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吉本社長に学ぶリーダーシップ?

FROM 安永周平

お笑い界の頂点に君臨する吉本興業が、揺れに揺れています。ニュースは連日この話題ばかりで、参院選の結果すら霞んで見えてしまうほどです。「闇営業」に端を発する問題が、人気芸人の謝罪会見、契約解消…そしてついには社長の謝罪会見にまで。そして、その社長の会見に、社員(?)であるはずの芸人から不満の声が続出している、と。

6000人もの芸人を抱える吉本興業、もちろんそのトップを務めるのは大変なことでしょう。人の数だけ問題は起こりますし、僕には想像もつかないような苦労もされていると思います。しかし、”ファミリー”であるはずの芸人たちから大バッシングを受けている今の状況は、社長のリーダーシップが正常に機能しているとは思えません。外野がどうこう言う話ではないんですが、この状況を見て、僕はあることを感じました。それは…

地位や権限によるリーダーシップの限界


これまでの吉本興業は地位や権限によるリーダーシップによって、力ずくで社員を動かしてきたのではないか、ということです。ボブがよく「人を動かすには2つの方法がある」と言いますが、そのうちの1つがこれです。つまりは、社員を支配しコントロールするもの。心理操作をしたり、時には威圧的に相手を脅して従わせたりすることです。

地位や権限によるリーダーシップを行使した場合でも、相手を従わせることはできるでしょう。なぜなら、誰だって上司に気に入られ、昇進したり昇給したりしたいと思っているからです。あるいは、処分を受けたり、クビになったりしないように、また確実に給料をもらえるように…といった理由からも、彼らは上司の言うことを聞くでしょう。

「言うことを聞かせている」状態に過ぎない


しかし、これはあくまで「言うことを聞かせている」という状態に過ぎません。言うことを聞かせている状態とは、それは単に渋々従っているだけの関係のことです。この状態だと、言われた側は言われたことしかせず、それ以上の行動はしてくれないことが多いです。これは、組織の規模にかかわらず言えることですし、たとえ家族が相手だったとしても同じことでしょう。

そして、この種類のリーダーシップには、もう1つ弊害があります。というのも、「言うことを聞かせている状態」では、相手が意識しているかどうかは別にして、本来の目的を妨害されてしまうことがあります。敵を増やしてしまうんですよね。今回、TVなどのメディアで複数の芸人が吉本興業に対して憤りを露わにしたコメントを発しているのは、まさにこの状態ではないでしょうか。

もう1つのリーダーシップとは?


このように、地位や権限によるリーダーシップは、ある程度は機能することもありますが、会社規模や社員の数が多くなってくると機能しなくなるという限界もあります。そのような時、どうすればいいのか…というと、ボブは「もう1つの人を動かす方法」を使えばいいと言っています。そう、脅したり威圧したりして言うことを聞かせるのではなく、人を動かす方法があります。

それは、「貢献してもらう」ということです。貢献してもらうとは、力ずくで言うことを聞かせるのとは全く違います。相手は、進んで気持ちよく動いてくれますし、こちらの期待以上のことをやってくれるようにもなります。さらに、この方法に地位や権力は関係ありません。私たちも今日から使える方法です。

人に気持ちよく動いてもらう技術


では、どうすれば相手に貢献してもらえるようになるか…という話になりますよね。ボブ曰く、これは自分の考えを相手に”理解してもらう”だけでは不十分です。貢献してもらえるのは、リーダーの考えが相手に「受け入れられた時」です。理解してもらうことと、受け入れてもらうこと…大した差はないように思えますが、この違いは大きいのだと。

端的に言ってしまえば、相手の利益を考えなければならないということです。人を動かす立場にあるリーダーは、どうすれば「自分の望み」と「相手の利益」を結び付けられるかを常に考えて置かなければいけません。相手も、自分の利益になる行動なら気持ちよく動いてくれる可能性は上がります。リーダーが望む結果に対して、自発的に行動してくれるようになるのです。

実際、名著『人を動かす』の中で、デール・カーネギー氏は「人間は、究極的には自分のために行動するものだ」と言っています。決して相手を操作しようなんて考えてはいけません。相手の利益を考えた時、はじめてリーダーは「貢献してもらう」ための第一歩を踏み出したことになるのです。そして、力ずくで言うことを聞かせるのとは全く違う、大きなパワーを感じることができるでしょう。

僕が発揮した最低のリーダーシップ


恥ずかしながら、僕もマネージャーをしていた時、部下を地位や権力(過去のプレーヤーとしての実績)によって動かそうとしていました。自分が言うとおりにやれば業績が上がるという確信があったので、言うことを聞かせようとしていました。「俺の言うとおりにすれば業績が上がるのに、なんでやらないんだ?」と部下に詰問まがいのことをしていたんですよね。

結果、どうなったかというと…部下は全く協力してくれなくなりました。それどころか、事あるごとに僕の提案に反発するようになりました。それが、どんなにいいアイデアであったとしても、です。おそらく当時、そのアイデアの優劣がどうこうよりも「僕のことが嫌いだ」という理由だけで抵抗していたのではないかと今では思います。

正直、当時のことは今でも思い出したくない過去ではあります。しかし、マネージャーとしてドン底だった時、ある出来事をキッカケにして、部下との接し方やコミュニケーションを見直しました。それから1年半くらいかかったのですが…部下との関係に少しずつ変化が見られるようになったのです。もしあなたが今、部下や後輩との接し方に悩んでいるのであれば…僕の経験が少しだけ役に立つかもしれません。

最低のマネージャーだった安永の話

PS
ちなみに、最後まで信頼を取り戻せなかった部下もいます。でも「言うことを聞かせていた状態」の時とは段違いにチームの雰囲気も業績もよくなりましたよ。

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【公式】 『THE GO-GIVER』

『THE GO-GIVER』とは、2008年に米国で出版された後、世界的ベストセラーとなったボブ・バーグ&ジョン・デイビッド・マンの著書のタイトルであり哲学です。 『THE GO-GIVER』日本公式サイトhttp://thegogiver.jp/?ts=note
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