2.卒業を考えはじめた、その時期に。

レズ風俗キャストとして10年間、働いてきました。これを機に、キャストとして働きながら新人に講習をするなどスタッフ、現場監督としてのお仕事も担うことになりました。

お店の代表である御坊さんは、それを提案してくれたとき、こういいました。

「ゆうさん、最近、収入がっつり減ってへんか? 数字見てびっくりしたで。半分以下やん。生活大丈夫か? ほかのバイト増えてへん?」

内心ドキッとしました。自分でもわかるほど、生活に影響していたからです。順調に、安定して稼いでいた時期に比べると、たしかに半分以下の収入になっていました。

理由は自分でもよくわかっていました。

お客様へのメッセージでもあるブログに、あまり力を入れなくなっていました。2016年に『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』が話題になったあとは、「あの漫画の表紙の人」と認識されていましたが、それも薄くなり、予約が減っていました。

そこで、ほかのバイトを増やすはめになり、キャストとして出勤できる日数が減り……という悪循環。

貯金は、どんどん減っていき自由に動くのが少し大変になり、時間だけがどんどん奪われていきます。

いま一番ほしいものは時間です。私には、レズ風俗キャストのお仕事以外に本業があります。やりたいことがありすぎて、挑戦の毎日です。時間には、常に追われています。

定期的に来てくれる常連のお客様は、いつもそうやってキャストのお仕事以外にも飛び回っている私に、

「ゆうさんは、そのままがいいよ。そのままで、いいんだよ」

といってくれます。その言葉に甘えていたかもしれません。

いまの自分は、大好きです。ただ、いろんなことを追いかけているうちに、お店とのあいだに距離がうまれていたんでしょうね。それが収入減という結果につながっていました。

レズ風俗の世界に入ってから10年ーーこの数字を考えるたびに、私の頭に「卒業」の文字がどんどん色濃く浮かぶようになっていました。

このまま、きっと卒業するんだろうなと。
もう潮時なんだと。

しかし、御坊さんの考えはまったく違ったものでした。私のいまの心境や現状を見抜いて、こういってくれました。

「初心に帰ろうか、まずブログをがんばろう。しっかり稼いでいこう! いけるで〜、まだまだいける!! 本業のためにもね」

そして私の生活やいろんなことを心配し、相談に乗ってくれました。

どうして、こんなにもキャストひとりひとりのことを見てくれているのだろう? 御坊さんは最近では、自分の趣味の時間も持てないほど忙しいはずなのに。

本当に私たちキャストのことをちゃんと考えてくれているんだなぁ、私は御坊さんに信頼してもらっているんだなぁと実感しました。お店に命を懸けているんだと、その気持ちにも感銘を受けました。

だから、もう一度ここでのお仕事をがんばりたいという思いも湧いてきました。

まだまだやってやろうと思いました。

あのときの気持ちが蘇ってきたのです。

お客様のために、お店のために、私にできることはなんでもやりたい。

そんな思いから、新人キャストへの講習や現場監督という新しい役割を引き受けることにしました。

私なら、やれる気がしたのです。10年分の知識を、ほかのキャストたちにも与えてあげられたらと。そして、お世話になった恩返しもしたいと思いました。

続けるというのは、とてもむずしいことです。
あなたは、何かを10年以上続けたことがありますか?
継続の大事さを知っていますか?

続けてみないと発見できないことが、世の中にはたくさんあります。

これを読んでいるあなたも、なんでもいいから何かひとつのことを、まずは10年続けてみてください。

どんなことでもいいです。
なんであっても同じことなんです。
きっと、素晴らしいことが見えてきます。

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レズ風俗キャストゆう、気づけば10年やってます

『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』にも登場したベテランキャストゆうさんによる回顧録『レズ風俗キャストゆう、気づけば10年やってます』がnoteにて連載開始しました!