『勝因』『攻撃的な姿勢を貫いたバルサが掴んだクラシコでの勝利と4シーズンぶりのリーグ制覇への大きな一歩』

試合結果

2022-23 ラ・リーガ 第26節
3/19 29:00K.O. @カンプノウ
バルセロナ(2-1)レアル・マドリード
9分 ロナルド・アラウホ(OG)
45分 セルジ・ロベルト
90+2分 フランク・ケシエ

スタメン

今季4度目のクラシコは首位・バルセロナが2位・レアル・マドリードをカンプノウで2-1と下した。バルセロナがレアルとの勝点差を「12」に広げ、2018‐2019シーズン以来、4シーズンぶりのリーグ制覇に大きく近づく一戦となった。前回のクラシコをオウンゴールの1点を守り切る形で勝利したバルサが今節もレアルを撃破できた要因は、90分間を通して常に攻撃的な姿勢を貫いたことだ。

試合開始からバルセロナは果敢なプレスを敢行してレアルに襲い掛かった。自陣でパスをつなぐレアルに対して、ディフェンスラインをハーフウェイラインまで押し上げて全員が敵陣に入り、前線のロベルト・レヴァンドフスキを先頭に追い掛け回す。それに連動する形で中盤のフレンキー・デ・ヨング、セルジ・ロベルトもボールを奪いに行き、両SBも相手WGに素早くアプローチを掛けた。

敵陣で相手のミスを誘発して高い位置でボールを奪取すると、ボールを保持しながら両サイドから攻める。右サイドはWGのハフィーニャ、左サイドはSBのアレックス・バルデが切り込んでいき、彼らの突破力を生かしながら、右サイドは中盤のセルジ・ロベルト、左サイドはWGのガビが内側からのサポートを徹底して厚みのある攻撃を展開した。6分には左サイドでのパス交換からセルヒオ・ブスケツがPA左角から斜めに入れたクロスをハフィーニャが頭で合わせたが、GKティボー・クルトワのファインセーブに遭う。こぼれ球を拾ったロベルトがミドルシュートを放つも、枠を越えた。

ポゼッションに加えてハイラインによるハイプレスからの即時奪回を仕掛けるバルセロナが試合のペースを握る中、一瞬のスキを突かれる。9分、ヴィニシウス・ジュニオールに右サイドを突破されると、ゴール前へのクロスがロナルド・アラウホに当たってゴールに吸い込まれた。

先制を許したバルセロナは攻勢を強めた。24分にハフィーニャが左サイドから上げたクロスにアンドレス・クリステンセンが頭で合わせ、34分にはハフィーニャが右サイドから切れ込んで左足を強振したが、GKの好セーブに阻まれた。

得点できない時間が続いたが、前半終了間際にゴールをこじ開ける。ガビのパスに抜け出したレヴァンドフスキがPA左から折り返し、ハフィーニャがシュートを狙うも空振り。こぼれ球を拾ったアラウホが縦に突破してクロスを上げると、デ・ヨングが落としてハフィーニャがシュートを放つ。これも相手DFにブロックされたが、こぼれたボールを拾ったロベルトがゴール右スミに蹴り込み、ついにネットを揺らした。全員が敵陣に入り、PA内には7人が進入していた。押し込んだ状態から厚みのある攻撃で追いついた。

後半はバルセロナが攻撃的な姿勢を継続する中、前半は自陣にブロックを組んでいたレアルが前掛かりになったことで、両チームがカウンターを打ち合うオープンな展開になる。積極的な選手交代を行って貪欲にゴールを狙い合う中で、後半のアディショナルタイムにバルセロナが値千金の決勝点をもぎ取った。

90+2分、中盤を押し上げたバルセロナがルーズボールを拾うと、左サイドへ展開する。バルデがレヴァンドフスキとのワンツーで深い位置まで進入してゴール前に折り返したボールを途中出場のフランク・ケシエが流し込んだ。土壇場での劇的な決勝点に9,5000人が駆け付けた満員のカンプノウが揺れ、歓喜に包まれた。さらにこの得点はカンプノウでのリーグ通算3000ゴール目で、メモリアルなものになった。

バルセロナは前回のクラシコをオウンゴールの1点を守り切る形で勝利したが、今回は違った。果敢なプレスを仕掛け、リスクを恐れずに攻撃的な姿勢を貫いた。その姿は今季の優勝争いを決しにいったようだった。今季のクラシコで3連勝を達成したバルサは4シーズンぶりのリーグ制覇に向かってアグレッシブに突き進む。


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