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イギリスMBA留学中に肺炎になった話②

前回の記事はこちら


6.いざ病院へ&診断

2/5(月):この日も前日の体調と変わりなく、朝から39度台の高熱、咳、黄色い痰、食欲不振、頭重感、そして悪寒、胸の痛みがばっちりありました。終わったなと思いつつ、LINEで従妹(父親の妹の娘。筆者と手や頬の形が似てると周りから言われる。)にお誕生日おめでとうメッセージを入れました。彼女はまさか、異国の地で従姉が死にかけながらおめでとうメッセージを送ってるなんて想像もできないだろうなぁ。
「ワセジョイギリスでも元気してるか〜?」とこのタイミングで聞かれました。タイミング良すぎないか君…。

でも、この惨状を冗談調にでも彼女に伝えれば、妻(筆者母)を亡くして独り暮らしの父、結婚(再n婚)したばかりの叔母、持病のある齢80が近い祖父母にあっという間に伝播し、余計な心配をかける上に、声が掠れて出なくて咳が出まくる時に限ってとんでも無い量の通話攻撃待ったなしである(父方の家系は通話大好き文化)。

というわけで、うん元気にしてるよありがとう〜留学たのし〜と返しておきました。元気にしてます(白目)(朝から体温39度超え)

ともあれ、まずはGP(前回の記事の注1参照。登録しているかかりつけ医のこと)に予約の電話を入れてみました。まあ、つながらないこと…。しびれを切らしたのと、寮からGPのクリニックが徒歩2分だったため直接突撃することに。すぐに診てもらえる重症感を出すために、あえて解熱剤を飲まずに突撃してみました。

そして、受付のおばちゃんに「もう今日予約いっぱいなんだよねえ」と言われて絶望していると、「ただ、見た感じなんかヤバそうだから救急病院予約しようか?」と提案されました。え、できるの!?ということでお願いしたところ、そちらはあっさりその日の午前11時半に予約が取れました。そして、タッチの差で海外旅行保険のサービスデスクでロンドンの日本人クリニックのオンライン診療の予約がその日の13時に取れたとの連絡が。救急病院で待たされるだろうが、まあ病院の外でビデオ通話でいいし、今回救急病院で診てもらった内容シェアして日本語で解説でもしてもらうか~と思い、これはこれで承諾。

まだ救急病院の受診まで時間があったので、いったん寮に戻り、解熱剤を飲んでからワンチャン入院になる可能性を考えて、1週間分の下着やパジャマをセットし、タクシー(感染症向け)を手配(公共交通機関は使わない方がいいと自己判断)。そして、マスク着用で救急病院に乗り込みました。

入り口は回転ドアになっていました。中に入ると、
学校みたいな感じでした。

寮からタクシーに揺られること約15分、病院に到着すると、診察室の近くの待合室で待機を求められました。人多いなあ〜3時間待ちコースかなと思いつつ、待つこと15分で診察室に呼ばれました。あれ、救急病院は3時間待ちみたいなブログあったけど、大都市の話?(もしくは、筆者の状態があまりにヤバそうなので、他の患者よりも優先された?)

ちょっとうちのMBAの人材組織の授業の先生に似た感じの女医さんに診察してもらいました。まずは問診され、食事や水分がどれだけとれているかや前日のNHS111(救急相談)で聞かれたことがそっくりそのまま聞かれました。そして体温や血圧測定されました。体温は耳に突っ込むタイプの体温計。筆者が苦手なやつだ…。体温は解熱剤を飲んでいたのに38度。血圧は日本でやった健康診断通り。そして聴診器へ。すると、女医さんが眉間にしわを寄せ、いきなり筆者の耳に聴診器の耳当て?部分を突っ込んできました。なんか、ゴロゴロ、時々プツプツ音が聞こえる…?そして女医さんが「聞いたか?これがChest infectionの音や!教科書通りやね」と言いました。chest infectionの意味が気になったのでググると、「肺感染症」の文字が。え、まさかまさか、肺炎なの?20歳でやった時の方が息は断然苦しかったんだけどなぁ…。
そして、パルスオキシメーターで酸素飽和度が測られ、出た数値は95%。このままレントゲン検査や血液検査連行かと思いきや、ペニシリン系抗生物質を出されてまさかの診察終了



え、レントゲンとか血液検査やらんの!?と聞いたら「何回も感染症を繰り返しているならまだしも、そうじゃないやろ?やったところで、すでに聴診器でお察しで結果は明らかなんだから、抗生物質もらってはよ寝とき。あと、水分も取れているし、1日3個もプリン食べられたり、バナナ食べられたり、スープ飲めているなら平気だし、酸素飽和度的に酸素吸入も不要だから自宅療養ね。お大事にな。」という返事ととも処方箋を渡されました。あっさりしているなあ~。日本なら入院騒ぎになるだろうな。ちなみに、この病院はNHS(国民医療サービス)経営の病院なので、お会計はナシ。病院でタクシーを手配してもらい、いったん帰寮。


そして、13時にロンドンの日本人クリニックのオンライン診療を受診。ビデオ通話に表れたのはタモリ俱楽部の空耳アワーに出ていた安齋肇氏風の風貌の筆者の親世代ぐらいの年齢であろう先生。

実際の先生は安齋肇氏風でなかなか衝撃的です。


ソラミミストやってそうだなこのおっさんと思いつつ(なお、この先生はまさかの北大生まれ北大育ち、外科系専門で英でもそれなりの権威だとか…。ソラミミストおっさんと心の中で呼んじゃったのは許して〜)、これまでのいきさつとNHS運営の救急病院での話をしました。この間はすこぶる手の震えが止まらなかった…。すると、先生がまるで日本の修士時代の筆者の修論の中間発表の時の教授みたいな渋い顔をし始めました。以下会話が続きます。

筆者「修論の中間発表の教授みたいな渋い顔されてどうされたんですか先生?」

先生「ああ、ワセジョさんこれはやっちまいましたねえ。」

筆者「??」

先生「結論から先に申し上げましょう。レントゲンとか血液検査が今すぐできないから100%とは言えないけど、ワセジョさん、あなたは99.9%肺炎、それも軽症の一線をギリギリ超えてしまった中等症Ⅰ相当でしょう。僕はNHSの救急病院と同じオピニオンを出します。まず、妊娠もしてない、出産したてでもない、持病もない27歳の大の大人が7日間も高熱と咳と濃い黄色の痰。ただの風邪ではないね。ウイルス性だと一般論として4日以上38度を超える高熱は出ないの。4日以上の高熱はどちらかというと細菌型に多いんだよね。胸の痛みがある、普段は息切れしない坂で息切れする。そして、聴診器の音の話を聞くに、すでに軽症の域出てしまった。軽度ならゴロゴロ音だけなのが一般的だけど、プツプツ音が時々出てきている。軽度ならプツプツ音は普通ない。しかも酸素飽和度が95%。これはかなり強く肺炎を疑わざるを得ないんだよね。」

筆者「え!?なんで私が東大や早大ではなく肺炎に…!?でも、前やったときより熱自体は長いですが、息は苦しくないし…。」

先生「え、前にこういう経験あるの!?」

筆者「ええ、成人式の後にもやったことがありまして…。このときは高熱自体は4日で下がったんですがどうも息が苦しくて、自宅のトイレに行くのも息切れで…。」

先生「20歳で!?え~一番体力ある時だよね…!?幼少期から肺炎になりやすいとか…?あと、20歳の時にせよ、今回にせよオールで飲みした、課題やったみたいな心当たりは?」

筆者「いや、幼少期の時は風邪なんて一晩寝れば治りましたし、インフルもノータミフルで3日で熱下げてたぐらいに健康優良児で…。20歳の時も今も毎日睡眠7.5時間+昼寝30分ですし、私そもそも酒たばこオール全部嫌いですし…。強いて言うなら今回は風邪気味の段階で10㎞単位の散歩したことぐらいですかね。」

先生「散歩で体冷やしたとか…?にしてもねえ…。20代で2回も…?呼吸器が弱い人なのかな…?でも、ハッピーハイポキシア(注1)じゃなさそうでよかった。とりあえずまあまあ強めの抗生物質と弱めの抗生物質、咳止めや去痰剤、咳ぜんそく用の吸入薬の処方箋を作って最寄りのMorrisons(注2)の薬局にメールで送っておいたから、14時以降に回収しに行ってね。で、万が一寝てても息が苦しいとか、トイレに行くのも息切れになったら迷わず999(注3)ね!今回は水分は取れているし、食事も最低限は取れている、しかも酸素吸入の必要はない数値だから自宅療養でも問題ないけど、日本なら大事をとって入院かもね?」

そしてその後、救急病院やオンライン診察で処方された抗生物質を全て回収し、一旦飲んでみることに。


もらったお薬たち。箱が多いな?

そして飲んでから2時間後、なんとなく体軽いぞ…?と思い体温を測ると…

38度を切ったの何日ぶりかな

38度以上ある世界が当たり前だった世界が変わりました。17時なのに38度以下なんて…抗生物質様様〜と思ってました。が、また寒気がして19時ごろ再度検温すると…


なんだよ〜

39度近くに逆戻り。ただ、大きく変わったのは頭重感や寒気の質頭重感は軽くなったし、寒気も歯までガチガチするものというより、ちょっと鳥肌が立つかな程度に変わりました。この辺りが緩和されただけでもかなり楽になりました。そして、食欲が出てきたので、連日プリンからうどんにチャレンジできるように。そして2度目の抗生物質を飲んで、翌日に希望を持ちつつ寝ることに…。

③へ続く


7.注の解説

注1:ハッピーハイポキシア:幸せな低酸素症のことで、酸素飽和度がもはや人工呼吸器レベルなのに苦しくないみたいな症状のこと。この状態で死んでしまう的な人がコロナでも注目されましたね。

注2:Morrisons:日本で言うところのヨーカドー系のスーパーみたいな大手スーパーチェーンで、薬局やカフェが併設されていてなかなか楽しい。

注3:999:イギリスの救急車を呼ぶときの電話番号のこと。

8. 最後に

物価高、円安、そして今回の治療費救援ということで有料ゾーン作りました。
この先は有料ですが、写真1枚と一言だけ書いてあります。今回の写真は猫好きの方におすすめの1枚です。

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