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天声人語「クリスマスの祝い方」を読んで思ったこと。

オンライン講義が増え、手書きする機会が減りました。メモも、スマホやパソコンでとることが増えていきました。

すると、漢字が書けなくなるし、紙にメモを取ることや手書きがどんどん下手に。

危機感を覚えた私は、今年の夏頃から
天声人語の書き写しをしています。

(何かよくわかんないけど、自宅のパソコンを大学のネットワークと連動させると、朝日新聞の記事データベースが見れるんですよね)

天声人語は600字程度のなかにしっかり起承転結があるし、端的でわかりやすい文章。皮肉がきいてたり「オオ!」となるものがあって地味に好きです。

今日の天声人語のタイトルは
「クリスマスの祝い方」🎄
なかなか面白かったので
シェアしたいと思います。

大学時代の記憶では、クリスマスはつらい日だった。恋人と過ごさねばならないという空気があまりに強かったからだ。相手のいない者同士で集まり、アパートで焼酎を飲んでいた。

最初の一文なんですけど、ここ上手いなぁって。
クスッとなるし、記者の方に対して
親近感が湧いて、もっと読み進めよう!って気持ちにさせてくれます。

この振りの後に

とはいえこの日と恋愛を結びつけるのは、日本独特の習慣にすぎない。

って返すんですよね。うん、上手い。

そこから、タラ・ムーア著『図説 クリスマス全史』に載っているアフリカのガーナと、英国でのクリスマスの祝い方について紹介してくれます。

アフリカのガーナでは、キリストの生誕にちなんで、助産師をたたえている。毎年、12月25日に生まれた子どもの人数、そして出産にたずさわった助産師の名前が報道されるという。想像するだけで温かい気分になる
英国で19世紀に生まれたのが、本をプレゼントする習慣だ。出版社はクリスマス前に特別な本を出すことに力を入れ、作家や挿絵画家、植字工の仕事の進め方を変えてしまったという。ルイス・キャロルも『鏡の国のアリス』の執筆をせかされた。
地域により形を変え、商業主義だと批判されながらも続いてきたクリスマスである。その柔軟さを思えば、日本流を恥じることも、日本流に縛られることもない。お気に入りの映画や音楽に浸る日にするのもよし。ひとりで好きなお酒を飲むのもよし。

あーここ凄い好き。
リア充がどうとか、恋人がどうとかそんなの関係ないんですよね。

なんだか心がスッと軽くなる。

クリスマス商戦のなか、ゲーム機が品薄になっていると先日の記事にあった。世界的な半導体不足が原因で、子や孫に贈るのもままならないようだ。ここは19世紀英国にならい、ゲームのように楽しい本を選ぶのも手であろう。

そして最後に、半導体不足の話になる。
多分ですけど、これを言いたいがための
振りとしての「大学時代の苦い思い出」と「クリスマスの紹介」なんだと思います。

文章の構成がうまくて、すごい。

天声人語の、初めに提示した雑談というか、あっさりした話を最後に時事的出来事で回収する感じが好きです。

「あっ!つながった」
この感覚が良い。

しかも600字という制限があるので
無駄を省き、磨き上げられたスマートさがある。

話が少しそれますが、出版プロジェクトで原稿を先生方に手直しして頂いた際、

文章を書く時は「漫才」を意識しろ
と言ってました。

「問いかけや疑問点(フリ)
それに対する回答(ツッコミ)を意識しろ。
回収できないことは書かない。
それか、一緒に考えよう」って。

とにかくカッコイイこと書こうとして、
フリっぱなしになることはないように
と口酸っぱく言われた記憶があります(笑)

そんなことがあったからこそ思うんですけど
天声人語ってすごいフリと回収が
上手いですよね。

特に今日の内容は私のなかでお気に入りベスト3に入る文章構成の良さでした。

いつか、こんな文章書けるようになりたいですね。

ちなみに私のクリスマスの過ごし方は
朝に納豆ご飯を食べ、芸人さんのラジオを聞きながら天声人語を書き写し、卒論執筆をして、

お昼にミートスパゲッティと揚げパンを食べて、
さんまの向上委員会を見て
参考文献よんで、卒論執筆して、

noteを書いて、今に至ります。

この後はお風呂に入り、
家族でチキンとピザを食べます。

皆様はどう過ごしているでしょうか?

日本流を恥じることも、
日本流に縛られることもない
ので、

皆様なりに楽しく穏やかに
クリスマスを過ごされてくださいね!




それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました✨






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