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【対談】韓国の英語教育(vol.1)

2023年5月にtwitterのスペースで「韓国の英語教育」についての対談内容です。日本と韓国の英語教育に対する考え方・取り組み方の違いなどを、韓国のママさんからも回答をいただきつつ話しています。

読み応えのあるボリューム記事ですが、おうち英語されているママさんには興味深い内容だと思います。ぜひお時間がある時に読んでみてください。

下記のyoutubeに音声も公開しています。家事や育児をしながら気軽に聞いてみてくださいね♬(※プレゼントは終了しています)


自己紹介

1.本好きママ自己紹介

本:本好きママと言います。2人姉妹の母親です。小1になったばかりの6歳の女の子と、年少3歳の女の子がいます。上の子が2歳になったと同時におうち英語とTwitterを始めて、いま4年半になります。とはいっても下の子の妊娠出産と産褥期でコロナ禍に入ったり、結構大変な思いをしたので、うち2年は細々と続けていて辞めなかった程度です。今の1番の関心は小学生以降のおうち英語です。時間確保的な環境面もそうですし、何を使ってどう英語力を上げていくのがいいのか、あと勉強と英語の両立みたいなところも悩ましいです。はい、ではパクさん自己紹介をお願いします。

2.パクさん自己紹介

パ:私はパクと申しましてトド英語でMKT担当しております。私自身は韓国生まれ育ちで、韓国で大学3年目で中退してからアメリカの大学に入学して卒業してからはお仕事で」日本に来ていて、今に至っております。

3.今回のスペース

本:ありがとうございます。それで、今回のスペースを思い立った理由をまずお話したいと思います。いつもTwitterをしていて、色んな情報収集が出来て楽しいな有難いなと思っている一方で、なんだか視野がせまくなっているように感じる時もあるなと思っていました。私がそうなだけで、他の方がそうという意味では全くないんですが。で、もう一歩広い視点で考えたいなと思っていたところに、パクさんからスペースのお話をいただきました。で、まだ日本のおうち英語の子どもって成人している子たちの数が少ないと思うんですけど、韓国はもっとはやい段階で早期英語教育が始まっているので、私の持っていない視点を持っているんじゃないか、とかノウハウがあるのかな?と思ったことと、単純に韓国の方とおうち英語トークが出来たら嬉しいなと思ったことので、韓国の英語育児について聞きたいです!とお願いしました。

パ:でも、言語の壁があるので、韓国ママさん達にはアンケートとして質問を送って、それに回答してもらっています。2往復でお願いしていて、日本から質問して韓国から回答もらって、また日本から質問して韓国から回答をもらったかたちです。なので、ママ2人への質問が少しずつ違うんですが、ご了承いただけたらなと思います。

本:それから、今回のスペースのトド英語からの回答ですが、信頼できる資料から取ってきたものもあれば、パクさんも韓国で教育を受けた一人ですし、肌感覚の回答も含むことをご承知おきください。あと、ママさんは完全に個人としての回答ですね。韓国ではこうです、みたいな話も出てくると思いますが、ママさんはそう考えているということです。

4.次回予告

本:ちなみにですね、このスペースは1回で終わらないんです。ママさん達が結構たくさんお話してくださったのです。それをお伝えしないっていう選択も出来るんですけど、なんだか勿体ないなというのもありまして。で、次回は1週間後の19日(金)お昼から開始したいと思います。

ちなみに、今回のスペースは「英語に関して何してるの?」ということで塾や今後の想定について聞きたいと思っています。次回は子どもの学習動機の作り方、とか、あとトド英語ってライトユーザー向けなのかなと思っていたので、韓国の教育熱心な方、英語でもトップ層ですよね、その方たちがどんな活用をしているのか聞いてみたいなと思っています。なので、第2弾のほうがもうちょっとくだけた感じの話が多いと思います。

1.韓国の英語育児・英語公教育の流れを簡単に

本:では早速始めたいと思います。アジェンダの1 トド英語回答の、韓国の英語教育の流れを簡単に、というところです。パクさんお願いします。

韓国の英語育児・英語公教育の流れを簡単に

パ:英語教育・英語育児が始まったのは88年ソウル・オリンピックで多くの外国人に初めて触れたことがきっかけです。その流れで、97年から小学校3年生で英語が教科化されました。小学校では合計500個の単語を学びます。Lexile指数では小中学校でアメリカの幼稚園レベルですが、それから高3になるとアメリカの高校のレベルになり、難しくなります。つまり、アメリカの12学年過程を6年で学ぶ計算です。

また、小学校の時はSpeakingとListeningなどのコミュニケーションがメインですが、中学校から語彙、文法の重要度が上がり、一気に勉強っぽくなる傾向はあります。

本:流れは80年代からということですけど、英語が教科になったのが早かっただけで、小中学校だけにフォーカスすると、今の日本と大きく変わらないのかなと思います。だから、私教育・塾が必要になってくるっていうことですよね。

成功法、失敗例とされるもの

本:次のトピックの「成功法、失敗例とされるもの」なんですが、これは皆さんからの質問にもありました。韓国は英語育児の歴史が長くて、いろいろノウハウがあるんだろうなと勝手に想像しています。どんなものが成功方法・成功ロードマップと考えられていて、逆に失敗例として認識されているものはどんなものがあるか教えていただけますか。

パ:成功する方法として認識されているものはないです。というのもやはり成功だと長い道のりでもあり、いろんな要因があるとのことからでも、そういう意味ではまだ試行錯誤中ではあります。但し、失敗例ですと、どちらかというと、失敗例よりは副作用に近くはなりますが、やはり母国語の習得力やクリエイティビティ力いわゆる想像力が比較的に落ちてしまう、だとか、感情能力の習得が遅れるなどありますね。
原因としてよく聞くのは、まだ母国語の韓国語でまだ意思疎通が十分できないステージで、英語塾や英語幼稚園などに生かされ、いきなり100%イングリッシュでのカリキュラムで、また遊びメインではなく、テストや学習メインだったりとかあるところに通うなどいわゆる英語でのストレスやプレッシャーを感じてしまうからですね。
但し先ほどこれといった成功方法はないとお話ししたものの、その中でも韓国で教育熱心の方で多く取っている道だと、

  • 小さい子に母親が英語で話しかける(日本のおうち英語でいう語りかけ)

  • 英語幼稚園に入れる

  • 英語塾に入れる

  • 留学

本:成功ロードマップってないんですね!!たしかに子どもの能力とか好みだったり、家庭の経済力や他のリソースも様々なので、なかなか成功法って出来ないかもですよね。日本も20年30年経っても、成功法は確立していないのかなとも思いました。

英語力を測る検定試験

本:皆さんからの質問です。読みます。「韓国の英語力を測るメジャーなテストは何ですか?韓国独自の英語試験を使って英語力を測ったり、勉強に使ったりするのですか?それともTOEFL juniorなどを受けますか?」ということです。2名の方から似た質問をいただいたんですが、その1名が言っていたのが、日本では英検の力が強くて国際的なテストではない→だから、業界全体が英検よりの教育になってる。例えば問題集でも、この日本語に対して英語ではどういうのか、と問われることが多くて、そこに問題意識があるようなんですね。いかがでしょうか。

パ:韓国は日本のように、英検のような、圧倒的な割合を占めるテストはないんですね。ただ、子供向けテストでは難易度や目的により、主に4つに別れますが、難易度が低い順からお伝えするとと、まずはTOSEL(韓国独自のテスト、韓国の小学校の強化過程に近いテスト)<< JET (Toeicから出たもので、簡単で教科連携に有利)<< Toeic Bridge(実用的な英語) << Toefl Junior(全てある、最も難しい)です。

本:「韓国の小学校中学校高校、大学入試で英文を韓国語に訳す試験はありますか。」という質問もありました。どうですか?

パ:確認したところ、また自分の経験によると、そのような試験は見当たらなかったのですが、学校によってある場合もあるかもしれません。

本:それ、いいですね!あと、「対訳の、語彙力をアップさせるワークはありますか?」ということなんですが、どうですか?

パ:学校では対訳が一般的ですが、塾だとレベルや学年によって異なります。ただ、上のレベルの塾の場合は、先生がほとんどネイティブなので、対訳は使わないです。

本:なるほどですね。ある程度年齢が上がってくると、語彙に関しては対訳のほうが早いのかなという気がします。

節目ごとの英語力の目標

本:皆さんからの質問です。「英語塾では節目ごと、例えば小学校卒業時点の英語力の目標はありますか?CEFRやTOEFL・IELTSなどを基準にして教えていただけますか?」とのことです。

パ:特に基準を設けていないようです。いわゆるBig3(韓国の三大英語塾)から他の数カ所に確認したところ、塾 それぞれ独自のカリキュラムがあり、ざっくりではありますが、基本学年ごと現地の同学年のレベルで、原書読んでディベートできるレベルだったり、CriticalThinkingなども現地の子レベルに達することを想定されているそうでした。そのため、確認したところではどこもCEFRや検定試験での点数の基準は設けていないとのことです。また学年でクラス分けよりは実力でクラス分けになるため、これといった学年の目標はないそうです。

本:Big3の英語塾っていうのが、日本で言う帰国子女アカデミーみたいなところかなと勝手に理解しています。有名で老舗みたいな英語塾が3つあるそうです。今回回答いただいたAさんの娘さんもBさんの娘さんもBig3の塾に通っているということです。

それで、目標レベルですが、CEFRというより、現地の学年と同等レベルか、もしくは上か下か、みたいな基準のほうが一般的なのかもしれない、ということですよね。あと、塾のカリキュラムの力が強いのかもしれないですね。
ちなみに、うちの子、塾に通っていて伸びているの?ってどうやってわかるんですか?

パ:塾内でどのクラスに属しているかによって確認。レベルに合ったクラスに配置されるため。それほど塾のカリキュラムに自信があるとのことでもあるでしょうね。

本:なるほど。お任せってことですね。

英語の開始年齢

本:次は英語教育の開始年齢についてです。これは皆さんからの質問です。読みます。「何歳何か月ごろから触れ始めるのが一般的ですか。始め方は外注なのか、それともおうち英語なのでしょうか。」ということですが、いかがでしょうか。

パ:2016年 500人くらいを対象にした調査では3.8歳 歌、アニメ53.4% 幼稚園、保育園での放課後授業 49.6%絵本が36%でした。
ただ地域や親の熱心具合で変わっており、この調査が実際どこに住まれている方を対象にしたのかがわからないので、なんとも言えないところもあることから、一応知り合いとか親戚とかで住んでいるところバラバラな人に聞いたところ、全員かけ流しは2〜3歳あたりから始めるとのことで、理由としても周りがそうしているからとのことが多かったので、肌感覚ではありますが、やはり日本でいうおうち英語の方が多いようですね。

本:なるほどですね。3.8歳はほぼ4歳だと思いますが、Twitterのなかで4歳に始めていると「うちは遅めです」と言ったりする年齢ですが、小3から英語に触れることを考えると、早期に始めていると言えそうですね。

パ:英語学習の開始年齢について、ママさんからも回答をもらっています。
でも、その前に簡単にママさんのプロフィールを紹介したいと思います。

2.韓国のママさんからの回答

韓国のママさんのプロフィールを簡単に説明

本:ママさんのプロフィールを簡単に説明します。
Aさん、Bさんと呼ぶとわからなくなってしまいそうなのですが、何か良い呼び方を考えてみたんです。でも、お2人とも似た感じなんですよね。お2人とも日本で言う文京区みたいなところにお住まいですし、兄弟構成も同じ、上のお姉さんはBig3の英語塾に通っているんです。BさんだけはDWEユーザーとか言えるんですけど、Aさんは特にないんですよね。それで、もう便宜的にAさんはワーママさん、Bさんは専業主婦さんとしたいと呼びたいと思います。

ワーママさんは、小学3年生9歳の女の子と、4歳の男の子がいます。お姉さんは英語幼稚園を卒業して、いまはBig3の英語塾に通ってます。お姉さんが英語幼稚園に4歳で入園したんですが、韓国語能力が少し劣っていたということで、弟は5歳から入園を想定しているそうです。

専業主婦さんは、小学3年生9歳の女の子と、5歳の男の子がいます。お姉さんはDWE使用して、その後英語幼稚園に通って、いまはBig3の英語塾に通ってます。弟は英語幼稚園に通っているそうです。

英語の開始年齢

・ワーママさんからの回答

本:それで、英語学習の開始年齢についての話に戻します。私からはワーママさんに聞いた質問を読みます。「0歳から英語に触れさせることは考えましたか?3歳から英語育児を始めたのは、母国語への影響がある等を考えてのことなのでしょうか?なお、日本では妊娠中や0歳からおうち英語を始める方も多くいます。」

パ:答えです。「そうだったんですね!0歳の時から考えていなかったです。私の場合、上の子も下の子の時も出産休暇を6ヶ月出してて、すぐに会社に戻ったので、本当にバタバタで大変でした。そのため、育児を1日1日こなすだけで手一杯だったのもあり、また、そんなに早く開始する必要があるともあまり思わなかったのもありますね。」

本:私も同じくらいで復帰したので、おっしゃることはよくわかります。でも、忙しくても何かしらに触れることはできなくもないと思うんですけど、何もされなかったんですよね。次は専業主婦さんに聞いてみました。

・専業主婦さんからの回答

本:私の質問です。「3歳からDWEを開始されていますが、0歳から英語に触れさせることは考えましたか?」と聞きました。いかがでしょうか。

パ:「上の子の場合、3歳前には絵本と歌で、英語への拒否感をなくす程度に触れるようにしました。積極的に触れさせなかった理由は、子育てが初めてだったのもあり、1) 母国語との混雑への恐怖、2)まずは子どもと母国語で十分なコミュニケーションや共感することがまず大事、3) 子どもの言語的習得能力や興味を沸かせる方法がわからない、などありましたね。

そんな中、幼児教育イベントに参加した時にDWEのサンプルとしてもらったCDや本に非常に興味を持つようになって、私も興味ができたので、それをきっかけにDWEの営業の方とお話ししたところ、DWEは割と直感的(ヘソを差してBellyというなど)な学習、で子供に学びやすそうでもあり、月1回のアクティビティやネイティブの方との電話など、様々な観点からspeakingをサポートするところに魅了され、購入を決めました。」とのことです。

本:この方は意図的にたくさん触れさせないようにしていたということですよね。韓国では妊娠中とか0歳から必須!みたいな流れはないのかもしれないですね。

パ:そうですね。そんなに早くから始める方がいるはいますが、メジャーではないですね。先ほど申し上げた2016年の調査でも妊娠中から始める方はは5%程度でした。

本:そうなんですか!少ないですね。日本でおうち英語をしているなかではもっといるのかなという印象です。

余談:DWE

本:それでですね、余談ですが、専業主婦さんがDWEユーザということで、知っている教材が出てきて妙に親近感!嬉しい!と思ってしまったので「DWE使いこなせていますか?」とこの方に聞いてみました。お答えお願いします。

パ:はい。「正直step1まではすごく興味があったのですが、理由として5つの理由になるんですけれどもまず1)目の理由としては、 古い動画のスタイルで子どもの集中が続かない 2) 月1回のアクティビティのクオリティが思ったより低い 3)明確なガイドをしてくれる先生がいなく、学習セットが多すぎて、どの段階で何をどう活用すれば良いか分からなくなる 4) DWEの授業も2ヶ月間通いましたが、教材の活用や英語に触れることに対し、そんなに効果がなかった、また最後の 5)つめは英語幼稚園に行かせてみたら、その方がよっぽど習得が効率もよく、また早かったので、英語幼稚園に行かせてからはDWEを活用できなくなりました。ただ、それでも下の子が生まれたら、下の子には活用させてみようと思い、そのまま一応キープはしてはいましたが、いざ下の子が生まれた時(4歳差)にはDWEより優秀なプログラムがとても多く(cdやdvdが必要ないTVホームスクール、よりアップグレードされたパッドプログラム、多様な図書など)、活用ができなくなってしまい、ちょうどこの前中古で売ってしまいました。」

本:そうなんですね。専業主婦さんはこの後も聞いていただくとわかるんですが、かなり熱心な方なので、DWEも使いこなせるスーパーママさんなのかな?と思ったんですが、そこは違ったんですよね。日本だと英語幼稚園だけでは足りなくて、DWEも使っているという方の話も聞くので、ママさんの英語幼稚園がしっかり英語教育をしているっていう前向きな感じにも捉えられる?というか、選択肢があったっていうことなのかなと思いました。

今の英語塾&幼稚園について

本:今の英語塾や幼稚園について詳しく教えてください、と質問しました。まずは目標レベルを教えていただけますか?

・ワーママさんからの回答
パ:ワーママさんの回答です。「今、上の子が3年生で、英語塾ではアメリカのG3後半のパート(3年生2学期目)を学習しております。うちの子は普通のクラスであるためそうですが、優秀な子の場合は、G4を学習しているようです。」とのことでした。

本:はい。専業主婦さんお願いします

・専業主婦さんからの回答

パ:専業主婦さんの回答です。「9歳の子は、公認された試験を受けたことはないのですが、現地と同等のレベルを維持することが目標です。5歳の子については、アメリカの教科書のGrade2を学習して卒業します。いわゆる韓国のBig3の英語塾への入学を想定しているので、公認されたテストより、英語塾の入学テストの結果を重視します。」

本:ね、ちょっと今びっくり発言があったんですけど、幼稚園を卒業するまでにアメリカのGrade2を学習するんですよね?

パ:そうみたいですね。専業主婦さんの回答ですが、「英語幼稚園の卒業後、入学テストを受ける、小学生向け英語塾がアメリカの教科書のGrade3を使用するので、英語幼稚園に在籍している6歳で、アメリカの教科書のGrade2を学習します。卒業後、小学生向け英語塾まで上手く連携させて、英語スキルを維持させることが目標なので、幼稚園のカリキュラム自体をレベルテストの準備に合わせるのがトレンドです。英語塾の入学テストは1次Reading, Listening, Writing、2次でInterviewとなっていて、4技能を全て含みます。なので、アメリカの教科書の進度よりは、サブの問題集の進度/SR testの点数で子どもの成果を決める様子です。」ということで、サブの問題集のリストも一応いただいております。

本:幼稚園児にGrade2の勉強をさせるのは結構大変なことだと思うので、「何か習得のコツみたいなものはあるんでしょうか?」と聞きました。

パ:回答です。「上の子が6歳の時、幼稚園のカリキュラムにWritingの比重が高くなるにつれ、鉛筆を長い間、握って書くことが大変でしたが、何より本を読むこと/英語の動画を観ることが大好きだったので、reading, speaking, listeningは自然によく学ぶことができました。(英語幼稚園でも期待以上によく子どもを引っ張ってくれたのもあるかと思います)
正直うちの子より上の子もたくさんいて、私がこういう風に話すのもちょっと恥ずかしくはありますが」

本:ありがとうございます。回答としては大変だったけど、英語が好きだから大丈夫だった、ってことですよね。レベルが違うのかなという気がします。続きどうぞ。

パ:「特別なコツがあるよりかは、英語幼稚園+多読(本、ReadingN、ラズキッズなどオンライン図書館も並行)+英語の動画に触れることを集中的にしていた時期に一番伸びたのではないかと思います。」

本:なるほど...。それで、ワーママさんも、現地学年と同等レベルという話でした。私の質問です。「ネイティブであればSpeakingの授業ってないと思うのですが、発表やディスカッションのレベル等が同レベルなのですか?」と聞きました。回答お願いします。

パ:「Reading ,Writing ,ListeningはG3後半パートまで教えますが、Speakingの場合はネイティブの先生が授業自体を英語で進めて、Speakingを自然に学ばせ、特定のテーマに対するPresentationを練習させる形で進められます。日常会話のような自然なSpeakingよりは発表に最適化されたSpeaking力が伸びるところで若干気になるところはあります。しかし、週に5時間程度、塾に通う立場としては、これはこれで良い触れ方だと思います。

韓国の英語塾は毎週宿題をして、テストを受け続け、その成績により、level upするかただstayが決まります。宿題とテストが多いので、子どもは勉強をせざるを得ない状況です。そのため、一般の小学校に通い、英語に触れる機会が減るとしても、ある程度英語のスキルは保つことができます。ただ、テストが多すぎるため、家で親が英語の宿題を結構手伝わなければならないのは正直あります。週に3〜4時間程度は、子どもの英語の宿題を手伝うために、親も勉強して、一緒に問題を解く必要があります。その過程で親の英語も伸びる気がします(笑)」

本:「外注して終わり」じゃなくて、親も宿題をサポートしなきゃいけなんですよね。しかも、フルタイムで3~4時間、しかも下の子もいるので結構きつそうです。

韓国語とのバランス

本:次は韓国語と英語のバランスについてです。事前アンケートで、ワーママさんのみ韓国語とのバランスを気にされている様子があったので、この方にだけ質問しました。質問は「韓国語とのバランスを重視されているようですが、何か困ったことなどあったのでしょうか?」です。お願いします。

  • ワーママさんからの回答

パ:はい。「上の子の場合、英語塾では多くの宿題があり、英語でのアクティビティが多かったため、英語はかなり早く伸びました。でも、韓国語の勉強を英語より1年以上遅く始めており、韓国語は家で親とする紙ベースの学習用ワークだけでした。特に最近、韓国では読解(comprehension、単語や文章に対し、その意味を正確に理解する力)を重要とするトレンドがあります。最近だと子どもが動画に触れることが大変多くなっていることもあり、長い文章等をじっくりと読めなくなっているからこそ、このようなトレンドが現れたのではないですかね。
少し話がそれましたが、上の子の場合、未だに韓国語の文章を読む時、単語一つ一つの意味がよく分かっておらず、そのような際に、それを英語で表現することもあります。韓国語で書かれた長文を読み、それをサマライズして、自分の考えで表現する力が読解力の向上では大事かと思っており、様々なタイプの本を読ませています。それで足りないのであれば、読解の塾に行かせざるを得なくなりそうです」とのことです。

本:韓国語の読解専門の塾があるんですよね…そして、読解とおっしゃっているけど、いわゆる語彙力を含めた読解、みたいな感じなのかも?しれないですね...。それで、続きの質問をさせてもらいました。「9歳のお姉さんは韓国語優位ですか?それと、韓国では英語優位はよくあることなんですか?」

パ:「はい、娘は韓国語優位です。
英語早期教育する子どもに発生する韓国語能力は主に2つあり、1)は子どもが韓国語の単語の意味をよくわからないようです。英単語は塾でテストも受けながら勉強しますが、韓国語の単語の意味はそのように勉強したことがほとんどないですからね、2)そのため、本を読んでも読みはできても意味がわからないことがあったりします。
英語優位は4歳から英語幼稚園に通わせる家庭で発生することではあります。これは特にうちが住む地域を含め私教育が活発な地域(カンナム、ソチョ、ソンパ、モットン)の子どもからよく発生します。」とのことでした。

本:はい。英語開始年齢の質問でも子どもが混乱しないように、という話があったので、そこは慎重にっていう感じなのかもしれないですね。

中学高校での、想定する英語教育

本:次行きます。想定する英語教育です。「今後中学高校と学年が進んでいく上で、どんな英語教育を想定していますか?(学校教育、塾、留学、その他なんでも)」と聞きました。お願いします。

・ワーママさんからの回答

パ:ワーママさんからの回答です。「留学に行かせることは考えておらず、韓国で良い大学を想定にしています。そのためにでも、英語塾には継続的に行かせるつもりです。英語の場合、語学でもあり、初期の教育が大事だとも考えているため、可能な限り、小学生では今の英語塾に行き続け、多様な英語の本を読ませながら、子どもの英語力を維持させたいです。その後、中高の時に大学受験に合う学習方法を探す必要がありそうです。」

本:そこで2回目の質問です。「そうなんですね!韓国の良い大学を想定していらっしゃるのはなぜですか?大学留学は選択肢に入らなかったのでしょうか?もしくは韓国国内の、海外の名門大学の分校を想定しているのですか?」お願いします。

パ:お答えです。「私の個人的な意見であり、ちょっと気をつけたい発言ではありますが、韓国人も留学は行きますが、日本の東京大学・早稲田大学のように、韓国の名門大学(大きく分けて、ソウル大学、ヨンセ大学、コリョ大学、Kaist、ポハン工科大学)または韓国にある医科大学に行かせるのが海外留学より、もっと経済的でもあり、効果的であるとの考えです。ただし、韓国の名門大学に行かせるには本当にとんでもない勉強量を耐えなければならないので、今の考えだと、小学4〜5年生くらいで、その判断をし、留学に行かせるとの結論に至れば、それに合った方法を探す必要がありそうです。国際中学校に行った瞬間から、もう韓国教育に戻ってこれなくなるんですからね。」

本:私もあまりよく知らないのですが、国際中学、国際高校っていうグローバル志向の学校があるんですよね。そこに行くと韓国教育に戻ってこれなくなるんですね。

パ:国際中学から一般の高校にはいけないという意味で言っていると思います。カリキュラムとシステムがかなり違うからであるとのことでしょうね。

本:そうなんですね。4〜5年生くらいで判断、って日本でも同じ考えの家庭は結構いると思うので同じですね。

・専業主婦さんからの回答

本:中学高校での、想定する英語教育について同じ質問を専業主婦さんにもしています。お願いします。

パ:「2人とも学校での成績/受験もケアすることが必要であるため、中学校までは今まで通り学ばせてから、中学校以降は韓国式の英語に焦点を合わせる必要があるように考えられます。」

本:そこで、また聞きました。「本人の意思が大きいこととは思いますが、中学高校での留学のタイミングや内容、期間についてはどのように考えていますか?」お願いします。

パ:「まだ特に考えておりませんが、大学もしくはそれ以降にご自身で希望している場合は行かせられるのではないかとは思います。」

本:また私の質問です。「大学は韓国の大学を受験すると想定していますか?それとも海外大でしょうか?」

パ:「今のところは韓国の大学を想定しておりますが、やはり私の留学経験がないこともあり、子どもにこれといったロードマップを引いてあげるには、韓国での教育が楽でもあるからですね。ただ、今後子どもの進路や関心により、検討する余地はあるかと思います!」

本:これを見ると、お2人とも留学はそこまで積極的に考えていないようですし、意外でした。

パ:これは僕が調べたことでもあるんですが、最近のトレンドとして留学は減少傾向にある。昔は異常だった。
2011年26万人と2017年24万 2018年22万 2020年19万 2022年12万までかなり落ち着いている様子ではありますね。

他教科とのバランス

本:最後のトピックになるんですが、他教科とのバランスです。これが私自身が本当に悩ましくて、ちょっと聞いてみたいなと思って、質問しました。

・ワーママさんからの回答

本:「英語学習は時間が必要ですが、英語以外の勉強にも時間と努力が必要です。バランスをどうとっていますか?もしくは例えば幼少期は英語重視、その後は教科の勉強重視など、伸ばすタイミングを考慮しているようであれば、それも教えてください。」です。お願いします。

パ:「上の子は4~6歳の時、英語の比重が80%であり、7~9歳の時には英語が50%, 数学が30%, その他(韓国語を含む)が20%です。ただし、10歳の時からは英語の比重を30%程度で保ちつつ、他の科目の比重を引き上げるつもりです。」

本:私の質問です。「なるほどですね。それはやはり受験などの勉強が大変で、英語は比較的年齢が低くても習得しやすいから、ということなのですか?」お願いします。

パ:まさにそうです!英語は先取りしてマスターさせておこうっていう考え方がカンナム・ソチョ地域(教育に熱心な地域)では暗黙的な考え方です。」

本:私の質問です。「数学を重要視されているのはなぜですか?」お願いします。

パ:「これは韓国が持つ教育の特殊性からそうなります。日本もおそらくそうでしょうが、韓国も5年生の時から数学が一気にすごく難しくなり、中高はそれよりさらに難しくなりますね。なので、先取りしないと後からついていけなくなってしまうからなのです。」

本:そうなんですね。専業主婦さんのお答えに行きます。お願いします。

・専業主婦さんからの回答

パ:周りを見ると、英語より数学に集中していて、幼児期に英語に最大限に露出/学習させてから、小学校以降は維持及び徐々に伸ばすことを目標にしている様子です。ただ、個人的には小学校低学年までは英語/芸能/体育/国語にもっと比重を置きたいです。」

本:「比重を置きたいのはなぜですか?」と聞きました。お願いします。

パ:「上の子を育てていた時は私なりの教育に対する哲学がありつつも、時々周りの雰囲気に流されることもありました。それを経てから言える話でもありますが、周りの話が正しいこともありましたが、子どもの学習の進度や心について一番理解しているのは親だと思います。
個人的な考えですが、言語でも数学でも、子どもが内容を消化できるタイミングがそれぞれあると思いますし、相当早い進度で先取りすることはできるものの、結局時間が経ってみると大した差がないので、現在は子どもの興味関心に合わせて、科目ごとの比重を合わせられるように努力中です。」

本:おっしゃることはすごくわかりますね...。でも、韓国のトップ層の方でも同じなんだ、と意外でした。続きをお願いします。

パ:「今はまだ子どでもあるので、本人が必ずやるべきごとが増える前、特に中高での時間、受験の準備等に好きなことをできるだけ楽しめる時期だと考えており、英語及び数学を学ぶ時間以外では、運動(乗馬と水泳週1回)、ピアノ(週2回)、中国語(週1回)、動物とのアクティビティ(月1回)、読書などで子どもは時間を過ごしています。」

本:英語と数学もしていて、そのほかにもこれだけ習い事があるなんて多いですよね?!パクさん、どう思いますか?

パ:たしかに多いですね。僕もピアノとテコンドは毎週何回か通っていまして、周りのそうしている人多かったので、ぱっと見は多いとも思いますけど、ぶっちゃけそういうもんかともなりますね。

本:そうなんですね!びっくりします!
それで数学の話が出てくると聞かずにはいられないタイプなので聞いてみました。これが今日のスペースの最後の質問です!「算数・数学はどんなことを身につけるのですか?計算力や図形、思考系でしょうか?大学受験を想定して、低学年から先取りをするのですか?」お願いします。

パ:数学の塾は主に演算、教科の先取り学習と深化学習、図形を含む思考力で別れますが、普通ですと、

  1. 幼児/低学年の際には演算塾、思考力の塾になり、

  2. 低学年/高学年の際には教科の先行学習/深化学習、思考力の塾

に通うことが多いようです。
最近は大学/特殊目的高校、理系が好まれる社会的なトレンドにより、
低学年から、英語より数学に集中する家庭が多くなっているようです。

数学ですと、大学受験は膨大な量で、難易度も高くなったため、中高から始めると物理的に全ての量をカバーできなくなるので、先取りである程度、学習させる方が良いとの考えがあるからそうさせている家庭が多いようです。
現在、うちの子ですと、6歳後半〜小2まで思考力・数学塾に通いつつ、教科と演算に関しては通常より2年程度早い進度を進めており、小3の今は小学校の教科先取りと深化塾に通っており、通常より3〜4年先取りした教科と演算の進度を進めております。小3の今、周りの早い子たちは小学校教科と深化に加え、中学校教科塾及び思考力塾/特別こうぎなどを追加で並行(週4回以上)している中、うちの子は現在小学校教科と深化塾(週2回)だけに留まっておりますが、今後高学年になってからは数学への比重を増やしていきたいと思います。

本:周りの流れとしては英語より数学なんですよね。それがびっくりです。英語って遊びでも触れていればゆっくりでも伸びると思うんですけど、数学って子どもの脳の発達とか、数学の分野で早熟かどうかによって適切なタイミングが変わってくるものだと思いますし、ゴリゴリ勉強しなくてはいけないと思うので、大変ですね。ワーママさんも先取りはするっておっしゃっていましたし、そういう流れなんですね。

今日の回答はここまでになります。

本:なんかおもったんですけど、お2人は似ていますが、結構違うところもありますよね?韓国の都会の、トップ層の英語教育をされているっていう点では同じなんですが、回答を読んでいて、ワーママさんのほうはなんかちょっと余裕がある感じで、専業主婦さんはかなり熱心に英語もして他も先取りしている、そして苦労されている感じが見て取れました。私は訳されたものしか見ていないので、パクさんのほうがもっと背景的なところとか見えていると思うんですが、どう思いますか?

パ:そうですね、ワーママさんはフルタイムの弁護士さんで結構忙しい方で韓国内で大学まで出ましたが、英語も結構できると聞いており、やっぱりその時代で早期教育がなかった時期で、自分からの成功事例があるとのこともあり、多少余裕はあるようではありますね。

本:んー、なるほど。あとこの方もしかしたら、子どものときに親から勉強も英語も押し付けられなかったけど、勉強が出来たタイプだったのかもと思いました。自然にできちゃった、みたいな。ただ、親は入念に環境づくりはしていたかもしれないんですが。専業主婦さんはどうですか?

パ:専業主婦さんは周りからの情報を取り入れるなど色々と試行錯誤もしつつ、進めているイメージでした。ただそれでも、娘さんは韓国のBIG3の英語塾に全部合格したそうで、これって結構すごいことらしく、周りからコツをよく求められたりするそうです。なので、試行錯誤を重なりつつも、良い結果になっているとのことで、すごいですね。

本:Big3の英語塾を6歳か7歳で受けたんですよね。全部合格するっていうことがやっぱりすごいことなんですか?

パ:はい、入学自体が大変で、1次で筆記、2次でインタビューなんですが、特にインタビューではある程度流暢に自分の意見を話せるレベルが望まれるらしいので、すごいことでもあります。今、韓国のNaverで例えばPEAI合格コツって入れても色々出てくるのです。

本:へ~、なるほど。そうですよね、6歳でG2レベルを学習できるし、この話のなかでは出てこなかったんですが、英語塾に入塾するためのテスト対策でG3~G4レベルの問題集を使うんですよね...。

パ:そうですね。

本:あと、たぶん次回のスペースで出てくるんですが、この方「うちの娘、語学の才能があるんです」っておっしゃっているんです。あと、中国語もしていて、この娘さん、英検でいう2級(YCT3級)を持ってるって言ってて、ひー!となりました。

パ:本当ですよね!

本:でも、この子は才能もあるけど、好きなんですよね。それで完全に多読路線なんですよ。その辺りの話も次回スペースで取り上げます。

あと、今回ちょっと思ったんですが、専業主婦さんの娘さんが通っているBig3の英語塾ピーアイって授業が英語100%なんですよ。だから、韓国の英語塾が日本向けにオンライン授業してくれたらいいなってすごく思いました!日本はここ5年くらいだと思うんですが、英語のプリスクールや英語幼稚園が増えていて、通っている子も増えてきていると思います。でも、小学校は日本語の普通の小学校にいく子が多いので、向上は難しい、維持も難しいとか聞くので。もちろんおうち英語の子も対象になると思います。専業主婦さんの娘さんのように、すごく出来るし、本人も好きだし、勉強も好きっていう子もいると思うので、ぜひ日本進出をお願いしたいです笑!うちが入れるかは全くの別問題ですが、ホントに、一おうち英語家庭として、外注先の選択肢はあればあるほど良いなと思います!






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