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映画『ミッション・インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』

 シリーズ7作目のミッション・インポッシブル。
 第一印象は、流石にトム・クルーズが老けたなということだった。それでもとてつもないアクションをこなすのだから人間の域を超えている。それだけ映画愛があるということなのか。どれだけお金を手に出来るからといって、出来ることではない。これじゃあ、命がいくつあっても足りない。

 それ(entity)と呼ばれる暴走したAIを止めるために必要な鍵を探し出すのが今回のミッション。その鍵が何に役立つのかは知る必要が無い、とにかく鍵を探し出せというのだから無茶振りだ。しかもこの鍵、2本でワンセットになる仕組みになっていて、1本のありかは分かっているが、もう一本はどこにあるかも分からないのだ。まさに不可能なミッションではある。

 トム・クルーズ扮するイーサン・ハントは、この世にはいないはずのエージェントだから、その存在を知る人は極めて限られている設定だ。誰が味方で誰が敵だか分からない状況は、観客にスパイの気分を味合わせるための工夫だろう。何かがあっても助けてくれもせず無かったことにされるなんて、どれだけお金を積まれても普通はやりたくはない。命がいくつあっても足りない。

 無事に鍵のありかを見つけて手にしたものの、当然それを奪いに来る人がいるわけで、しかもこの期に及んであの変装マスクを造る機械が壊されてしまう。普通なら死ぬような困難をいくつも超えて最終盤を迎えるも、物語はまだ始まったばかりの様な様相だ。一体どうしたというのか。
 改めて良く読めば、タイトルにパート1と書いてあるじゃないか(原題からはPart Oneの文字が無くなったようだが)。3時間近くのアクションを観た挙げ句に、まだ半分しか終わっていないとは。この先も終わらないアクションが続くと思うと、少しは落ち着けよと思ったりもするが、イーサン・ハントはそんな命乞いのようなことをする男ではない。
 
 続編の『ミッション:インポッシブル8』は当初、2024年公開予定だったのが来年に延期になったようだ。これが最終話で空前のスケールというのだから、イーサン・ハントの命も尽きてしまうのだろうか。
 ともかく続きを見るのが待ち遠しい。

おわり


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