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作詞家によせて。

作詞というものに対して、思索を巡らせた時期があった。

中1~高3にかけてそれは顕著で、側から見ればそれは「厨二病」という言葉で片付けられていたと思う。実際、当時の友人の言を借りれば、「君は痛くてキモい方の厨二病だった」ようである。

そんな(暗黒の)時期を経て、特段懲りることもなくこうやって文章を紡ぎ出すことを試み、同時に改めて「作詞」というものと向き合ったときに、「ああ、この人の言語感覚が羨ましい…」と思う人が何人かいることに気づいた。

・草野マサムネ(スピッツ)
・オオキノブオ(ACIDMAN)
・中田裕二(元・椿屋四重奏)
・波多野裕文(People In The Box)
・千野隆尋(GOOD ON THE REEL)
・槇原敬之
・aiko
・秋元康

彼らの多くは、「広く知られた既知の語同士を組み合わせて、新しい表現を生み出す」ことや、「ありふれた現象や誰もが抱くような感情を言語で描写する」といった行為について、天才的な能力を持っている、もしくは、人の想像を超えた努力をしているのだと、私は思っている。

巷では「化学反応を起こす」といった比喩を用いてこれらの文脈を形容するのだろうが、彼らに関してはそんなレベルではない。錬金術である。言葉の錬金術師。軍の狗。きっとみんな胸に国家資格の証である銀時計を隠し持っている、そんなレベル。

じゃあ例えば、自分が同じようなことを試みたとして、彼らのレベルに辿り着けるかと言れたら、全く自信はない。模倣しようとしてできる代物ではないし、彼らが言葉にしてくれるからこそ説得力がある、という部分もあるからだ。

そんな唯一無二の歌詞たちに対し、「いかに素晴らしいか」という部分について、今後私なりに言葉を尽くしてみたい。

私自身の語彙力や言語運用能力を育成する過程だと思って、お付き合いいただければ幸いである。


さしあたって。

人生で一番聞いたな、と思う曲は椿屋四重奏の「不時着」なので、そのMVを貼って今日は終わりにする。


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