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4月に読みたい、わたしの本棚。

気がついたらもう月半ばを越えようとしている。

…けど、今月も書いておきますね。4月に読みたい本。だってまだ半月あるし、読もうと思えば読めるはず。

本棚を見直しながら「どれが今の気分かなー」って選んでたら、わくわくしちゃいました。わたしは自分の本棚のことがとてもすき。

『それからはスープのことばかり考えて暮らした』吉田篤弘

とある路面電車が走る町に引っ越してきた青年が主人公。

彼は商店街のはずれにあるサンドイッチ屋さんで働きながら、恋をしています。それは映画館でしか会えない、銀幕の女優さん。

商店街、サンドウィッチ屋さん、主人公の住むアパート、それから映画館。小さなささやかな場所が舞台の優しい物語です。

この町に登場する住人たちがとにかくみんな柔らかくて魅力的。わたしは吉田篤弘さんの描く小説の登場人物のようになりたいなあと常々思っているのですが、特にこの町の住人になりたいです。

みんなどこか淡々としていて、自分のなすべきことがちゃんと見えている。迷ったり、悩んだりしていても落ち込みすぎない。他人に対しても、とてもちょうどいい距離を保っていて、全てがきれいにおさまっている感じがとても気持ちが良いのです。

この商店街を舞台にしたシリーズは全部で3作あるのだけど、この一冊がいちばん柔らかい気がします。

『魔法があるなら』アレックス・シアラー

(待って、1円で買えるの…?すごい……)

小さい頃に読んでこんなにわくわくする物語があるのか…!って感動した物語です。図書館で何度も借りていたので、大人になってから買いました。嬉しい。

お母さんと主人公と妹の3人がイギリスでいちばん、いや世界でいちばん立派で素敵なデパートにこっそり住んじゃう…っていうお話です。

盗むんじゃなくて、ちょっとお借りするだけ。寝具売り場のベッドで寝て、賞味期限が今日までで捨てられてしまうお惣菜を食べて、従業員用のシャワーを借りるだけ。借りたぶんは、清掃スタッフにまぎれて館内を掃除することでなかったことにしてもらう。

置いてあるもの全部がきらきらしていて、そこにはなんでもあって、全部自分のものになったらどれだけわくわくするんだろうって思っていた、小さいころのわたしは主人公に夢を叶えてもらった気持ちでした。

でも、そんなデパート暮らしが楽しく続くわけはもちろんなくて……っていうスリルも楽しめちゃう一冊です。

***

身近なものをもういちど見直して大切に思ってみたり、おっきな変化を追体験してみたり、なんてことがいまはやりたい気分なのかも。

未来にわくわくしながら、だけど必要以上にそわそわしすぎないようにして、自分を見つめなおしていきたいなあ。“せっかく”なので。

また、書きます。

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もっともっと新しい世界を知るために本を買いたいなあと思ってます。