人はラベリングされた通りに無意識に行動してしまう
僕は最近、「ラベリング」という心理学の概念について考える機会がありました。
これは、人や物事に対して根拠なく判断・評価し、ラベルを貼ることを指します。
特に興味深いのは、ラベルを貼られた側が無意識のうちにそのラベルに合わせて行動するようになるという点です。
ある実験で、参加者を無作為に2グループに分け、グループAには「あなたたちは投票を通じて政治に参加する意識の高い市民です」と告げ、
グループBには「あなたたちは関心や行動に関して平均的な市民です」と伝えました。
その結果、グループAの人々はグループBよりも15%も投票に行く確率が高かったのです。
この実験から、ポジティブなラベリングが人の行動に与える影響の大きさを実感しました。
では、この知見をチーム作りや組織マネジメントにどう活かすべきでしょうか。
それは、チームや組織にとって助かることと、その社員が好きで得意なことの重なる部分を、上司や同僚が言葉にして評価することです。
例えば、提案書の出来映えが売上に影響する部署で、提案書作成が得意な部下がいれば、「あなたは提案書作りが本当に上手ですね」と伝えることで、その部下はその能力をさらに発揮してくれるでしょう。
また、チームや組織が期待することをラベリングする方法もあります。
数字のチェックを忘れがちな部下に対して、「あなたは細かいところのチェックまでしっかりと頑張れる人ですよね」と伝えることで、
そのラベルに寄せて行動を改善し、数字をチェックできる人になっていくのです。
ラベリングは、非常に重要かつ効果的な対人コミュニケーションの技術です。
松下幸之助氏をはじめとする経営のカリスマたちは、この技術を巧みに使いこなしていました。
僕もこの技術を学び、日々のコミュニケーションに活かしていきたいと思います。
皆さんも、ポジティブなラベリングを意識して、周りの人たちの可能性を引き出してみてはいかがでしょうか。
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