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シミュレーション仮説の分類

「シミュレーション仮説」と「意識」の問題は、本来、ミステリーとして同型である (youtube.com)

 進化的に眺めると、現実の「試行錯誤」の費用対効果はコストが高くつく、失敗で死を招く率が高いわけで、そこからいっそう知能が高まってくるとシミュレーションをするという推理作用が発生・発達・進化したと思われます。
 人類史の上で情報進化過程を位置付けて観ると、現代の科学技術の発展に繋がるシミュレーションは、ライプニッツ・ニュートンの微積分がエポック・メーキングを示すと思います。試行錯誤との比較で言うと、実用的工学領域で微積計算ができなければ、今の様な物づくりは不可能です。
 こうしたシミュレーションによる現実の進化過程に、個体脳から社会脳へと発展した過程を重ね合わせた時、この動画で茂木先生が仰る「シミュレーション仮説」のイメージが生まれる気がします。
 生物個体脳は産道などの制限で、容量・律速限界を持ちます。それがコミュニケーション作用の発生で 社会脳化し、特に言語の記録化等で時空を超えた拡張機能を持って、ブラフマン‐アートマン・モデルの集合集積知(情報)を形成しました。今や自然言語LLMでコミュニケーション・ネットワークのエージェントにAIも加えて、指数関数的拡張を見るようになりました。  こうした現実から、古代からの人類はアリストテレスが纏めた「ノエシス・ノエセオス」という宇宙のエネルゲイアの根源理解(仮説?)にまで達する時、現実もその宇宙のシミュレーションではないかというイメージを持ったのだと思います。考えてみると、プラトン的「イデア」も可能宇宙群を無限に示す理論であり、中世のトマス・アクィナスは、「個のイデア」から無限の「天使」、さらにそれが「神の知」における「摂理providentia=予め観る」「予定praedistinatio」においてあるとしましたが、シミュレーション仮説の分類に属するように思います。

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