たてやん【元タクシー運転手の運行管理者/中卒】

救急搬送され半年の療養から職場復帰 人生の半分は海外生活で気がつけば50半ば ワクワ…

たてやん【元タクシー運転手の運行管理者/中卒】

救急搬送され半年の療養から職場復帰 人生の半分は海外生活で気がつけば50半ば ワクワクすること、ハラハラすること 人生なにが起こるかわかりません エンターテイメントとして駄メンズの半生を 物語にしてみましたので楽しんでください

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【最終回】                何者にもなれなかった50男の物語

実はタクシー業界に入るまでは 興味がありつつも最後に行く 職場だと思っていたけど事実 その通りになった これで人生最後の仕事にしよう そう思いながら会社の門を叩いた 元々タクシー業がぼくに合っていた のだろう、水を得た魚のようで とにかく仕事が楽しかった 全て自分の思うように動き休憩も 自分の好きな時だし休みも多い 勿論当日欠勤も問題ない 歩合なので自己管理出来る人なら それなりの売上が作れる仕組みだ 元々店を始めようと思っていたので 結構貯金が残っていた コ

    • 【第三十回】              何者にもなれなかった50男の物語

      職場へ行く気が全く無くなった 妻には過去ぼくのような状態に なった同僚が居たらしく理解して くれていた かなり助けてもらい負担も減った 妻は良く支えてくれたと思う ぼくは仕事を休み内科へ行った 医者に身体は大丈夫と診断され 心療内科へ行ってはと勧められた 鬱病は新しい病気で心療内科の ドル箱となる商品 当り前のように医者には典型的な 鬱病と診断された 本当に鬱かどうかはどうでも よかったのかもしれない ただぼくは自分の現状に疲れてた 結局 医者の診断書

      • 【第二十九回】           何者にもなれなかった50男の物語

        新婚祝いとして寮にあったTVと 棚を勝手に持ってきてしまった 流石にTVは捨てたが棚は今でも 有難く使わせてもらっている 暫くしてぼくはその会社も辞める こととなる 色々と自由にやらせてもらおうと 思っていたが所詮他人の会社 只のバイトでは何もできず毎日 金のためにだけ通う始末 そのうちに単調な仕事に飽きて ある日仕事に行きたくなくなった その会社で前に勤めていた人が バイトで飼い殺しにされていた話を 聞いて辞職を決心した その後新居の近所に職を見つけ あっさり

        • 【第二十八回】           何者にもなれなかった50男の物語

          少し仲良くなったころ ぼくは彼女を食事に誘ってみた 初めての店は普通のイタリアン でも彼女はそういう店が初めて らしく緊張していた ほどなくしてぼくらは結婚した この時ぼくは貯金どころか 多額の借金があり妻の貯金に お世話になることになった 散財していた時代の浪費癖は 抜けなくて生活ぶりは相変わらず 借金あるのに高級な外食店へ 行ってたので妻の貯金もすぐ 底をついてしまった 独身が長かったぼくは宵越しの 金は持たないというありさま 生きている今この瞬間こそが

        【最終回】                何者にもなれなかった50男の物語

          【第二十七回】           何者にもなれなかった50男の物語

          理容師の端くれのような奴と組み カラーリングの専門店を作った 彼は借金だらけで任意整理を しているような半端者だった そしてぼくも半端者 お互い似た者通しで最初から失敗 するのは目に見えていた 新しく起こした事業で利益もない それなのに彼は給料をくれという 会計上給料をのせるのはいいが 数字だけでなく実際に毎月お金が 出て行った 手持ちの金と寝たきりばぁちゃんの 年金貯金を使いまくった ぼくは無くなってく資金をなんとか 戻そうと何をしたか? あるランディングペ

          【第二十七回】           何者にもなれなかった50男の物語

          【第二十六回】           何者にもなれなかった50男の物語

          会社のメンバーにはぼくが 原因不明で失踪したことにした 色々と憶測が飛んでいたらしい 会社から資金を流してもらい ぼくは新事業にとりかかる この時今までのビジネスが軌道に 乗るまでどれだけ苦労したか? それを思い出していれば 始める前にもっと真剣に準備を していただろう この時のぼくはなんでもできる と心の底から思っていた 暫くは着手せず中国で生産して 日本へ販売する仕事をしていた ぼちぼち流行り出していた ネット販売の生産を請け負った 希望の品があれば材料と

          【第二十六回】           何者にもなれなかった50男の物語

          【第二十五回】何者にもなれなかった50男の物語

          それから取引先と現金での 付き合いが始まった 相変わらず商売は順調だがお客は 酒癖が悪かった ウチで飲みなおしになって早く寝て くれと祈りこめグレープフルーツ ジュース1滴のブルドックを 作っても全然倒れなかった 毎晩そんな感じの接待に社員は ストレスがたまっていた ウチの幹部社員は当時リビング用に 買った75インチのソニーに酒瓶を 投げつけ壊してしまった ビジネスは好調だったがメンタル と肝臓はホスト級にぼろぼろ 取引先の社長は数字が読めない ぼくに教えようとし

          【第二十五回】何者にもなれなかった50男の物語

          【第二十四回】何者にもなれなかった50男の物語

          ある日晩飯を食っていた時 地元のチンピラとちょっと 揉めたことがあった なんかウチらがうるさかった とかそんな理由だったと思う そのチンピラはぼくに30万 払えと言ってきた まだ若かったぼくは頭に血が 上り二人は表に出た 頭かち割ろうと思いビール瓶を 持ってやる気満々だった チンピラは電話しだした 「アニキ」 「トラブルです」 みたいなことを言っていた ぼくはちょうどいいので替われと アニキと呼ばれる人と話した じつはそのアニキ ぼくのビジネス仲間だった

          【第二十四回】何者にもなれなかった50男の物語

          【第二十三回】何者にもなれなかった50男の物語

          ある日ぼくが工場にいると 部下から電話があった 「今うちにヤクザが来てます」 前日客を接待していた お店を出た時パパ活をせびる 女がしつこく客にまとわりつく ぼくはブルースリーのように 女へ軽くドロップキックした アウチ!と女はよろけ離れた どうも女はその件で知ってる チンピラに駆け込んだらしい そうしたら僕の運転手が 鼻息を荒くしてこう言った 「俺がナシつけてきますわ!」 ぼくがまた仕事をしていると 運転手から電話がかかってきた 運転手は弱弱しい声でぼく

          【第二十三回】何者にもなれなかった50男の物語

          【第二十二回】何者にもなれなかった50男の物語

          どうもたてやんです ダメな男でも人生一度くらい いい思いをすることがあります 彼のハイライトはどう訪れたの でしょうか? 会社の売上は全く無い状態で ひたすらタダ働きをした 食事は一緒だし工場での寝泊り なかなか目が出ない生活だった でも危機感のないぼくは毎日を 淡々と積み上げただけだった そんな生活が1年すぎたころ 取引先の社長がサンプルを依頼 してくれた とりあえず6型 ぼくはなじみの工場へ サンプルを依頼した 工場はオーダーが入るかもと ノリノリでサン

          【第二十二回】何者にもなれなかった50男の物語

          【第二十一回】何もにもなれなかった50男の物語

          どうもたてやんです ぼくが居た半世紀前の中国は とてもエキサイティングな国 今日はそんな中国でのお話です 中国の奥地へ行った時に案内された ところは最悪だった そこは窓もついてない廃墟のような ところでベッドだけ置いてあった そして頼もしき相棒がいた 50cmはある巨大なカメ 寝ている間にカメに噛まれたら 嫌だなと思いつつ「謝謝」と言った その夜 カメよりももっときつかったのが 蚊の攻撃だった 全身いいように食われその夜は結局 眠ることが出来なかった アモ

          【第二十一回】何もにもなれなかった50男の物語

          【第二十回】何もにもなれなかった50男の物語

          どうもたてやんです 今日は人生のターニングポイント あたりを少し話します ある日渋谷へリサーチに 行こうと電車に乗ったら 知ってる社長が居た ぼくは社長にこう言った 「社長!」 「最近太りました?」 ぼくは深く考えていなくて 景気が良いことを純粋に 称えたつもりだった 後日社長がぼくにキレている という話が入って来た 社長は太ってきたのを 気にしてたらしい これはあやまったほうがいい すぐさま社長のところへ あやまりにいった 「社長余計なこと言って     

          【第二十回】何もにもなれなかった50男の物語

          【第十九回】何もにもなれなかった50男の物語

          ぼくはオヤジの香港出張に 付いて行った ホテルのバイキングのこと 生ガキが大好きなぼくは とにかく食べまくった 敷き詰められた氷一杯の牡蠣 結局80個以上の牡蠣を胃に おさめて満足していた ところがその日の晩だった 上から下から大放出祭り とても寝られる状態でなく ホテルで死んでいた ぼくはノロウイルスに感染した 日本は生食用と過熱用とは 別物らしく厳重に管理される でも香港はその辺怪しい 海外の経験がまだ少なかったぼく 日本と同じ感覚でいたので 結果

          【第十九回】何もにもなれなかった50男の物語

          【第十八回】何もにもなれなかった50男の物語

          台湾から帰国したたてやんです すくすくと育ち20歳になった たてやんのお話でもします ぼくは成人式を迎えた 都内の成人式は有名人が ブッキングされている ぼくらの成人式も当時 売れていた2人組だった 前日は親友JJと朝まで 飲み明かしていた 当時のぼくは体力もあった なにより大酒飲み 一晩で日本酒1升は行けた その時もだらだらと 飲んでいたけどいつの間 にか眠ってしまった 強烈な喉の渇きで目ざめた ぼんやりした頭で成人式と 思い出した 時計を見るとすで

          【第十八回】何もにもなれなかった50男の物語

          【第十七回】何もにもなれなかった50男の物語

          どうも 何者にもなれなかったたてやんです 今日はもう少し台湾時代を話します ぼくは国内線の飛行機の中 今でいうLCCみたいなやつ プロペラ機は離陸した ところが出力不足なのか なかなか上がらない そのうち飛行機は旋回する ように真横を向いた ぼくの窓から海が見える 全然上がらないプロペラ機 エンジンがうなっている プロペラの出力が落ちた 飛行機は海に向かい下降を 始めていた 「これ死んだな」 ぼくは腹をくくった そのとき! 出力が落ちていたプロペ

          【第十七回】何もにもなれなかった50男の物語

          【第十六回】何もにもなれなかった50男の物語

          どうも 何者にもなれなかったたてやんです とうとう海外へ出され台湾で 過ごした日のお話になります お世話になった会社を辞めた後 ぼくは台湾へ向かうこととなる オヤジの知人の台湾人が ぼくの面倒を見てくれる ことになった 台湾というだけあって 台風の日は会社や学校が 休みになる そして日本と違い窓やドアは 鉄柵で頑丈に守られている ぼくはよく鍵を忘れるので 日本では窓から入ったりした その日もぼくは鍵を忘れ アパートに入れなかった 仕方なく警察に向かった 警

          【第十六回】何もにもなれなかった50男の物語