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【起業戦略】新春特別編 起業十則その2

という訳で、界隈では大好評の第1弾に続き、第2弾をリリース。十則といいながら、10以上あるやないか、という方!AKB48が48人いないのと同じですから。


資金調達

調達しなくていいなら、調達しない。調達は勲章ではない。でも、しなくてはならないなら、ちゃんとする

資金調達は、絶対に返済しなければならないという縛り(負債/借入の場合)か、経営権の一部売却の対価(株式の場合)で行うもの。どっちもない方がいい。「VCから調達した」は勲章ではない。が、新規事業は、激烈な先頭集団争いに勝たなければならない。先頭集団に入り、勝つために必要なら資金調達は躊躇すべきでない。

断られても傷つかない

株式による資金調達は、数十社(30~40社)と話して、2~3社が検討してくれるという世界。断られて当たり前、話し始めて1分で席を立たれることも当たり前(日本じゃまず聞かないけど)だと思っておく。自分のアイデアを否定されると、自分の夢や情熱がバカにされたり、無価値だといわれたり、ひいては自分自身の人格や人生を否定された気分になることもあるだろう。
でも、そんなことはない。

真に受けない

資金調達していると、投資家はもちろん、色んな人から色んなアドバイスや、フィードバックが貰えるだろう。たいていの場合は「そのままじゃダメだね」系のはず。ありがたいことだけど、真に受けるのはほどほどに。人それぞれ、視点は違うのだから。僕が尊敬するビジネスパーソンの佐山展生さん(元スカイマーク会長)は「9割の人が否定するアイデアでないと、新しくやる意味がない(みんながいいね!となるようなアイデアは、すでに誰かがやってるか、誰でも思いつくような平凡なものだから)」と言っていた。傷つく必要はないし、そのフィードバックを真に受けて、ピボットする必要なんてまったくない。「それいいかもね」と言ってくれる投資家、「その線で磨いてみようか」といってくれる協力者を、10人に一人見つけるというのも大事。

なにに使う金なのかを明確に!

無駄な資金を調達しない。でも、足りずにやろうとしていたことが出来なかったというような調達もしない。何にいくらが必要なのかを見極めて、出来ればその1.5~2倍を調達する。調達したら、節約せず目的のために、しっかり使う。

投資家のロジックは、まずエコノミクスであることを理解する

VC(ベンチャーキャピタル)にも、VCに出資している投資家がいる。VCも、自分たちの投資家にリターンを返さなくてはならない。個人的に共感してくれることと、出資をしてくれることは別物だと割り切る。

シードでは、自分(たち)>>事業計画

まだサービスも固まり切っていない状態では、事業の計画よりも創業者(会社設立時の株主)が重要。「自分がこのビジョンで事業をやるに値する」「このビジョン自体は金になる」ことを証明する。

スタートアップ/経営

嘘をつかない。せいぜいホラまでにしておく

嘘をついてはいけない、絶対に。嘘というのは事実でないこと。実績、過去の事実と齟齬があること。ホラは、実現していない将来のビジョン。ホラに乗るのは、投資家や顧客、社員側の賭けやから、まあしゃあない。
嘘で資金を調達したり、案件を取ってきたり、上場するのは詐欺。優良誤認、有利誤認を引き起こすようなマーケとかセールス、ピッチも厳に慎むべき。嘘は必ずバレるし、たいていの場合「一番、嫌なタイミング」を見計らって、その嘘は暴露される。今、暴露されてないのは、バレてないからではなくて、単にタイミングを見計られてるだけ。

ビジコン、アクセラ中毒にならない

面白いアイデアを思いつくと、ビジコン、インキュベーションやアクセラレーションプログラムで、わりと賞をもらったり出来るようになる。賞をもらったりすると、事業プランが認められた気分になるし、実際、アクセラに参加すると勉強になったり、仲間や人脈が出来たりする。僕もメンターやってるし。
でも、そこにかかるコストは、特に初期においてはバカにならない。コストというのはお金じゃなくて、創業者の時間と体力と情熱のこと。特に事業を推進する人間が1~5人くらいの段階で、創業者がそこに労力を使うというのは、事業を進めるという観点からは、莫大なコストになる。「アクセラやビジコンが忙しくて、事業は進んでない」なんて、本末転倒だよ。だからそういうプログラムへの参加は、「もしかしたらいいことあるかも」ではなく、「本当に必要」というものだけにしよう。残りの時間や体力、知恵は事業の推進にかけたほうがいい。

ピボットを恐れず、でもブレず

ピボットはしても全然問題ない。むしろピボットしないで創業からIPOまでいける企業なんてほとんどない。多分、どこのスタートアップ、ベンチャーも数回のピボットはしているはずだし、出資者も特にシード段階では「数回のピボットはするだろうな」と思ってる。
大切なのは、ビジョンからブレないこと。ビジョンは変わらず、「やり方」や「やる領域」「対象」を変えるというのは、ごく自然なこと。まあ、ビジョンを変えるのもありだけど、そのときは「なんのために起業したのか」を自問したほうがいい。

大企業、顧客、競合、社員、投資家を見くびらない

特に大企業に勤めた経験がなかったり、浅かったりすると「大企業はバカだ」病を罹患しやすい。たとえば「FAXをいまだに使っている」みたいなことを見てそんなことを思ってしまうわけだけど、多くの場合、そうしているにはそれなりの理由があったりする(取引先や顧客がFAXだったりしてね)。別に大企業の全体像まで把握する必要はないんだけど、見えてもないことについて「バカ」呼ばわりするのは、無知・未熟をさらすだけなので、やめたほうがいい。
同時に、顧客や競合、社員、投資家がバカに見えるときもあるだろう。しかし、たいていの場合、相手はバカではないし、むしろ自分よりも遥かにものが見えていることもある。気持ちよくバカにしていると、足を掬われることもあるので、くれぐれも見下したり、見くびらないこと。

調達額の大小で同志を評価しない

少し大きい額の調達をすると、他の起業家よりも偉くなった気分になったりすることがある。そんなことはないよ。マジで。

さて、次の第3弾でおしまいの予定です。


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