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考えすぎずとりあえず第一歩〜Effectuation理論

Effectuation」という理論は、経営学の分野で世界的には有名ですが、日本に入ってきてまだ6年ほど。今日はその勉強会に参加しました。事前にほぼ何も予習することなく挑みましたが、とてもわかりやすい解説とともに「いつも意識していること」が多く、プラスアルファで新たな考え方に触れるなど有意義な時間となりました。

詳しくはこちらに譲りますが、とても難解で500ページもあります。さっき注文しましたが気合を入れて読まないと年内に終わらない気がします。勉強会の記憶が新鮮なうちに読み切ろうと思います。

さて、私もそうですし皆さんもそうかもしれませんが、何かを目指すとき、新しいことをやろうとするとき、多くは予測をたてたり、目的を掲げたりします。例えば仕事で新規企画を打ち立てるとき、市場調査や競合分析をして、自社のアセットによる実効性を予測します。もっとシンプルには、就職活動や受験勉強において、過去の問題を解いたり会社の理念を研究して面接の準備をするなどの、やはり予測を立てます。

ところが「Effectuation」理論では、予測やビジョンをまったく必要としません。今あなたが持っている手段をとにかく動かすことから始めます。私だったら、イングランド留学経験、スポーツクラブでの勤務経験、エンタメ企業でプロデューサーを担った経験など。考えてみるとそれらを生かして今、新しいチャレンジを続けています。まさにEffectuationの第一歩だったのかもしれません。

行動すれば必ず失敗はつきもの。ですが失敗は許容の範囲内に収めることが重要です。再起不能になるような大失敗は避けて、ちっちゃな損失を受け入れつつ、その経験を次の行動に生かすサイクル。私は今、プロサッカークラブで通訳の仕事を兼務していますが、細かいミスは無数に犯しています(汗)ですがその経験がアジャストのスピードを格段に早めてくれるのも事実。

そうやって動いていると予期せぬ偶然や協力者に巡り合うことがあります。最近はスポンサー営業がメインの仕事になりつつありますが、がむしゃらに営業しているとラッキースポットにぶち当たることがあるもんです。自分を追い込んで動くからこそ手に入れた偶然。偶然を生かして、結果に繋げることができました。

Effectuationのポイントは、手段の棚卸し、行動、失敗、偶然というサイクルを集合的に依存し合うものとして「コントロール」すること。起業家たちはそんな世界認識のもと、意図的にトレーニングを積んでこのサイクルを身体知化しています。シンプルに行動量を増やすだけではなく、テコにできる偶発性を意図的に導き出すような行動を心がけること。ここが今日の新しい気づきでした。

予測を立てて行動することが悪いというわけではありませんが、予測をすることで行動できなくなるということは少なくありません。というかそもそも、予測が困難な時代に生きている私たち。リーマンショックやコロナを事前に予測できていれば苦労しません。そんな時代と向き合っているからこそ、予測の前提を振り払って、手持ちのリソースを最大限に活かしてまずは一歩前進することが重要だということをEffectuationが教えてくれました。

久保大輔




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