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地球と書いて「ほし」と読ませる

 とある字を書いて、本来とは違った読み方を与える手法がある。これを当て字もしくは借字と呼ぶが、私はこの言葉遊びが大好きである。「おお、かっこいい!」と思うものがあれば、「何だよそれ」と思わず笑ってしまうパターンもある。予想を裏切られる意外性に、グッと惹かれるのだ。

 この記事のタイトルは、そんな当て字の中でも有名だと思われるものを引用した。桑田佳祐&Mr.Childrenの曲『奇跡の地球』である。この曲は見ての通り、地球と書いて「ほし」と読む。桑田氏の頭の中は一体どうなっているのだろうか。とても素敵な読み方だと思う。私は改めて歌詞を見てみることにした。するとこの曲の歌詞には、当て字が5つもあった。

時代(とき)
運命(さだめ)
人々(ひと)
空間(そら)
生命(いのち)

 こうして文字を並べたときに私は、「もしかして桑田さんって当て字が好きなんじゃないだろうか…」と思った。そこでサザンオールスターズと桑田氏ソロの楽曲を調べ、当て字を探してみることにした。その結果、面白い当て字がいくつもあった。せっかくなのでクイズ形式で紹介する。

Q.

第1問 淫獣 
第2問 巨大都市 
第3問 大義名分
第4問 東京
第5問 芸能界


********************************



A. 

第1問 けだもの       『エロティカ・セブン』
第2問 デッかいまち     『闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて』
第3問 かいしゃく      『ピースとハイライト』
第4問 OEDO        『愛と欲望の日々』
第5問 ショービジネス    『壮年JUMP』


 なお、今回の調査においては、桑田氏作の歌詞を100ほどチェックした。その結果、「あ、これよく出て来るな」という当て字がいくつかあった。ついでなので、上位5位(※私調べ)を発表したいと思う。おそらく、「確かにこれサザンの歌詞で見たことある!」というものが入っているのではないだろうか。

第1位  女性(ひと)
第2位  永遠(とわ)
第3位  肉体(からだ)
第4位     季節(とき)
第5位        現在(いま)

 さらに発見したことがある。もちろん例外はあるが、桑田氏は、当て字を使う曲と、使わない曲を分けて作詞しているように思えた。それこそ冒頭の『奇跡の地球』なんかは、そもそも曲名に当て字が使用されているし、歌詞の中にも前述の通り5つの当て字が存在する。何を基準にしているのかは理解する術もないが、子供の頃から聴いてきた桑田氏に対して、新しい発見があって何だか嬉しかった。あの名曲たちをまた聴いてみようと思った。

その他の歌手はどうか

 桑田氏に限らず、当て字を使用する歌手は少なくない。そこで私は、引き続き調査をしてみることにした。一体世の中の曲には、どんな当て字が使われているのだろう。面白いものはないか。グッとくるものはないか。笑っちゃうものはないか――。統計を取ったとはおよそ言えないサンプル数だが、日本の楽曲の歌詞のうち、私個人の目に留まったものをいくつか紹介したいと思う。おそらく皆さんが知っているあの曲も、入っているはずだ。

僕(ココ)         『愛唄』GReeeeN

洗脳(わな)        『キラーチューン』東京事変

整理した(かたづけた)   『あなただけ見つめてる』大黒摩季

ジェットした(メットした) 『風切って行こう!』DREAMS COME TRUE

心友(ともだち)      『みんなひとり』竹内まりや

 こうして色々な歌詞の当て字を調査すると、私もやってみたくなった。面白いかどうかは別として、「こうやって当て字するのもアリなんじゃない?」と思った例をいくつか記してみる。もしお好みのものがあれば、日常会話において、「脳内では当て字を使っているのに口では正しい言葉を発する」というやり方で引用してみて欲しい。

ユニットバス(敷金礼金なし)

木曜夜のお誘いLINE(明日にしてよ)

無意味(パスワードは後送)

気まずい(知らない親戚の法事)

有象無象(マッチングアプリ)

 外国語にも当て字はあるのだろうか。気になります。

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