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三谷幸喜監督の映画『みんなのいえ』から、デザイナーとして大事なことを学んだ。

2001年に公開された三谷幸喜監督の映画『みんなのいえ』。


15年前、僕が入社1年目の新人デザイナーでした。


有名な映画なので見た人も多いと思いますが、
僕はこの映画を観て、デザイナーとして大きな学びがありました。


その気づきについて書いていこうと思います。


最近、前田は初心に帰っております・・・。



三谷幸喜監督の『みんなのいえ』は、こんな映画。


三谷幸喜監督の2作目の映画作品です。三谷監督が新築を建てた時の経験を元に話を膨らませ、作られたお話です。ちなみに脚本も三谷監督です。


ストーリー

ある夫婦の新居が出来上がるまでの苦労を描いたホームコメディ


主要キャスト

唐沢寿明さん(売れっ子インテリアデザイナー)

ココリコ田中さん(施主・夫)


八木亜希子さん(施主・妻)


田中邦衛さん(大工の棟梁)



『みんなのいえ』は、ものづくりの苦労をコメディにした作品。


三谷監督は第1作目『ラヂオの時間』でも、ものづくりにともなう「理不尽さ」とか「苦労」をコメディにしていました。『みんなのいえ』も「ものづくり」がテーマになっています。


家を建てる時には、いろんな人が関わります。


それぞれ家への「意見主張」があります。それに振り回されるココリコ田中。


  • 家には和室が絶対必要(大工の棟梁であり、義父)

  • 玄関は外開き?内開き?(デザイナーと棟梁との意見の食い違い)

  • トイレは2階にも必要(風水)

  • トイレは南側・北側(インテリアデザイナーと棟梁との意見の食い違い)


「なんでトイレが3個も4個もあるのよ〜!!」と夫婦間のモメ事だったり、


「玄関ドアが内開き?オラ、そんな家しらね!」と現実ではないと思うけど、大工の棟梁とデザイナーが対立したり。



僕も家を建てた経験があります。この映画のようなことは、さすがに現実にはないけど、いろんなひとにいろんなことを言われ振り回されました・・・。



同じことが「グラフィックデザイン」にも当てはまる。


デザイナーとしてキャリアをスタートしたばかりの僕。


学生の時は、当然、作品のクリエイティブの全部自分で決定権があります。社会に出たプロのデザイナーとなれば、そうはいきません。デザインの確認で部内や社内に出すと、けちょんけちょんにされます。

あ、失礼。いろいろ貴重な意見をいただく訳です。


いろんな人の意見を聞いて聞いて、修正している間に締め切りが近づき、中途半端な感じで校了。


新人デザイナーは、大体のこんなことになります。



初めの頃はデザインしてても、全く納得いかない仕上がりになりがちです。


タイミングよくこの映画『みんなのいえ』に出会い気がつきました。


この映画の公開が6月。研修が終わって仕事を本格的に始めた頃でした。本当にタイミングが良かった。


映画は、コメディで楽しい映画だったのですが、どこか妙に俯瞰して冷静に思いました。


「そりゃ、そうだわな〜」


だって、みんなの家やもん。


そりゃあ、いろいろ言いたい。みんな良くしたいって思ってるから。



みんなのデザイン


そうか、デザインってみんなのもんなんだ。って気がついた。


上司のデザインでもあるし、営業の人のデザインでもある。もちろん、お客さんのためのデザイン。


それに気がついてから、デザインが上手くなっていったような気がします。


この映画のタイトル『みんなのいえ』。「家」を「いえ」とひらがなにしたのはいろん意味をふくめてるかのかなぁと勝手に想像しました。



学生の頃は、自分だけの作品でした。

社会に出てデザインすることは、みんなのデザインをするということ。


良いデザインができないのを人のせいにしてひとりよがりなデザイナーっていうのが一番カッコ悪い。


最低なデザイナーです。


みんなの意見をそのまま、ぜんぶ聞いただけのデザインは多分だめなデザインになるでしょう。

  • この写真大きくしたい

  • この文字を赤文字にして

  • もっとこの要素を見せたい


ぜんぶの意見をそのまま足していってしまうと、違法建築のようにグチャグチャなデザインになってしまいます。これでは全く機能しません。


さまざま意見をうまく消化できるアイデアを出すことが大事です。



まとめ


デザイナーは『みんなのいえ』を見るべし。

みんなの意見をうまく消化し、良いアウトプットできるのが「良いデザイナー」の一つの条件です。


前田は、そんなデザイナーを目指しています!

デザインでお困りの方はドシドシご相談ください。



※本記事は、個人事業主の頃に書いていたブログより転載しました。



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