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大河ドラマ いだてん~東京オリンピック噺~

日本人で初めてオリンピックに参加した金栗四三と、日本にオリンピックを招致した田畑政治。この2人がいなければ、日本のオリンピックはなかった。初参加で大惨敗を喫した1912年「ストックホルム」から、1964年の東京オリンピックが実現するまでの日本人の“泣き笑い”が刻まれた激動の半世紀を描いた。作:宮藤官九郎。音楽:大友良英。語り:森山未來。出演:中村勘九郎、阿部サダヲ、ビートたけし、役所広司ほか。
作:宮藤官九郎 音楽:大友良英 語り:森山未來

NHKアーカイブス『いだてん~東京オリンピック噺~』


1963年に放送開始されたNHK大河ドラマは日本の歴史をテーマに出来事・人物を独自の解釈で描き視聴者の心を掴んでいます。主に日本の戦国時代、幕末が頻繁に取り上げられてきました。
その大河ドラマに日本近現代史(明治~昭和)を取り上げた珍しい作品は4作あり、日系アメリカ人をテーマにした『山河燃ゆ』(1984年)、日本で最初の女優・川上貞奴を主人公にした『春の波涛』(1985年)、終戦直後から現代(1980年代)を描いた『いのち』(1985年)、そして2019年に放送されたオリンピック(以下、五輪。内容によってはオリンピックと表記する場合があります)をテーマにした『いだてん ~東京オリンピック噺~』です。前の3作は私が幼い頃に放送されていたので作品の良し悪しがわかりません。大人として観ていた『いだてん』の感想を述べます。


感想


落語と五輪は分けてした方が良かったです。宮藤官九郎が落語-特に古今亭志ん生-を描きたいのなら土曜ドラマか終戦特集ドラマで十分です。最初からその企画ですれば視聴者は理解できたのではないでしょうか。

落語の件はそこまでにして五輪をテーマにした大河ドラマですが日本がオリンピックに出会い1964年の開催に至るまでの経緯を面白く描いたことです。

主役は二人で前半が日本マラソンの父で日本人初のオリンピック選手・金栗四三(かなくりしそう 演:6代目中村勘九郎)で後半が水泳とオリンピック招致に生涯を捧げた田畑政治(たばたまさじ 演:阿部サダヲ)です。主役が交代制になるのは『葵 徳川三代』(2000年)以来19年振りで親子2代で主役を務めたのは『元禄繚乱』(1999年)以来20年振りで主演は6代目勘九郎の父・5代目中村勘九郎でした。

初回は田畑政治が登場し東京オリンピック開催決定に歓喜を上げる場面が続いたあと、舞台は明治末期(1900年代)に移ります。日本人がオリンピックの存在を最初に知った場面が登場し、現在の羽田空港となる土地ででオリンピック選手を選ぶ学生マラソンがはじめて開催されたことが描かれています。そして第一部の主人公・金栗四三が登場します。しかも顔が帽子の染料で「歌舞伎の隈取り」となっていました😆!

何よりドラマを盛り上げたのは役所広司演じる嘉納治五郎です。嘉納治五郎は柔道の創始者で日本人として初めてIOC会員となり五輪招致に尽力し日本での開催を熱望するも1938年、志半ばで力尽き遂に生きて見ることがなかった生涯を見せてくれました。嘉納治五郎を通して金栗四三と田畑政治はオリンピックという舞台で活躍できたのは後の日本スポーツ界に大きな影響を与えたのはいうまでもありません。

※ 2023.6.30 加筆修正
※ 2023.7.23 加筆修正

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