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組織リーダー論 : VUCA時代の理想の組織とは?

変化の激しい/先が予想しずらいVUCA時代、そんな時代の理想の組織について考えてみる記事となります。
この記事は私がバイブルとしている名著「だから僕たちは、組織を変えていける/斉藤徹」をまとめたものになります。


●自己紹介
・私はデジタルマーケティングを中心に企業のマーケティング部門に15年在籍し、広告プロモーションの全体企画・ディレクションを行なってきました。
・転職も何回かしておりまして、在籍した企業の規模は10名程度のベンチャーから100名規模、1000名規模、今は社員数2万人以上いる、いわゆるナショナルクライアントの宣伝部門で部門長を務めています。
・その意味でいろんなサイズでのプロモーションを経験しておりますので多くの方に共感いただける記事を共有できると思います。


● VUCA時代とは:
先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態」を意味します。

  • V(Volatility:変動性)

  • U(Uncertainty:不確実性)

  • C(Complexity:複雑性)

  • A(Ambiguity:曖昧性)

● 結論:理想の組織=環境から学び続ける「学習する組織」

・短期的な成果をあげることより、絶えず変化する「環境からの学習」を優先する組織が理想となります。
・対比する組織としては「硬直化した組織」:部門間の関わりが希薄となり、縦割り化していった組織

● リーダーは支配型からサーバント型へ

つまり:メンバーが自ら考え、共創する「自走する組織」


3つの組織を実現するためのエッセンス


・学習する組織の核心:関係の質の向上
・共感する組織の核心:思考の質の向上
・自走する組織の革新:行動の質の向上

「関係性の質を高めるためには、心理的安全性の向上が必要」

「思考の質を高めるためには、組織のビジョンやパーパスの共有が必要」

「行動の質を高めるためには、内発的な動機づけが必要」



● 組織がイキイキとなる「心理的安全性」

プロジェクト・アリストテレス(Project Aristotle)というグーグルによる生産性改革プロジェクトによれば、
個人の生産性の合計とチームの生産性は相関関係が少なく、
チームの生産性向上のためには「集団的知性がいかに生まれるか」という視点が重要
であることが分かった。

成功するチームの集団規範における共通点を発見
 ①均等な発言機会
 ②社会的感受性の高さ

● 心理的安全性を創り出すリーダー像



● 心理的安全性の落とし穴


①空気読みすぎ体質 ~「気配りこそ命」という誤解~

落とし穴:空気を読みすぎてしまい、自分自身が本音を話せていない
解決策:いつでも自然体に。人間関係から価値創造に目を向ける。
・心理的に安全な場を創ろうとするあまりに、相手の反応や顔色を伺うことが習慣化して、自分を主張できなくなってしまう問題。仲がよくなりすぎるチームに起きることが多い。「いい人の仮面」状態。

②決められない組織 ~「全員一致すべき」という誤解~

落とし穴:均質さやリスクを重んじ全員一致を目指すので何も決まらない
解決策:対話を大切にする。パーパスを共有し走りながら考える。信念に基づいて異議を唱えるメンバーがいなければ採用する。

③話し合い万能主義 ~「話し合えば解決する」という誤解~

落とし穴:話し合えばすべてが解決するはず。でも実際には解決しない。
解決策:発散と収束を繰り返して、チームと個人の相互作用を最大化する

● 思考の質を変える ~共感する組織へ~

仕事の意味「WHY」を考える

・人が自立的に動くための核心は「しなくちゃ」という意識が「したい」という感覚に変わること。「自走する組織」の原動力。
・自己決定理論の6段階の動機付けにおける「内発的動機づけ」に該当
・リーダーは情報と仕事を配る人ではなく、意味と希望を伝える人

● 人が持つ3つの心理的欲求を理解する

3つの心理的欲求が満たされると、人間は動機づけられ、生産的になり、幸福を感じる
自律性:「自分でやりたい」「自らの行動を自分自身で選択したい」。自己決定の欲求。人は自ら選択することによって、自身の行動に意味づけし、納得して活動に取り組むことができる。
有能感:「能力を発揮したい」「おかれた環境と効果的に関わり、有能でありたい」。自律性を発揮できる時に、それが最適な難易度を持った挑戦となるときにもたらされる。
関係性:「人々といい関係を持ちたい」「人を思いやり、思いやりを受けたい」「人を愛し、愛されたい」。関係性が満たされる選択肢を自らが選べば、自律性との両立が可能。

● 組織変化へ:6つの変革アクション


①まずあなたが第一歩踏み出そう
・自分の内面を変えることから始める。信念を醸成し、小さな一歩を踏み出す
②自分のことを正しく認識しよう
・自己を変革する。そのために愛ある批評家の声を聴き、「自己認識力」を高める
③影響が届くところから始めよう
・自分の「影響の輪」を見極める。そこに自身の心理的エネルギーを集中する。
④小さな成功を育てていこう
・信念を持ち、関係・思考・行動と変革を進める。価値を生むことに集中する。
⑤反対者の信頼を得る努力をする
・反対者にも、情熱を伝え、信頼を得る努力をする。次第に関係性は変わっていく。「成果をあげたい、組織をよくしたい」という思いは共通。価値観や方法論が異なるだけ。
⑥常にチームの希望でいよう
・困難は学習のチャンス。希望を抱き、みんなで助け合い、乗り越えて成長する。
⑦共感をつなぎ、影響の輪を広げよう
・ティッピングポイントはきっと訪れる。一期一会の気持ちで対話を広げる。

以上、記事を読んでいただきありがとうございました。


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