<小説の話>書式によって読みやすさ、とっつきやすさと「読まれやすさ」がずいぶんと違う<PV数アップ方法>

アブーバースの妖石術師という小説を先日読んだが、この小説は本格ファンタジー作品なので本の書式については特に気になる部分は無かった。
改行を多用せず文字をそこそこつめて書いているという感じで、田中芳樹さんの作品とかのような本格ファンタジー作品でよく見かける書式と言える。
今はひらがなを使うような箇所もわりと漢字を使って作品に重厚感を与えていた。

その一方で、本格ファンタジー作品ではなく、もっとライトな作品を作る場合は読者のレベルにあわせて読みやすい文体や改行や空白行の多用をした方がより人気を得やすい。

たとえば「よろしくお願いいたします。」という言葉も

・よろしくお願いいたします。
・宜しくお願いいたします。
・宜しくお願い致します。

と書き分けできるわけだが、二つ目や三つ目のは堅苦しい感じがして一般の人にはやや受けが悪くなってしまう。
「この部分は漢字ではなくひらがなやカタカナの方が読みやすい」と思ったら、読みやすさの方を取った方が良いと思う。
これは小説だけでなく漫画のセリフなどについてもプロは意識してやっている事だ。

文章の密度についても、たとえば私のnoteでは改行だけでなく空白行も多い。
これは意図的に読みやすさを優先してやっているわけだ。

小説投稿サイトのカクヨムでランキング上位に入っている作品を見てみると、「文章は詰め込まず、改行や空白行をかなり多用して文章を読みやすくしている」というのが多い。
また文章をみっちり詰め込んだ作品もカクヨムでは一部投稿されているが、そういう小説はもう開いた瞬間にわりと多くの人が読む気が無くなってしまう。

せっかく労力をかけて書いた作品を見てもらえなくなる確率が高くなるので、「ライトな作品を好むユーザーに対しては、読者のレベルにあわせてもっと読みやすい書式を意識する」をやらないといけない。

たとえば上で書いた文の一部を書式を変えて以下のように書いてみよう。

カクヨムでランキング上位に入っている作品も「文章は詰め込まず、改行や空白行をかなり多用して文章を読みやすくしている」というのが多い。逆に文章をみっちり詰め込んだ作品もカクヨムでは投稿されているが、そういう小説はもう開いた瞬間にわりと多くの人が読む気が無くなってしまう。せっかく労力をかけて書いた作品を見てもらえなくなる確率が高くなるので、「ライトな作品を好むユーザーに対しては、読者のレベルにあわせてもっと読みやすい書式を意識する」をやらないといけない。

と書いてしまうと、わりと多くの人はこの『文の塊』を見た瞬間に嫌気がし、「この小説は読みにくそうなのでパス」を選んでしまうわけだ。

自分自身でも詰めて文章をよく書いたり、改行が少ない文章をよく読む人は改行や空白行の多用はアホっぽく感じるかもしれない。
でもこういうテクニックは文筆業をやっている人達が「より文章を読みやすくなるように」と意識してやりだし、今はわりと多くの人がやっている事なのだ。

ニュースサイトなどでも改行や空白行の多用は意図的に行っている。
以下はたとえばpc watchの記事。