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8話:車輪の国、向日葵の少女/あかべぇそふとつぅ 一番読み返した作品

 一番泣いて一番読み返した作品はありますか。私は「車輪の国」でした。

 タイトルを書くだけでもう鼻がツンと痛いくらいパブロフのわんわんになり下がっている従順な私ですが、こちらもちろんPC版とPSP版どちらも買いました。

 今回は無駄な講釈などは垂れずに愛だけしたためます。

あらすじ

初夏。 
罪を犯すと『特別な義務』を負わされる社会。
罪人を更正指導する『特別高等人』という職業を目指す主人公・森田賢一は、その最終試験のため、とある田舎町を訪れる。
『1日が12時間しかない』『大人になれない』などといった義務を負う少女たちと学園生活を送るが、『恋愛できない』少女・夏咲と出会ってから、賢一の歯車が狂いだす。
崖にひっそりと建てられた自分の墓、山間洞窟に隠された父親の遺産が次々と賢一を追い詰めた。
贖罪を問われた男が見た、車輪の国の真実とは……。
重厚な世界観を軽妙なタッチで描いた、感動のヒューマンドラマ。
(出展:http://www.akabeesoft2.com/products/syarin/)

 あらすじ書いただけで胸が苦しくて満身創痍……。きっとそういう自分史に残る、自分をかたちづくる作品は、誰もがひとつは持っているんじゃないでしょうか。ない人はこれからそう思える作品に出合えますように。私はそれがエロゲでした。

まずは2章で泣きすぎて死にます

 基本は1本道のルート。1章は導入。主人公は女の子を“更生”させる役割で、とある村に訪れます。3人の女の子たちを監督し、“義務”からひとりずつ解放していくのですが、まずひとりめの更生人はギャルです。

さち

 ギャルの更生はズボラな性格。すっごいズボラ。夏休みの宿題を夏休み中にしない人だろうなー。あはは、耳が痛い。

 作中では最高にズボラに描かれているけど、でもこれってみんなが大小あれどちょっとは抱えている「嫌な部分」だと思うんだよね。え、私がズボラなだけ?

 その嫌な部分をぐりぐりこれでもかってえぐってくるのがえぐい。代償もえげつない。そして最後、少女の再生の部分も美しい。ひとまず何も考えずに2章までやってください……後生なんで……。

尊く張り巡らされた叙述トリック

 絶体絶命のピンチは何度も訪れます。それを主人公の知恵、はたまた少女たちの行動がひっくり返していくところは見もの。ひっくり返した後にひっくり返し返しがあったりして、「もう、もうやめてくれ……」と心をかき乱されます。

 そして悪役がこの人。

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 CVは若本規夫さんです。本当に若本さんでよかった〜。「もぅぉーりたぁ〜〜〜」言うてくれとりますがな。

主人公がかっこよすぎて結婚したい

 主人公の森田賢一がめちゃくちゃデキるメンで、しかもユーモアもあるしちょっとドジだし全部かっこよすぎて好き。

状況を分析してみる。
通常、狭洞やクラックに挟まり、身体が岩と接触している状態が続けば、人間はあっさりと死んでしまう。
しかも、水流が滴り、熱を必要とする下半身を冷やしていて、なおかつ、クスリで強制的に眠りに落ちている。
さちの命は、善処しても明日の朝まで持たないだろう。
・・・明日の朝か。
口元を吊り上げた。
「楽勝だな」

「賢一・・・け、賢一・・・」
目のふちに涙をたたえて、おれを見上げた。
「――助けて」
頼ってきた。
『私、これから、あんたの助けとかいらないから』
つっぱっていた少女の面影は、もう、ない。
おれは、静かに言った。
「まかせろ」

 ひいいいいい! かっこよーーーー。

 こっからのハイパーモリケンタイムの流れが激あつです。絶望的な状況なのに女の子の前でかっこつける男の子大好きなので! 大好きなので!

結論・ライターのるーすぼーいさんがすごかった

 シナリオはるーすぼーいさん。2020年秋アニメ「無能なナナ」の原作もされています。「車輪の国」は商業デビュー1作目というからもう天才だろ……と思い、小説も買いました。「白蝶記」もよかったです。1巻の流れが特にドキドキした。

 その後ゲームでもヒット作をいくつも飛ばしている方なので、おいおい紹介していきます。は〜。ちょっと興奮も落ち着いてきたぞ〜。

車輪の国、向日葵の少女で学べたこと

「普通に人生観変わった」ということです。これは私の主観なので違うもくそもありません!

 普通にこの作品を知ってから私の性癖(?)が変わってしまいました。もともと「ヤンキー好き」(田舎出身だからね)だったのが、「ちょっと天然でかわいいけど、いざとなったら頼れるメンズ♡」となったため、一生結婚ができなくなりましたまじでどうしてくれるんだ。

 私の棺にはこの作品を必ず入れてください。


墓まで持っていく東京ニート的評価「車輪の国、向日葵の少女」S

#主人公がかっこいい #叙述トリック #若本規夫 #泣きゲー #感動する #演説 #言葉遊びが秀逸 

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