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レクサプロ®(エスシタロプラムシュウ酸塩)の割線入り錠剤に関する登録意匠と後発医薬品の錠剤の形状

錠剤のデザインといったらどのようなものを思い浮かべますか。

この記事では、エスシタロプラムシュウ酸塩を有効成分とするレクサプロ®錠(先発品)の形状デザイン(割線入り錠剤)を保護する持田製薬の意匠権の内容と、レクサプロ®錠の後発品の形状デザインを確認していきます。

各社、どのような錠剤の形状デザインを採用しているのでしょうか。


1.はじめに

持田製薬は、ルンドベック社が創製した選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)である「レクサプロ®錠10mg」および「レクサプロ®錠20mg」(一般名:エスシタロプラムシュウ酸塩(Escitalopram Oxalate)。以下、合わせて「レクサプロ®錠」ともいう。)を製造販売しています。

2022年8月、レクサプロ®錠の後発医薬品(9社22品目)が初承認となったため、同年9月に、持田製薬とルンドベック社は連名で、知的財産権の侵害行為のないよう後発医薬品メーカーに注意喚起を促す謹告文(「エスシタロプラムシュウ酸塩(レクサプロ®)に関する意匠権および特許権について」)を掲載しましたが、同年12月、承認された後発医薬品全てが薬価収載に至り、市場参入に至りました。

謹告文には、複数の特許権が有効に存続していることのほかに、持田製薬はレクサプロ®錠の形状に関する意匠権を保有しており、権利は有効に存続していることも記載されていました。

参照:

本記事では、レクサプロ®錠の形状デザインを保護する持田製薬の意匠権(登録意匠番号1574614)の内容と、レクサプロ®錠の後発医薬品の形状デザインを確認していきます。

珈琲☕一杯分?の暇つぶしにいかがでしょうか。

※ なお、当記事は法的助言を与えるものではありません。全ての情報はその正確性と現在の適用可能性を再確認する必要があります。

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