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上司はえらい?

 会社勤めとなると何かと大変なのが人間関係。
 そんな人間関係を複雑にしている理由の大半は思い込みにある。

 職場は複数の人間が働く場であるから、良いも悪いも人間同士の関係が発生するのは避けられない。なかでも特に事を難しくするのは感情的な部分だ。
 本来、仕事に感情はいらないはずだが、職場に感情を持ち込む人は少なくない。というか、感情を持ち込まない人がいないくらいだ。だからこそメンタルの問題に繋がるのであった、それは人間なのだから当たり前のことだ。

 感情を伴った人間関係はややこしくならざるをえない。
 うらみ、ひがみ、ねたみ、いじめ、いびり、仲間はずれ、デマ、派閥、好き嫌い、贔屓ひいき。挙げたら切りがない。職場にはありとあらゆる人間の感情が渦巻いている。
 だから、職場での人間関係を健全にしておくためには、なるべく感情を持ち込まないことが大切だ。


 もうひとつ大切なのは、変な勘違いをしないことだ。でも、この勘違いは多くの人がしている。
 仕事は、そこでの生産性を最大化し、ひいては利益を最大化することが目的だ。ここで言う利益とは必ずしもお金のことだけではない。
 利益を最大化するために、あなたの能力を提供するのが仕事だ。
 そしてこれが大切なことだが、同じ職場でも人によって仕事の役割の違いがあれど、人間としての上下は無いということだ。
 つまり職場に偉い人はいらないし、偉い人であるべきひとはいない。

 ここ日本では、責任という考え方が今一つ理解されていない。
 だから、組織図の中で責任を追うべき人が上に書かれているのを見て、人間として上と勘違いする人が多い。それは「上」と思っている本人もそうだが、「下」と思っている人も同じく勘違いしている。
 上司とか上役という言葉に上という文字が付くので、役割の違いという本来の意味よりも、自分よりも上の人、すなわち偉い人という構図を無意識に作ってしまう人が多い。
 上の人は上の人で、権限を得ると何か勘違いして、偉ぶったり、部下を下に見たり、傲慢な態度を取る。これは、本人の自覚が無い場合も多い。だからややこしい。

 管理職は、部下という人を管理する仕事だと勘違いしている人も多い。
 ここには管理という言葉の勘違いがある。管理とは、物事が円滑に進むように取り計らうことであって、他人を縛り付けることや意のままにすることではない。
 仕事の上での管理は、業務を管理することが主体であるはずだ。しかし、皆が仕事場に感情を持ち込むものだから、人と人とが円滑になるように取り計らうことまで管理者の仕事であるかのように、皆が錯覚する。
 残念ながらこのことが、不公平やハラスメントの温床になってしまう。

 世の中の会社の大半では偉そうにしている上司が多いだろう。
 能力が無いくせに偉そうにしやがってと思うかもしれないが、そんな人に対して「あなた勘違いしていますよ」と言ったところで何の解決にもならない。そんな時あなたにはぜひ大人な対応をして欲しい。
 大人な対応というのは、偉そうな上司の言葉を跳ね除けるのでもなく、偉そうにしている言葉の部分はスルーして、業務に必要な部分だけを理解して実行することだ。たとえ上司の言葉に業務上の意味がなく、あなたをけなすような言葉しか無いとしても、それはあなたという人間が否定されているのではないことを理解すべきだ。上司は神様ではないのだから、あなたという人間を判断する能力は無い。
 つまり、大人な対応というのは、相手が言ったこととあなた自身とは別物だと理解することだ。


 どうせなら気持ちよく仕事を出来た方が生産性も上がる。
 だから余計な悪感情を仕事場に持ち込まないようにしたい。

 そして上司になった暁には、偉い人ではなくて偉人になれるよう高みを目指したいものだ。

おわり

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