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上手くいかなくてもいい恋

好きな人がいる。詳しくは、「いた」、そしてまた現れた。
すなわち一度(二度?)失恋して、それでもやっぱり好きをやめられない人がいる。
上手くいかないとわかっていても、会いたくなる人。

今回が三度目の失恋。でも、今回は以前二回とは違う、最初で最後の特別な失恋だ。

その人は私と付き合うつもりはないらしい。飯を食ってセックスするだけのライトな関係を望んでいる。気分でカラオケなんかも行く。
彼女ができたら出かけたり記念日を祝ったり、煩わしい義務ができるから嫌なんだと。

煩わしいことすら相手のためにやりたいと思うのが恋愛だと思う。私は彼にそう思わせる女ではなかったから振られたのだ。
私がもっと可愛ければ、頭が良ければスタイルが良ければ、何度そう思ったか。


よく本を読むのだが、大体「愛」について語る本では「好きなことに夢中になれ。好きなことをしている自分を愛してくれる人と一緒になれば幸せになれる」というのが共通見解だ。そしてまた、「モテる女とは、自分の意思をちゃんと主張できる自立した女」というのも。

私はいつだって好きなことのために生きている。生きた結果、好きな人のしたいことが私の好きなことであり、彼から見たら意思がない非モテ人間になっている。

つまり私が好きに生きる限り彼には振り返ってもらえないし、もし私のことを愛してくれる人が現れてもきっとその人のことを彼のようには愛せないので、教科書通り幸せになることは困難極まりない。


はあ。絶望だ。


そう、私は絶望している。
この絶望は、就活で第10志望の会社しか受からなかったとか、仲良しグループが自分抜きでディズニーに行っていたとか、残高が100円しかないとか、そういう明日かもしくは5年後くらいには修正可能な絶望ではない。
飛行機が海に向かって垂直に落ちるくらい救いようのない絶望だ。

なにを大げさなと思う方がいるかもしれないがこれはここ3年の研究で導き出した、大学生の卒業論文×3くらいの重みがある。泣いても喚いてもナイフを持ち出しても私たちの関係が好転することも私が彼を忘れることもなかった。


タイトルにある通りこの恋は、もう上手くいかなくてもいいと思っている。

今までの恋では存在しなくて、今回の恋にあるもの、もうお分かりですよね。絶望です

望みを絶つ。

こんなに優しくされているから、誘われるから、私の話で大笑いするから、もしかしたら。
なんてもう微塵も思わない。

彼が私の話に笑えば笑うほど悲しい。寄りかかってきても悲しい。イタズラされても悲しい。抱きしめられても、手を繋がれても悲しい。

こんなに大事にされていても、望みはないのだから。

でも会えばやっぱり彼のことが好きで、彼と一緒にいると幸せを感じる。感情が忙しい。笑

今はまだ彼と会えているからこう言ってると思われるかもしれないが、もし会えなくなってももう絶望はしているわけなので、マインドに変化はない思う。楽しい思い出だけ思い出して、たまに思い出の中の彼に「クソ野郎」と怒鳴りつけたい。



散々失恋した気でいましたが、今回が本当に本当の失恋。ここから学んだのは、


失恋を克服することは、できない。
忘れられない恋とは、すっと付き合っていかなきゃいけないんだと思う。


よく、「失恋を克服するには」と言う話が出るけど、(私もよく検索したけど)、なぜ失恋は克服しなければいけないんだろう?
失恋は引きずっていて上等なんじゃないかしら。

ずるずる引きずる、そんな君が好きだよと言ってくれる人と結婚して、目の前の男も思い出の中の彼もずっと愛して、きっとそうして世のお母さんは「2番目に好きな人と結婚しなさい」と口酸っぱく説いてくるのだと思う。

こんなに彼を諦められたのは、まずは時間のおかげ。あとは自分に自信がつくまで努力したおかげ。いろんな人の本を読んでマーカーまで引いた(笑)。
そして何より、私のことを好いてくれる貴重な人が現れたおかげ。自分の存在価値は彼に認められなくても他の誰かが認めてくれるってことにやっと気づいた。(前半の通り、この人のことを私は愛せないのでうまくはいってない)

そもそも他人をそんなに好きになるなんて狂った体験は、なかなかできるもんじゃない。
私たちは失恋のおかげでまた一つ成長する。いい女になる。だから目の前の人をとことん好きになってたくさん傷付けば良いと、私は思うな。
この恋が私を美しくさせるなら、上手くいかなくったって構わない。

以上、幸薄女の悪あがきでした。

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