだよ。
幸せは人間のように
命あるものからしかもらえないんだ。
物は幸せにしてくれない。
幸せにしてくれるのは生き物なんだ。

「私はシンプルなんだよ。
根本的な問題は君が何かを買うとき
お金で買っているというわけではない
ということさ。
そのお金を得るために使った時間で
買っているんだよ。」

君は日本を変えることはできない。
でも自分の考え方を
変えることはできるんだよ。
世の中に惑わされずに
自分でコントロールすることはできる。

君のような若い人は
恋する時間が必要なんだ。

働いて働いて働いて
職場との往復を続けていたら
いつの間にか老人になって
唯一できたことは請求書を払うこと。」

「若さを奪われてはいけないよ。
ちょっとずつ使いなさい
まるで素晴らしいものを味わうかのように
生きることにまっしぐらに。」

本当のリーダーとは
多くのことを成し遂げられる人ではなく
自分を遥かに超える人材を残すことのできる
人であると思うから。




世界一貧しい大統領は、
世界で一番豊かな大統領なのかもしれません。
彼は悟っていました。
物をたくさん買うことではなく、
本当の幸せは人と人との関りで
生まれるものだと。
日本は戦後のGHQ政策によって、
その豊かさ、本当の幸せが
見えなくなってしまったように思います。
昔の日本は多くを持ってはいませんでしたが、今よりも心が豊かでした。
物は人を幸せにしてくれません。
「足るを知る」という美徳文化が
日本にはありました。
本当の幸せとは何かを
見出せることを心から願って。


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