見出し画像

チーフ・オフィサー制を導入した理由 #オープン社長報

TimeTree代表の深川です。

2014年に株式会社TimeTreeを創業しました。TimeTreeには創業当初から最近までずっと、マネージャーや部長などいわゆる「上司」がいませんでした。これは僕のこだわりでもあります。

今日はリーダーシップや仕事の責任と役割について、僕の考え方をご紹介しながら最近導入した「チーフ・オフィサー制」の背景やねらいを紹介します!

TimeTreeにはずっとマネージャーがいなかった

マネージャーなどを置かなかった理由はとても簡単です。僕がTimeTreeを起業するときに、当時のメンバーと「なんのためにやるのかわからないことはやめよう」と話し合っていました。それで当時マネージャーが必要な理由がなかったから置かなかったんです。

創業メンバーの中でも僕はとくに、仕事に取り組むときに自らどのように行動すべきかを考えて知恵を絞ること、またそこに生まれる自主性や自律性を大切にしていました。

「これはやっていい」「これはやっちゃだめ」と判断する強い上司がいると、大切な自主性や自律性が失われるのではないかと考えていたんですね。

起業した当初、会社のみんなは本当にベテランメンバーばかりでした。上司が不在でも自分の業務を自己判断して、次になにをすべきかを自分で決めて結果を上げていました。僕はその自主性や自律性を壊したくなかったんです。

だからTimeTreeでは長い間ずっと上司を置いていませんでした。

僕が考えるリーダーシップについて

僕にとってのリーダーシップは「ファシリテーター」のような存在でした。みんなのアイデアや才能を引き出すための場をつくり、みんなが自由に気持ちよく議論や開発ができる環境を整える存在です。

創業から9年経ったいま、リーダーシップには新しく「統合」のイメージを持っています。

例えるなら、みんなで一緒に大きな小説を書いているようなもの。各々がバラバラに原稿を書いていると、設定上消えているはずのキャラクターが別の場所で登場したり不整合がたくさん起きてしまうでしょう。

だから、テーマやあらすじを制作メンバーにしっかり共有しなければいけません。それによって本に筋が通り、物語の整合性が保たれる。会社のリーダーシップもそんなイメージです。

ミッションや戦略を明確にして様々な表現でわかりやすく社員に共有すること。統合が自然と進むような体制や仕組みをつくることが、最近の僕にも強く求められました。ミッションツリーなども、結局のところは大きなあらすじを誤解なく伝えるためのものですよね。

自由・自律の限界と、新しい組織のかたち

いまでもみんなのアイデアや才能を引き出す「ファシリテート」の役割は大切にしています。しかし社員が50名を超えたあたりから、なめらかに協働することの大変さを身をもって知りました。

組織にフィットせずにメンバーが辞めていったり、サービス・ビジネスの拡大に合わせていろいろな物事が次第に難しくなっていき、僕の考えている「ファシリテート」をメインにしたリーダーシップで会社をまとめることがだんだん難しくなっていきました。

自主性や自律性を損なうことに過度な恐れがあったから、最大限自由な職場を目指していました。でも逆に自由すぎることで、みんなのアイデアや才能を潰してしまっているかもしれない! そう振り返って、組織の仕組みについて考え直しました。

これからはより「統合」の力を発揮できる組織に変えていこうと考えています。

TimeTreeらしい(僕らしい?)「ファシリテート」の力と新しい「統合」の力を合わせて、組織、サービス、ビジネスの成長にさらなるドライブをかける「チーフ・オフィサー制」をつくりました。

組織図上はいわゆる「上司」ですが、特定の「ひと」が偉いわけではありません。メンバー同士の関係性や意見は創業以来変わらずにフラットなままです。

では、なにを変えたのか?

では今回の取り組みでなにが変わったのか?

組織全体で「役割」と「責任の範囲」を再定義して明確にしました。

プロダクトとビジネスの責任領域を明確に分けて、それぞれにミッションを持ってもらいました。良いプロダクトだけを追い求めてビジネスをおろそかにする(その逆も)ということを少なくしようと考えています。

しかし、プロダクトとビジネスをチームとしても責任としても明確に分けたことで、ある程度の衝突は避けられないと思います。

正直僕はセクショナリズム、部門間の摩擦が大嫌いでずっと避けていました。でもいまは考え方が変わりました。組織内で起きる健全な摩擦は、新陳代謝のようなものであり、生物の反応と同じような正しい現象と捉えています。

会社の目的に沿った意見対立や衝突があれば、それは適切に対処できる。「この観点から見ると問題がある」とか、「その観点から見ると大丈夫だ」と議論が生まれます。その議論を会社のミッションと照らし合わせて考えることで、「長期的に見て今回この方針を採るべきだ」と、適切な結論に達することができる。

言い方を変えると、すべて行動は目的に基づいています。その目的さえぶらさずに進んでいれば深刻な衝突は起こらないでしょう。

どんな仕組みを選んでもトレードオフが存在します。私たちが今回選択した方法にも、確実にデメリットはあるのです。そのデメリットが大きくなりすぎないように体制を適度に見直し続けることも大切です。

常に調整を繰り返しながら、より良い組織づくりを続けていきたいです。

新体制についてくわしく紹介するイベントを開催します

それぞれのチーフ・オフィサーとチームメンバーが、新体制のもと日々どのように働いているのかをご紹介するイベントを開催します。

ご興味がある方はぜひ、お気軽にお申し込み、ご参加ください!

6月21日開催 ビジネスDivオンライン説明会

6月27日開催 プロダクトDivオンライン説明会

7月4日開催 エンジニアチーム オンライン説明会

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?