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「こんな仕事のために…」新入社員が1年で退社、ホワイト企業が“ゆるいブラック”と化す理由・・・という記事の紹介です。

今日の僕。

今日は、初めて入る利用者様で買い物代行に行ってきました。

頼まれた買い物を時間内にしてくる、ただそれだけの援助ですが、実はこれが奥深いわけで・・・。

と、僕自身、突発の自費での買い物支援とか行ってましたので、買物代行は比較的簡単な仕事だと思っていました。

だがしかし、普段のおっさんの買い物ではない上に全く初めて行くスーパーという事もあり、これがかなり難易度の高い内容でした。

もらったメモ紙を見て、スーパーの行動ルートを事前にシミュレーションし、最短の時間で買い物を終わらせて利用者様のお宅に戻るというのが買い物代行の最初のポイントなんだろうな、と思いながら、すり身はどこだ?大根は?あっちのレタスよりこっちのレタスの方が安かった!・・・こんな所にもウィンナーがあるなんて!・・・みたいな感じでグダグダの買い物でした。

介護の仕事をしてきて、超久しぶりに焦りました。
利用者さんや認知症の方の対応で焦りは禁物なので、そういう訓練はしてきていたつもりですが、いざ自分だけの問題となるとこうも焦るのか・・・と新たな自己発見もありました。

そんな感じでいい経験をさせてもらった今日は、こちらの記事を紹介します。

いまや世間の“常識”となった「大卒新入社員の3割は、3年以内に離職する」――。実はもっと精査していくと、「大卒新入社員の1割は、入社1年目で離職している」ことが分かる。

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大卒の新入社員ですが、僕が介護業界に入ってから1人しか直接担当した事はありませんし、それもまだまだリーダーとして未熟だった時代だったので、適切に指導できたかどうかは自信はありませんが、成長を見届ける前に異動になってしまったのでよくわからないのですが、風のうわさによると転職したらしい、との事です。

しかし、大手企業もふくめて入社後1年目で離職している人が1割もいるという事にはびっくりしました。

そのあまりにも性急な離職の理由として、最近浮上しているのが、職場での成長の機会がないことなのだ。

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介護業界では、こういう理由での離職は多いと調査結果でも出ていましたし、実際に職員の高齢化が進んでおりポストが埋まっている状況など、昇進の機会がほとんどない事もあって、能力ややる気はあるけれど、将来を見通せないので転職してしまうケースも多いと聞いていました。
ただ、これは介護業界の独自の問題だと思っていたので、これが世間一般でも問題になっているとは思ってなかったです。

しかし、私にとって最も大切なのは、自己の成長です。難易度が高くてストレスフルな仕事でも成長につながるのなら、残業も休日出勤も一向に構いません。勤め先がいわゆるホワイト企業であるかどうかは、私には関心がありませんでした

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こういう若手がどの程度の割合で存在するのかは不明ですが、こういう若手こそを採用して育てて、一緒に会社を大きくしていきたいですよね。

介護業界全体がそうとは思いませんが、僕自身がこれまで見てきた現場の事を考えると、こういう若手が自己の成長が出来る経験をさせてもらえず辞めていく傾向が結構高いと思っています。
逆にいうと、こういう企業側が大事に育てたい職員の定着率が低く、逆の感覚の”今まで通り忙しくなく余裕のある仕事をしていたい””できれば今まで通りの仕事内容のままでお給料を上げてほしい”という職員が定着しているような感覚です。

ですので、必然的に職場の雰囲気は保守的になり理念よりも”自分たち”という働き方の傾向が強くなり、介護の世界で成長していきたい!と思って入ってきたやる気と意欲のある若手が自分たちが望むような将来を描けなくて辞めてしまう。そういう現象が起こっていると思っています。

262の法則というのがあって、チームのうち2割のメンバーが全体を引っ張って頑張る、6割がどっちつかずで雰囲気や気分で頑張ったりサボったり、残りの2割が力を抜いてサボるメンバーになる、という法則です。

蟻とかの実験でもこういう集団になるという結果が出ているので、人間であろうと似たような集団心理になるのだろうと思っています。
実際、チームを見たときにチーム全員がやる気があって頑張っているメンバーだったチームは見たことがありません。

この法則の面白い所は、2割の率先するタイプのメンバーが抜けた場合、どっちつかずの6割のメンバーから率先する2割のメンバーが出現するという事です。
逆に、サボる2割のメンバーを外しても、6割のメンバーの中から新たなサボるメンバーが2割出現する、という事です。

この法則を知った時に、僕はやる気がない職員への指導をする事を辞めました。どう考えても時間の無駄ですので、率先する2割と、6割メンバーの中でも、率先する側に寄っているメンバーを育てる事に全力を注ぐようになりました。

まぁ、指導育成についてこれが正解、というものはないので、もし何かの参考になったりすると嬉しいです。

しかしです、この法則があったとしても率先する2割のメンバーの力量次第でチーム全体のレベルも変わってきますので、僕が見てきた介護現場やチームの事を振り返って考えると、残念ながら、率先する2割のメンバーが抜けていくチームほど、チーム全体のレベルが低下しているように感じてきました。

だからリーダー層の育成が急務であり絶対の課題だと思っています。

実際に始めてみると、そこには厳格なマニュアルがあって、その通りにチェックしていくだけであり、誰でもできるような仕事でしかなかった。

「先のアクセスの権限付与も同じで、やたらと時間がかかり、1日の勤務時間の半分近くを費やすことも度々ありました。そんなとき『自分はこんな仕事をするために入社したのか』と疑問に思い始めました」

しかし、それも程度の問題だ。成長を実感できる負荷の高い仕事を与えてもらえず、高橋さんは自分のキャリア形成に不安を募らせていくようになった。

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誰でもできる仕事は大事なんですけど、それが出来た上で自分なりの・自分らしい何かを仕事で発揮できるのが重要なんだろうと思いました。

そういう意味では、介護の現場は自分らしさを存分に発揮できる現場だと思っています。
ただ、やはりチーム全体が変化を嫌う傾向が強いチームが多いので、その中でたとえ基本を守れていたとしても、自分らしさを出すようなケアを実践した場合、やはりチームからの攻撃の対象になりやすい雰囲気や環境はあると思います。
それが正当な批判や指摘ならいいのですが、それを理由に普段できている事まで出来ていない等の不当なレッテルを貼られてしまう可能性も高いと言わざるを得ないので、本当に能力のある人から辞めてしまう事が多い業界だと思っています。

2022年10月に厚生労働省が発表した「新規学卒就職者の離職状況(対象:2019年3月卒業者)」によると、大卒の新規就職者の就職後1年目での離職率は、11.8%になっている。

 この調査でも中小企業のほうが、早期の離職率が高い傾向にあるのは確かだ。しかし、従業員1000人以上の大企業においても、1年目での離職率は7.9%に達しているのだ。

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去年のデータですが、大企業でも8%に近い新入社員が退職している事になるので、本当にびっくりです。

ただ、そう考えるとこういう早期離職した人を介護業界で採用して、そこでやりがいを感じてスキルアップしてもらえるような仕組みが作れれば、優秀な人材を介護業界に呼び込める上に、20代の若手ですから、10年20年後に本当に深刻になっていく介護業界をしっかり支えてくれるリーダーに育ってくれる可能性だってあるわけなので、そういう道が開けるような取り組みができればいいですよね。

介護の現場は本当にやりがいしかないし、本当に個人の人間性で勝負も出来るので、人間としての自己成長は確実にできると思います。
それに伴う処遇の改善がセットで進まないと難しいでしょうけれど・・・。

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成長してスキルアップできなければ昇進も昇給もないのが当たり前なので、早くスキルアップしたいのに、その機会がもらえないとなるとやる気もなくなりますよね。

離職理由の多くが、成長できない事やその機会が与えられない事に対する不満である事がわかります。

介護業界で能力による昇進の仕組みが導入されれば、もしかしたらいい感じになるかもですね。
介護の現場では現場の経験も重要ですけど、チームで連携する仕事なので経験だけで能力があるか、と言われるとそれは本当に人それぞれですので、経験年数というぼやっとした評価基準ではなく、介護スキルとして何ができる、とか、チームメンバーとして何ができる、とか、組織人として当たり前にチームメンバー同士で支えあえる・称えあえる、とか、そういう部分がちゃんと評価されると雰囲気も変わっていくと思います。

バブル崩壊やリーマン・ショックの後、若手社員の間に安定志向が強まった時期があったが、いまでは高橋さんのように、自分の「成長」を重要視する傾向が強まっていることが読み取れる。

「コロナ禍が収束したとはいえ、日本経済の力強い回復がなかなか期待できそうになく、自分たちの明るい未来を描くことが難しくなっています。それだけに、できるだけ早く成長して力を付けていきたいと思うようになっているのでしょう」と識学の安藤広大社長は分析する。

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明るい未来が見えないから自分を守るために成長したい、という流れのようです。完全に自己防衛ですよね。
国が地域に求めている自助互助というスローガンが、こういう形で実っているような気もしますが、あえて逆説的にとらえると、国を信用していない、公助に期待できない、という事でしょう。

これは世代や民間だけの問題ではなく、政治的な原因もあるだろうと思います。

20代前半の若手社員の親の多くは50代だ。肩たたきで関連会社への出向を強いられたり、出向を免れても役職定年で待遇が悪くなったりしながらも我慢しながら働いている。その様子を目の当たりにして、「力を付けて、会社にしがみつくようなことはしたくない」と考えるようになっているというのだ。

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介護業界でも職場を転々とする人については、いろんなレッテルを貼られてしまう現状はありますが、転職をする事自体がマイナス評価になる時代はそろそろ終わりになりそうです。

これからの世代が、自分の成長につながらない職場なら転職して当然、という感じになっていくのであれば、そういう人たちが成長を実感できるような仕事の工夫が必要ですよね。

成長に最も効果的なハードルの高さは、3~4割程度の成功率と何かの本で読んだような気もします。もしかしたら2割程度の成功率だったかもですが、僕自身は2割程度の成功率の難易度設定にすると諦めちゃうので、10回チャレンジしたら3回か4回は成功するようなハードルを設定するように心がけています。

職員に指導する時も、同じような難しめの設定で課題を出しますが、多くの職員が嫌がります。やる前から失敗する方が多いとわかるからです。
でも、絶対に失敗しないわけでもないので、失敗してもいいから頑張ってやってみれ、と言って挑戦させます。
そして目標が達成できれば一緒に喜びます。
失敗が続けば、自分の失敗談や経験も話ながら次の工夫が生まれるようなコミュニケーションを取ります。
最近はすぐに答えを教えて欲しがる人が増えましたが、僕は教えないので意地悪だと言われる事もありますけど、それはそれで面白いのでニヤニヤして対応しています。(だから余計意地悪に見えるんだろうけれど・・・)

いいか悪いかはわかりませんが、人が成長する時って本当に這いつくばって努力や工夫をしたときだと思いますし、僕自身がそういう実感があるので、そこまで辛い思いをしなくてもいいけれど、頑張る事や挑戦する経験はいっぱい積ませてあげたいと思っています。

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この表、よく内容を知らずに見たらブラック起業の表みたいですよね。

成長したい若手職員は、働き方がブラックであったとしても成長する機会を与えてほしい、という事なんじゃないでしょうか。
労働基準法をしっかり守った上で、表のような要望に対応できる工夫は今後必要な課題だと思いました。

ちょっと意外だったのが、3位の『プライベートなことも含めて気軽に会話をしてほしい』という内容です。

最近の若い人って、仕事とプライベートはしっかり区別してメリハリつけてた方がいいから、あまりプライベートの内容とか気軽に話しかけるのはしない方がいいのかな、と思っていたので意外でした。

だとすると、こういう職員さんなら一緒に飲みに出かけるとかしても良さそうですよね。そのあたりの見極め能力は今後の上司に求められる必須のスキルになりそうです。

極端に過重な仕事を押し付けたり、理不尽な叱責を行ったりするのは論外だが、「ブラック企業」「パワハラ」などと評されるのを恐れて、若手社員への仕事の割り振りや指導を必要以上にためらうケースが少なくない。

一見してホワイト企業のように思えるのだが、識学の安藤社長は「働きたい若者から成長する機会を奪う、『ゆるいブラック企業』に陥っているのです」と指摘する。

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ホワイトすぎて逆に”成長した若者にとって”ブラックになってしまっている事もあるという事ですよね。

そりゃ低い方に合わせて仕事をしていたら、高い所に行きたい人は絶対にたどり着けませんもんね・・・。

介護業界はどうしても低い所に合わせてしまう傾向が強いと思いますけど、それもそろそろ転換する時期なのかもしれません。

前出のサービス会社の坂上さんの会社では、入社2年目以降の社員に「申告制度」を設けている。希望する仕事と違う場合は、上司を飛び越えて人事部に直接申告ができる。人事部は本人の過去の成果や勤務態度などを細かくチェックした上で、希望をかなえることがあるそうだ。若手社員に成長の機会を与える施策の一つといえるだろう。

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評価については、こういう人事部が直接ヒヤリングや実績を見て判断したりする仕組みは良いと思いました。

特に若手が活躍できる職場を作るのであれば、上司を飛び越えて昇進したりできる仕組みは必須の課題です。
そうであれば、上司だって人間なので正当な評価ができる上司って中々いないんじゃないでしょうか。

人手不足で生産性の向上が・・・という話が当たり前になってきている今日この頃ですから、有能な人材が上の役職に就く方が生産性が向上しますよね。これは当然の流れになるだろうと思います。

本来、成長意欲の高い若手社員は会社にとって貴重な財産であるはず。ホワイト企業であることで彼らを大切にしているつもりが、実は彼らから成長する機会を奪い、不満を募らせる結果につながっているのだとしたら、まさに“悲劇”としか言いようがない。

採用や研修コスト、そして1年目の給与・福利厚生を考えただけでも、1人当たり何百万円というお金がかかっている。若手社員にとっても、過ぎた時間を取り戻せないのだから――。

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採用に育成に、本当に多額の投資をしています。
これは、介護業界も同じで会社は採用した職員にまず投資をしているわけです。
当然、企業ですので生き残るためには投資した資金は回収せねばなりませんので、一人一人に投資した額以上の収益を上げてもらわなければ採算がとれません。

ですから、紹介会社経由で採用された人については、紹介会社に紹介料として年収の2~4割の報酬を支払っているわけですので、当然投資額も通常採用の人と比べても2~4割高くなっているわけですから、それなりの即戦力的な能力や働き方は期待されて当然だと思います。

一方で職員としても成長して結果を残したりしたいわけですから、1分1秒の時間ももったいなく感じるのは当然ですよね。
自分の評価があがればお給料も上がりますので、1日でも早く収入が増えれば有難い事です。

会社は成長する機会を与え、職員はその機会をモノにして成長する。
それが収益を高めて会社は拡大して職員は収入が増える。
この好循環を、どのような状況でも作り出さないといけないという事ですし、そう考えると、会社が成長する機会を与え切れていない事をまずは改善する必要があるかな、と思いました。

改めて、介護現場であっても”今まで通り”は何も生み出さないな、と強く感じました。


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