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「急がない・広げない・隠さない」ーしばちゃんちのジャージー牛乳

『農』に携わる分野の逸材たちがThe CAMPusの“教授”です。教授は農法だけに留まらず、生き方やはたらき方、地域との関係性など、全体性を持って『農』の魅力を体現されている方々です。教授の発掘は、オモシロそうな農家さんがいたら直接会いに行き、現場を見ながらお話を伺います。The CAMPusの校長である井本喜久が、いろいろな農家さんとの出会いを紹介していきます。

 先日、静岡に行ってきた。「しばちゃんちのジャージー牛乳」をやってる柴田さんに会いに。清らかな川が流れる緑豊かな山奥にぽつんと佇む柴田牧場は、酪農には良い環境なんだけども、商売的には決して簡単じゃない環境にある。

 しかし柴田さんは、この場所ですでに何十年も、牧場と乳業工房とカフェを営んでいて、平日なのにカフェにはお客さんで溢れていた。それもそのはず。川のせせらぐ音を聴きながら飲む一杯の牛乳の味に感動させられた。

 「なんじゃこりゃー!」ってくらいにうまい。濃くてクリーミーだけどさっぱりした後味。もちろん牛乳の他にもソフトクリームとかプリンとかクッキーもあって、どれも激ウマ。
 静岡県内で、酪農から加工・販売までをやる農家は20年くらい前には30軒近くあったのが、今はもう2軒しかない。柴田牧場はなぜ生き残り、さらに元気に今も成長を続けているのか。柴田さん曰く「急がない・広げない・隠さない」ただそれだけなんだそうだ。

 もちろん、その言葉の裏にはいっぱいの失敗と成功の経験が積み重なっているんだと思うし、だからこそ、彼の哲学には重みと説得力があった。柴田さんもThe CAMPusの教授になってもらえる事が決まったので、彼の熱き経験の数々を多くの人たちにシェアしていけるのが楽しみすぎる。

静岡までは東京からクルマで2時間40分。朝出たら昼前には到着できる。この牛乳には2時間40分かけて飲みにいく価値がある。

井本喜久 (The CAMPus 校長)


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井本喜久 (The CAMPus 校長/コズ株式会社 代表取締役)
 1974 年、広島県竹原市で小さな米農家の息子として生まれる。東京農業大学に進学するも、在学中に渋谷のイベント会社でアルバイトに明け暮れる。卒業後、企業プロモーションの企画にのめり込む。26歳で独立。故郷の広島でアパレルショップを開店するも1年半で閉店。その後、広告事業に切り替えるも上向かず、2年で広島を撤退。東京に戻り広告業の下積みからやり直す。

 2009年、岩井俊二氏らと映画製作をプロデュース。同じ年に「日本イベント大賞」を受賞。その頃から「広告」という枠を超えて社会への熱いメッセージを届けることを強く意識するようになる。現在は「次の世代のPEACEを創る」を自身のテーマに様々な企業のブランドづくりに携わる。

 2012年には、仲間と一緒に「ポテトとジンジャーで世界を平和にする」食のブランド、Brooklyn Ribbon Friesを立ち上げ、表参道・原宿・表参道でお店を展開中。

 2016年には「学び」をテーマにした未経験の若者が主役の都市型マルシェ「The CAMPus(ザ・キャンパス)」を新宿駅屋上で半年間の期間限定で展開し延べ10万人を動員。また、2017年11月には「The CAMPus」という屋号はそのままに、インターネット上にバーチャルな農学校を誕生させる。

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