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社会人が算数と数学をやり直すためのオススメ書籍ベスト32冊

今回は、大人になってから算数と数学をやり直そうと思ったときに読むべきオススメ書籍を大量に紹介していこうと思います。

以下では、小学生から社会人までの数学を難易度順に紹介していきます。




1.算数・数学をやり直す目的

読者の皆さんの年齢や職業はバラバラだと思いますので一概には言えませんが、それでも多くの社会人が算数及び数学の必要性を感じていると思います。
センスが良い人、感が鋭い人ほど数学力の必要性を感じているはずです。

日頃の職務の中で、生活の中で、他人との会話の中で、自分の数学力の低さと、勉強やり直しの必要性を痛感するでしょう。

だからこそ、大人になってから算数・数学をやり直そうとしている人が多いわけですが、社会人として必要となる数学力は、国立大学等に合格するための数学力とは全く異なりますよね。
少なくとも、数学ⅡBやⅢCなどの高度な数学なんてほとんど使いません。

そこで考えてみると、我々社会人が必要とする数学力は、以下の3つに大別できるのではないかと思われます。

(1)単純な計算能力
(2)数学的思考力
(3)純粋な数学知識(統計学等を含む)

上記のうち(3)については、よほど専門性の高い職務に就いている人以外は不要です。
やはり重要なのは(1)と(2)でしょう。

この2つについては、日頃の生活でも必須です。
計算が遅くて困ったこと、数学的思考力が足りずに困ったこと、誰しもあるはずです。

そもそも日本は文系出身者が圧倒的多数ですから、数字に弱い人が多いのです。
私もサラリーマンになりたての頃は、自分のバカさ加減に恐怖したものです。
お釣りの計算すらまともにできなかったので、同僚や先輩たちに多大なる迷惑をかけてしまいました。

その後、小学校1年生の勉強からやり直して、少しずつ学力を身に着けていったのですが、その過程で多くのサラリーマンが能力不足のまま中高年になっている現実を知りました。
これはある意味怖い話で、ろくに計算もできない人や論理的に物事を考えられないような人が管理職をやっているのです。
控えめに言ってかなり危ない状況ですよね。
少なくとも、自分がそういう管理職になってはいけないなと強く思って、算数・数学のやり直しの必要性をより強く感じました。


また、数学をやり直す理由は他にもあります。

私の場合、勉強を続けて行くにつれて、徐々に年収が上がって行ったのですが、自分の年収が上がっていくと、周りの同僚たちの平均的な年収も上がっていきます。
これは、転職によって同僚の年収レベルが一気に上がったことによるものです。

その結果気づいてしまったのです。
年収1,000万円を超えているプロの人たちの多くが、かなり高いレベルで数学を修めていることに……

というか、1,000万円を常時超えているような人たちというのは、大抵高学歴なんですよね。
東京一工、旧帝大、早慶、理科大の卒業生がゴロゴロいます。
MARCHだとかなり馬鹿にされるくらいの集団です。
皆さん当然のように修士号を持っていて、基本的な数学だけでなく、それぞれが何らかの専門分野を持っています。

そして、日常会話の中でも当たり前のように高度な暗算をしつつ喋りますし、言葉の端々に数的根拠が出てきます。
その上で会計にも詳しく、BS(貸借対照表)やPL(損益計算書)について高度な議論を展開してきます。
これらの会話をかなり高速(早口)で喋ってくるので、数字に弱いままだと、彼らが何を言っているのかもわからなくなります。

だから、先々そういうプロの世界で生きていこうと思うのであれば、算数・数学をやり直すべきです。
少なくとも彼らの会話の内容が理解できる程度の数学力を身に着けていないといけません。

今日は、そのことに気づいてしまった優秀な皆様のために、算数と数学の書籍を紹介していきます!

なお、大抵の大人はすでに数学力の大半を失ってしまっている状態だと思うので、小学校レベルからやり直すことを強くオススメします。
小学校で習う算数は、すべての数学の基礎になるものなので、一度ガッツリやり直しておいた方が、最終的には近道になります。


2.小学校レベル

それではまず小学校レベルの算数からやり直していきましょう!
小学校レベルで最も重要な能力は、計算能力です。

ここでどれだけ基礎を積み重ねられるかが、その後の得手不得手を分けます。
小学校レベルで十分な修練を積んでおかないと、後々困ることになるので、ここは最低限の量をこなしておきましょう。


【計算能力編】

(1)マスター1095題 1年

(2)マスター1095題 2年

(3)マスター1095題 3年

(4)マスター1095題 行計算問題集 4年

(5)マスター1095題 行計算問題集 5年

(6)マスター1095題 行計算問題集 6年


マスター1095題シリーズは、私が絶大な信頼を置いている問題集です。
大人が計算能力を高めるのに最適な書籍で、かつ、1冊単価が安い(1冊約750円)です。
そのため、この6冊は必須書籍だと思っています。

上記6冊をこなしておけば、最低でも6,500問以上の問題を解くことになりますから、計算能力(暗算力ともいえる)が一気に底上げされます。
小学校レベルのやり直しでは、その暗算力が最も重要な能力であり、かつ、小学校レベルをやり直す過程で必ず身につけておかないといけない能力です。

それに、1年生からやり直すことで「確実にできる」と思える範囲からはじめられますので、精神衛生上も良い書籍となっております。
「できる」を楽しみながら計算に明け暮れてください。


【数学的思考力編】

上記の計算問題集だけやっていれば、とりあえず社会人としては十分です。
しかし、上記の計算問題をこなしていく過程で、算数の楽しさに目覚めちゃう人が一定数いるはずです。

算数は不思議な魅力に溢れておりまして、どハマリしてしまうと抜け出せないくらい楽しい世界です。
だからこそ、そういう変態たち向けの書籍も紹介しておこうと思います。


(1)中学入試 でる順過去問 算数文章題 合格への368問

(2)中学入試 でる順過去問 図形 合格への307問

(3)中学入試でる順ポケでる算数 文章題・図形早ワザ解法テクニック


上記3冊は、中学入試でよく出題される文章問題・図形問題をこなすための問題集及びテクニック本です。
これを楽しんで解けるようになったらもう変態の入口に入っていますので、歓迎します。

一般的な社会人ではここまでやり込む必要はないのですが、できたら本当に凄いですし、数学的思考力がバク上がりします。
そして、その努力の報酬として、ビジネスでも「あの人賢いね」と言われやすくなるので、もし余裕があればこなしておきましょう。

一方で、上記3冊が苦痛で仕方ないという人は、もう中学レベルに進んでもらって構いません。
おそらく数字に強くなるのが難しいタイプです。
小学校レベルの算数がある意味分岐点だと思うので、ここで適性を見極めて、基礎だけで終わるか、最後まで仕上げるかを決めるべきだと思っています。


【小学校レベルの最高峰】

ここからはある程度数学力を持っている大人でも解けないと思われるレベルです。
だからこそ、一度は挑戦しておいて欲しい問題集です。
日本の小学生の最高峰がどういうレベルの問題を解いているのかを知っておきましょう。
なお、このレベルの問題集を楽しんで解けるような人たちは、算数の問題を自力で解けた瞬間の「脳汁ブシャー」を何度も経験することになるので、もうダメです。戻ってこられなくなります。


(1)筑波大学附属駒場中学合格への100題

(2)開成中合格への110題

(3)灘中の算数20年

(4)灘中・開成中・筑駒中 受験生が必ず解いておくべき算数101問


皆さん御存知の通り、日本の最高峰中学である、灘・開成・筑駒の3校の問題集です。
これを解ける社会人はほとんどおりませんし、灘や開成を出ている人たちでも「あれ?俺こんな難しい問題を小学生の頃に解けてたっけ?当時の俺は天才だったんだな」と言うくらい難しい問題ばかりです。

だからこそ、解けたときの快感は凄まじいものがあります。
ただ、変態のための問題集なので、本当に算数にハマってしまった人向けです。
一般人が解くと精神がやられる可能性があるので、オススメはしません。

なお、我が子に難関中学の受験をさせようと思っている人は、子どもに対する礼儀として、一通り解いておきましょう。



3.中学校レベル

中学校レベルからは「算数」から「数学」という名称に変わります。
その分難易度も上がりますが、数学的思考力という意味では中学レベルが最重要レベルで、必ずマスターしておかないといけません。

私の経験上、中学レベルの数学を完璧にしておけば、司法試験にも対応できるだけの論理性が身につくと思っています。
それほど素晴らしい基礎がギュッと詰まっています。


【基礎編】

(1)チャート式 中学数学 1年 準拠ドリル

(2)チャート式 中学数学 2年 準拠ドリル

(3)チャート式 中学数学 3年 準拠ドリル


社会人として押さえておかないといけないレベルはこの3冊で十分だと思います。
大抵の社会人は、中学の数学くらいは何となくわかると思うので、上記3冊で若かりし頃を思い出しながら解き進めていくことができるはずです。

もし、上記のドリルが難しくて解けないという場合は、一旦入門書などを読んで全体像を把握するか、チャート式の以下の参考書を使って基礎からやり直すと良いかもしれません。
上記3冊(ドリル)に対応した参考書なので、ドリルとセットで勉強しやすいでしょう。




【数学的思考力編】

上記の基礎編書籍をこなしていれば、それで一般的な社会人としては十分なレベルなのですが、より高みを目指したいという方もいらっしゃると思います。
そういう方には以下の書籍をオススメ致します。
以下の書籍をスラスラと解けるようなレベルに至れば、数学的思考力も十分に身に着けたと言って良いレベルです。


(1)中学総合的研究問題集 数学

上記のチャート式ドリル3冊が簡単すぎる人や、すでに中学の数学をある程度理解している人は、チャート式ドリルを飛ばして、この1冊だけを潰すという方法でも良いと思います。
なかなか難しい問題も掲載されているので、大人が解いて楽しめるレベルの書籍です。
この書籍に掲載されている難易度の高い問題を難なくこなせる人は、相当な数学的思考力がすでにある人だと思っていいと思います。


(2)数学 難関徹底攻略700選

中学レベルの数学なんて余裕だ最初からハイレベルの問題を解きたいという方にはこの問題集で良いかと思います。
難問だけが凝縮されているので脳汁出し放題書籍となっております。
どうぞお楽しみください。



【数学大好き芸人向け】

では最後に、中学レベルの最高峰の書籍と、思考力を鍛え上げる系の書籍をご紹介しておきます。
数学大好きという人は読んでおきましょう。


(1)数学の難問80選

最難関高校の入試問題を集めた問題集です。
極めたい人はどうぞ。


(2)数学 思考力―規則性とデータの分析と活用

こちらは思考力に特化した書籍で、難易度が高いというよりは、未知の問題にどう対処するか、どうやって規則性を見つけ出すかという話が書かれています。
大人が読んでも「なるほどね」と思う内容で、かつ、ビジネスの場でよく使う思考法だと思います。
先々データ分析等の業務に就きたいと思っている方(少数派でしょうが)にとっては基礎的な内容なので、読んでおくべきです。


(3)深掘り!中学数学: 教科書に書かれていない数学の話

こちらも思考力を鍛える系の書籍で、中学レベルの数学における「なんで?」を深堀りして考えてみようという書籍です。
大人が読んだほうが楽しめる気がします。



4.高校レベル

高校レベルの数学は、数学IA~ⅢCまでありますが、世の中の職種の大半が数学ⅡB以上の数学を使いません。
仮に使うようになってしまったら、日本のサラリーマンの8割以上が絶滅することになるでしょう。

そして、社会人になって数学ⅡB以上をやり直したところでさほど効果もないと思うので、ここは思い切って数IAだけに絞ってご紹介しようと思います。


(1)やさしい高校数学(数学I・A)

こちらの書籍は、数学IAを何も覚えていないやったけど全くできなかったという方向けの入門書籍です。
イラストも多く用いられているのでとても読みやすい書籍となっております。


(2)新課程 チャート式基礎と演習数学Ⅰ+A

入門編の書籍を楽しく読了した後は、大量の問題で徹底的に基礎を鍛え上げましょう。
その時に最適な書籍がこの白チャートです。

皆さんご存知あの「チャート式」の基礎編書籍です。
非常にわかりやすい解説と豊富な問題量で数学IAの基礎を盤石にしてくれます。
私が高校生の頃から定番の書籍なので、信頼感抜群です。


(3)新課程 チャート式基礎からの数学I+A

数学IAをある程度覚えていて、高校時代の偏差値も60台後半だったという人は、白チャートではなく、青チャートを使いましょう。

私が高校に入りたての頃もこの青チャートを使っていて、電車の中で毎日解いていました。
とても懐かしい書籍です。
この青チャートを完璧にこなしていれば、偏差値的には65~70程度にはなるはずなので、基本的にはこれだけで十分です。
むしろ社会人としては十分すぎるくらいです。


(4)新課程 チャート式 数学I+A

青チャートでは物足りない、自分は旧帝大に合格するレベルまで仕上げるんじゃ!という人は、赤チャートを使いましょう。
正直受験生の中でも赤チャートを使う人は極めて少数(解ける人が少ない)なので、社会人がこのレベルの問題を解く必要性は低いのですが、数学を愛して止まないという方は読んでおきましょう。

なお、解説は必要最低限となっております。
細かいところなんか書かなくてもすでにわかっている子たち用の問題集なので、その覚悟を持って読みましょう。



5.社会人レベル

上記の数学IAまで終わらせられた人は、まず自分を褒めましょう。
勉強をやり直そうと思う人は毎年何十万人もいますが、実際にやり始める人は極めて少数です。
その中で、小中高の階段を登って、数学IAまでしっかり終わらせられる人なんて、100人に1人もいないでしょう。
だからこそ、終わらせられた人は素晴らしい努力家です。

そして、数学IAまで完璧に仕上げておけば、社会人としては上位2割程度には入っていると思われますので、それで十分だろうと思います。

そこからさらに、ビジネスで数学を活用したいという方は、以下の書籍をこなしておきましょう。


(1)ビジネス数学検定2級

(2)ビジネス数学検定-公式テキスト

※この書籍についてはすでに絶版となっているので中古で買うしかありません。

(3)ビジネスで使いこなす「定量・定性分析」大全

(4)ビジネスで使える数学の基本が1冊でざっくりわかる本

(5)最新エクセルのデータ分析がみるみるわかる本

(6)ふたたびの確率・統計[1]確率編

(7)ふたたびの確率・統計[2]統計編


上記7冊をマスターしておけば、ビジネス数学検定1級に合格できる水準まで仕上げることができます。


私もビジネス数学検定1級を保有しておりますが、ビジネスで活用する数学的作業を高速でこなすという意味でとても有益な検定試験だったなと思っています。
一般的な社会人であれば、ビジネス数学検定1級まで取っておけば十分だと思いますし、困ることもほとんど無くなるでしょう。

より高度な内容をやりたいとか、会計を学びたいという場合は、大学院で数学や工学を専攻したり、会計学の書籍を読む必要が出てきます。
なお、会計学については、また別の記事でまとめようと思っています。

ひとまず数学については、上記の書籍で十分です。
それでも約30冊あるので、すべて終わらせるのに1年以上かかると思います。

ただ、上記のすべての書籍を成し遂げた後の数学力は、勉強をやり直し始めた頃とは比べ物にならないくらい成長していると思うので、ぜひすべての書籍を読破して、数学に強い社会人になってください。
応援しております。

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