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【図解】マネージャー/管理職の役割

マネージャー/管理職の役割について、迷っている方へ。

上記スライド記載のもくじの流れでお話を進めていきます。お時間ない方は、記事内のスライド部分だけ流し読みしていただければと思います。

マネージャーの悩みとして、①メンバーが言うことを聞いてくれない、②組織の出力が上がらない(目標が達成できない)というものが多いかと思います。

この2つの悩みを解消するためのアイデアを、スライドを交えながら紹介していきます。参考文献の章で紹介しているいくつかの書籍と、私の実体験を元に、マネージャー業のエッセンスを抽出しました。

まず、最初に確認をしておきたいのはマネージャーの役割です。先程のマネージャーの悩みと対応するように、①組織の方向性を揃えることと、②組織の出力を上げることがマネージャーの役割です。

学生のとき、実際に顧客向けの業務を行うのは現場メンバーなので、マネージャーなんて必要ないと考えていました。しかし今であれば、マネージャーなしで業務を進めてしまうと、A. 会社全体の方針とは違う方向に組織が動いてしまう、B. メンバー個々人が自分の出力しか考えず、組織としての出力を顧みなくなる、といった問題が起こると想像できます。

基本的に、個々のメンバーは局所最適しか考えることができないので、組織では全体最適を見る人間が必要とされます。これがマネージャーです。

ここからは、マネージャーの役割の1つである「組織の方向性を揃える」ためにどうすれば良いのかを述べていきます。やることは3つあり、①大義を語ること、②戦略を語ること、③TODOを語ることです。

大義は、組織の目的地です。私の組織はこういうものであって欲しい、ということをマネージャーは語らねばなりません。自部門の予算やKPIを達成したいという観点ではなく*、もっと上の目線から熱意を持って大義を語る必要があります。これを怠ると、メンバーは何のために自分が仕事をしているのか見失い、「私は給料のためだけに働いています」というマインドを持ってしまいます。

* 「給料のためだけに働いています」「自分の仕事は終わったので先に帰ります」といったメンバーの発言がマネージャーに歓迎されない一方で、「部門予算を追え」「KPIを追え」とだけ言い続けるマネージャーが多いのは非常に滑稽だと思います。マネージャー自身はメンバーにモチベーションを持たせるような発言/行動を何も取っていないのに、それを棚に上げてメンバーのモチベーションの低さを攻めるのは、あまりにも身勝手です。

続いて、その大義をどんな方向性で実現するのかを語る必要があります。例えメンバーが大義に賛同してくれたとしても、その実現方法は多数あります。その中で「自分はこの方向性で進めていきたいんだ」ということをメンバーに伝える必要があります。大義が目的地であれば、戦略はコンパスです。ここでは、①メンバーから方向性の納得感を得ること、②方向性を揃えることが目的です。

そして、上記の方向性に基づいてやるべき行動をTODOとして落とし込んでいきます。TODOは具体的に記された地図です。また、TODOには外部環境のせいで喫緊にやらなければならないことも盛り込んで構いません。

会社というスケールにはなってしまいますが、例えばお菓子のカルビーであれば、大義・戦略・TODOは下記の通りです。

大義(企業理念):私たちは、自然の恵みを大切に活かし、おいしさと楽しさを想像して、人々の健やかなくらしに貢献します
戦略(トップメッセージ):グローバル食品企業への転換を目指し、未来に向けて大きく一歩を踏み出す
TODO:海外事業の拡大、フルグラ事業の成長、他

元々、大義を持っていれば良いのですが、そうでない場合は一度過去の棚卸しをして見つけ直す必要があります。いくつか方法はあるかと思いますが、一番手頃な方法だと、自分自身あるいは自身の組織で今までに「時間と金と情熱を費やしたもの」を考えるというものがあります。「時間と金と情熱を費やしたもの」であれば、少なからなず他の人間/組織よりも知見があるはずです。その知見ある得意分野でもって世間に貢献する、というのが大義になります(=得意でない分野で世間に貢献はできません)。

戦略についても、同様の方法で見つけることができます。先程の得意なものかつ「既に実績があり、ターゲットに刺さりそうなもの」を戦略の核とすることです。ここでターゲットは、自由に決めてしまって構いません。ただ、自分が誰に貢献しようとしているのか、その顔はイメージできるようにしておいてください。

「組織の方向性を揃える」に続いて、「組織の出力を上げる」方法についても触れていきます。まず組織の出力について、これを決定する要素として個人/全体、能力/モチベーション、攻め/守りを考えることができます。この中で、マネージャーが特に取り組まねばならないのは組織全体の能力向上(攻め/守り)とモチベーション向上(攻め/守り)です。

異動や退職などの制度があることから、個人は組織において流動的なものです。そのため、個人の力に頼りすぎない組織を作り上げることがマネージャーの大事な役割になります。

前述の要素を満たすために、①業務を効率化するための仕組みを作る、②トラブル/ミスを事前に回避するための仕組みを作る、③常にメンバーに大義を語る、④常にメンバーの味方でいる、というアクションがマネージャーに求められます。

まず、マネージャーは組織的にメンバー個々人の仕事を減らす(効率化)する必要があります。組織の出力を2倍にするためにメンバーに2倍の仕事を押し付けるやり方は、どう考えても無理があります。個々人の効率化には必ず限界があります。そこで、マネージャーも組織としての効率化に取り組まねばなりません。

方策として、①既存/新規の業務が本当に必要なものかどうかを見直す、②他部署/顧客の要望を断る(メンバーに要望拒否のためのガイドラインを共有する)、③Excel等で業務をシステム化する、④他部署や外部の企業に業務を委託する、⑤既存の手順を一部省略する、⑥業務をマニュアルにして流れ作業化する、⑦チェックリストを作成し業務負担を減らす、⑧業務を後回しにする、等が考えられます。

また、トラブルやミスが起きるとそのリカバリのために大量の追加業務が発生します。そのため、これらを事前に回避する必要があります。とはいえ、先程の業務効率化の手順の中に、トラブル/ミス事前回避のステップを組み込むことで対応が可能かと思います。

メンバーのモチベーションを維持するために、大義を語り続ける必要があります。1回や2回言っただけでは、思いつきにしか見えません。そうではなく、何十回も何百回も、長い間言い続ける必要があります。

仕事ができるメンバーが大義を馬鹿にしているかといって、めげてはいけません。ちなみにここでは大義として「何をいつまでに」したいのか程度をシンプルに語れば良く、その大義に至った理由等は説明する必要はありません。

メンバーの味方でいることも必要です。メンバーとの雑談が多いほど、メンバーからすると相談がしやすくなります。メンバーが忙しそうにしている中で話しかけるのは気が引けますが、良いコミュニケーション関係を築けるメリットは、そのデメリットを補って余りあります。

また、メンバーの業績を外部(顧客やマネジメント、他部門等)にアピールすることも大事です。「このプレゼンはXXさんがきれいに作ってくれて~」といったちょっとしたことでも、言われた側からすると大きなモチベーションになります。また、これに併せてメンバーのキャリアについて一緒に考えてあげることも大事です。

そして一番大事なことが「常に」そのメンバーを守ってあげることです。例え、あるメンバーが自身のミスによって責められている場合でも、マネージャーはメンバーの味方になって守ってあげねばなりません。トラブルの際に、顧客と一緒になってメンバーを責めるマネージャーは最悪です(そもそも、マネージャーはそのトラブルを事前に防ぐ責任があります)。

だいぶ駆け足ではありましたが、マネージャーに必要な上記要素を説明してきました。これらを実行しておけば、「メンバーが言うことを聞いてくれない」「組織の出力が上がらない」といった悩みは解消できるかと思います。

あまり細かい部分には踏み入らずに説明を行ったので、意味の捉えにくい部分があったかと思います。そういった部分については、ご指摘いただければ幸いです。


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