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フィルムの粒子感

Leica MP Summicron 50m / kodak gold 400

今回はx100fではなく、フィルムライカの写真を考えてみる。

過去のHDを探っているとこの写真に目が止まった。
近頃はx100fのみで撮影しているので、そのザラザラが気になったのだと思う。

ライカMPにコダックゴールド400を詰めて撮影したものを、エプソンの970だったか、スキャナーで取り込んだものだ。
光があまりない場所だったのか、粒子がいつもよりも荒れている。

デジタルにないもの、それは粒子だ。ピクセルノイズは乗ってくるものの、それは明らかにフィルムのそれとは異なる。
近頃は写真ブームと相まって、フィルム回帰の流れが強まり、写真家の奥山由之君や、小浪次郎君、山谷祐介君を筆頭に、フィルムで撮影する若手写真家の活躍が目立つ。

ネガ特有のガーリーで柔らかい表現から、上記写真家のような粗めの粒子でコントラストな強い表現まで、フィルムにできることは幅広い。

しかしデジタルと何が違うのだろう。
粒子や、フレームの物質性が、ノスタルジーを助長させるのは確かなようだ。
絵によっては、それが見る人の心を打つことになっているのだろう。

しかし、人は飽きる生き物だ。
フィルムが流行れば、デジタルのクリーンな絵が新鮮に見えて、デジタルのクリーンさに飽きれば、フィルムの粒子感が新しく見える。そしてまたその粒子感に飽きると。。。

繰り返し続いていく問題なのかもしれない。
その考察の果てには、写真というものはフィルムかデジタルかという二項対立では判断できないという結論が来る。

自分のスタイルや、写真に、使うメディアがうまくマッチした時、良いものができるのは確かなようだ。それを探すことをやめてはならない。

私の場合は、フィルムをやるのであれば、フィルムスキャンではなく、タイプCできちんとプリントしなければ、その効果を最大化することはできないという思いに至った。それが現時点での結論だ。

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