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シルキー、クリーミー… "スペシャルティコーヒーの『質感』"ってなに?

スペシャルティコーヒーを楽しむ際、味やフレーバーに加えて一緒に感じていただきたい要素として『質感』というものがあります。

コーヒーの質感とは、どんなものなのか。また、それはなにによって決まるものなのか。見ていきましょう。

■味?香り?コーヒーの質感とはなにものなのか?

スペシャルティコーヒーを楽しむ際には、フレーバーホイールを理解しておくと、より深く楽しむことが出来る。ということは、これまでにもお伝えしましたね。

また、甘さ酸味など、味にまつわるお話もお伝えしてきたかと思います。

今回のお話は、スペシャルティコーヒーの味わいを構成する要素のひとつ、『質感』についてです。

「そもそも質感とは何か。」

これは端的にいうと、コーヒーを口に入れたとき、触覚として感じるものになります。

同じ液体でも、"水"のようにサラサラしたものもあれば、"メイプルシロップ"のようにトロみのあるものもある。
それと同じように、コーヒーにもサラサラしたものと、トロみがあるもの、滑らかなものなど、様々な特徴があります。

スペシャルティコーヒーの質感の表現例:
滑らか・シロップのような・シルクのような・重みがある・軽やか など

具体例をあげると、現在THE COFFEESHOPで販売中(2023年1月)のEthiopia / Haru Washedでは、このように表現されています。

『フローラルで、スウィートレモンや黄桃、紅茶のような風味。
クリーミィな質感で、フルーティな甘さの余韻が長く続きます。』

Ethiopia / Haru Washed

Ethiopia / Haru Washedは、口に含むとやや滑らかな粘性を感じ、舌にまとわるような印象をもちます。その触感を指して、『クリーミィ』というコメントで表現しているのです。

■質感を決める要素

では、コーヒーの質感を決める要因はなにか。
そこには主に下記の3つの要素が大きく関わります。

①コーヒー豆の本来の個性
②コーヒーの淹れ方(抽出方法)
③飲むときの温度帯

質感を決める要素① -コーヒー豆の本来の個性-

コーヒーは農作物であるため、品種や生産処理、栽培される土地の土壌や気候によって、出来上がる個体に差が生じます。
それによってフレーバーや酸味の質が変わってくるのですが、質感も同じく
コーヒー豆ごとに異なる個性を持っている
のです。

例えば先ほどのEthiopia / Haru Washedは、『クリーミィな質感』と表現されているのに対し、Brazil / Boa Esperansa では、『スムースな質感』とされています。どちらも滑らかさを感じますが、後者の方がややさらっとした印象ですね。

エチオピアとブラジルでは当然品種も気候も土壌も異なりますので、違った個性を持つコーヒー豆が出来上がるというわけです。
また、仮に同じ品種・産地から収穫された豆でも、収穫後の生産処理がナチュラルなのか、ウォッシュドなのかでも、質感に違いが生じます。

こちらは一概には言えませんが、経験上ナチュラルの方が粘性が強くなる場合が多いですね。

質感を決める要素② -コーヒーの淹れ方(抽出方法)-

スペシャルティコーヒーの質感に関わる要素2つ目は、コーヒーの抽出方法です。

ハンドドリップなのか、コーヒープレスなのか。
同じハンドドリップでも、メタルフィルターを使うのか、ペーパーフィルターを使うのか。
抽出に使う道具や方法によって、出来上がるコーヒーの質感には、違いが生じてきます。

例えば、THE COFFEESHOPの店頭では基本的にすべてメタルフィルターを使って抽出していますが、一般的にペーパーフィルターよりもメタルフィルターの方が、質感に粘性を感じやすいです。

これは主にコーヒーの液体に溶け出すコーヒーオイルと微粉の影響と考えられます。ペーパーフィルターでは濾されてしまうオイル分・微粉が入ると、より液体が重く・まとわりつくような印象になります。
どちらが良いかはお好みによりますが、THE COFFEESHOPでは粘性を感じる液体の方がより甘さを知覚しやすいと考えていますので、メタルフィルターでの抽出をオススメしています。


質感を決める要素③ -コーヒーを飲むときの温度-

コーヒーの質感を決める第3の要素は、飲むときの温度帯です。

一般的に、液体は温度が高いときよりも冷めた時の方が粘度が増すので、コーヒーも同じように冷めてきたときのほうが粘度が高くなり、より質感の差がわかりやすくなります。

特に、元々のポテンシャルとしてクリーミィ・シロッピー(シロップのような質感)なものは、より液体の重さ・粘度を感じやすくなります。
コーヒーによっては冷めてくると甘さや甘み系のフレーバーを感じやすくなりますが、ここには温度による質感の変化が関連しているのかもしれませんね。
また、冷めてくると一口で飲める量も増えるため、結果として舌の上にコーヒーが留まる時間が長くなります。
それが "質感を違って感じさせる要因"というのもありそうです。

■まとめ

以上、今回は「スペシャルティコーヒーの質感について」お伝えしてきました。
フレーバーや味、アフターテイストなどと比べると見落とされがちな質感という言葉ですが、実はコーヒーの美味しさにかなり影響する部分でもあります。
スペシャルティコーヒーを楽しむときには、ぜひ質感にも注目して味わってみてくださいね!

THE COFFEESHOPの実店舗 ROAST WORKS(渋谷区富ヶ谷)では、コーヒー豆の種類だけでなく、抽出方法もお選びいただいて、コーヒーをお淹れ致します。
同じコーヒー豆で、抽出方法を飲み比べるのも面白いかもしれません。店頭でお待ちしております!

◼︎THE COFFEESHOP
- ROAST WORKS-
住所: 〒151-0063 東京都渋谷区富ヶ谷2-22-12 1F
営業時間:9:00-17:00
※席あり 4席
電話番号 TEL.03-6407-1344
最寄駅 駒場東大前駅:徒歩約13分 / 代々木上原駅:徒歩約15分

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