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喫茶店での読書がなんだかんだいちばん捗る。


優しい日差しの差し込む晴れの日の午後、私は都内の喫茶店にいた。上野にある「ギャラン」というお店である。SNSで目にしたことはあったが、未開拓の地であり、以前から気になっていたため足を運ぶことにした。

私はこの日、とある用事で上野のお隣にある秋葉原へ降り立った。新しいフィルムカメラを購入するためである。動作確認をし、無事に完動品を入手したところで、せっかくだから、とギャランへと向かったのである。

可愛らしい看板

おひとり様の喫茶店で、読書をしながら珈琲を嗜むことに憧れがあった。憧れといったところだが、もしかしたら過去にももう行っていたのかもしれない。しかし残念なことに生憎記憶にない。時々SNSや動画サイトを覗くと、私と同年代の女性がこのように過ごしている瞬間を何度か目撃したことがある。そのせいなのか、なんとなく羨望するようになったのだ。

窓際の席に着いて、読みかけの小説を鞄から取り出す。この日持ち込んだ小説は尾形真理子さんの『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。』だ。小説のタイトルは有名で私も耳にしたことはあったが、実際に読んだことはなかったので手に取ってみたのだ。
ページを捲り、珈琲を啜る。これを10回ほど繰り返した時、私は驚愕した。小説の中に、現在いる喫茶店と思しき場所が登場したからである。しかも登場人物の1人が「窓際の席でコーヒーを飲んでいた」のである。何たる偶然だ。たまたまその地点まで読み進めていなかったことや、足を運んだ喫茶店など、様々な選択が絡み合ったのである。私は時々読書をすることはあったが、こんな偶然には人生で初めて出くわした。

例のシーン。3行目、11行目にご注目。

そんなこんなで本を読み進め、気づけば入店してから1時間近くが経過していた。あまりの居心地の良さに、1時間が泡のように感じた。陽当たりの良い窓際の席で、読書をしながら、珈琲を飲む。喫茶店でのひとつの楽しみ方を、あたらしく見つけてしまったような気がする。友達と喋るために入るのも良いが、ひとりで利用するのもやはり楽しい。時間を気にせずにいつまでも過ごせるなら、この過ごし方は最高だとそう思える。
読書の習慣は大人になってから段々薄れていってしまった。だが、この方法ならすぐにでも取り戻せるだろう。
というわけで私は、読んだことの無い本と出会いに、本屋へ行きたい。ごく普通の本屋でもいいが、古本屋にも行ってみたい。いちばん有名どころだとBOOK・OFFがあるが、個人経営のちいさな本屋さんというのもまた面白そうだ。調べたら神保町にはたくさん古書店があるそう。少し気になるところだ。
私は、本屋に細々と並べられた書籍を手に取り、あらすじに目を通す作業が好きだ。自分の中でビビっと直感が働いたものを手に取り、それを読んでみる。そういった流れを基準として本を選んでいる。もし今後書店へ行くとしたら、その方法でお気に入りの一冊を見つけたい。

それから、喫茶店やカフェにはひとりで向かうこともそう少なくはないので、あたらしい店も開拓したいところである。また、訪れたことのあるところにも再び足を運んでみたい。そしてその場所で、本を広げてみようかと思う。


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