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女性が夜道を歩ける国

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1.はじめに

 こんにちは、東京バハムート(Tokyo-Bahamut)と申します。

 今回は今までと趣向を変えて、どうすれば女性の皆さんが夜道を安全に歩ける社会を作っていけるか対策も含めて考えてみたので、是非最後まで読んでみてください。

2.性犯罪に関する実情

 まず、女性の皆さんが夜道を歩くのがどれほど危険か、データから見ていきましょう。ちなみに少し古い平成27年度版のデータをよく引用しているのは、この年の犯罪白書が性犯罪特集だったため、詳細な情報が掲載されているからです。

法務省「平成27年度版犯罪白書」より
法務省「平成27年度版犯罪白書」より
法務省「令和3年度版犯罪白書」より

 長期的には減少傾向ですが、依然としてそれなりの件数の性犯罪が発生しております、なお、「強制性交等」が平成29年から増加しているのは、当該年度から①非親告罪になったこと、②性器以外(口やお尻)も対象になったことに由来していると考えられます(男性の被害が突然発生しているのはそういうことです…)。

 他国と比べると日本は安全だという話をすると、「暗数が~」という方がいらっしゃいます。まあ確かにあるでしょう。ただ、「強制性交等」も「強制わいせつ」も、平成29年から非親告罪化しており、過去のピーク時から現在まで数分の1に圧縮されていることから、現在の定義においては暗数はそこまで多くないのではないかと想像できます(全くないとは思いませんし、他方「本当は嫌だった(=レイプ)」と後から言い出すケースを含むかどうかについては、議論があると思っています)

務省「平成27年度版犯罪白書」より

 こちらは、性犯罪の発生場所の統計です。実際、夜道などにおいては強制わいせつが多く、強制性交等(強姦)は住宅(家に侵入されるんでしょうか?)が多いんですね。本記事の題名とした"夜道"では主に、強制わいせつへの注意が必要ということになりますかね。
 ちなみに、刑法上の定義は以下です。

(強制わいせつ)
第百七十六条 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
(強制性交等)
第百七十七条 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛こう門性交又は口腔くう性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
(準強制わいせつ及び準強制性交等)
第百七十八条 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第百七十六条の例による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。
(監護者わいせつ及び監護者性交等)
第百七十九条 十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第百七十六条の例による。
2 十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第百七十七条の例による。

出所:刑法(明治四十年法律第四十五号)

3.性犯罪者の割合

 しかしながら、ここまでの統計では「男性のうちどれくらいが性犯罪者なのか」がよく分かりませんね。直接のデータがなかったので、拙者、ちょっと複数のデータを掛け合わせて無理やり推計してみました。単年度で検挙数が4,000~5,000件でも、毎年累積してればそれなりの人数になるんじゃないか?といことですね。

男性全体に対する性犯罪者比率の推計

 はい、細かい。作った本人以外読む気にならない。まあ、細かいところは置いといて、上記の表は男性のうち0.8%(1,000人に8人)くらいが性犯罪者という推計です。これがどこまでの精度なのかは判断つかない部分はありますが、実は暗数が10倍あるとかそういうことでもない限り、そこまで大きくズレのない推計なんじゃないかなと思います。むしろ65歳以上の人口ボリュームや2回以上の再犯などを考えると、もう少し下がるのではないかなとすら推測しています。
 迷惑防止条例違反のうちの痴漢の数は、もう少し暗数があるような気がしますが、そいつは捕まらないのを良いことに再犯に再犯を繰り返してそうだなという霊感が働いています。

 勿論、夜道に自分の後ろを歩く男性が性犯罪者かどうかなんて、区別がつかないので、この件数でも十分に脅威です。拙者も娘の父親、妻の夫として、夜道は安全気を使ってほしいと思うのに不足のない数値です。
 現状、減少傾向とは言え、性犯罪に対する有効な対策が打てていない以上、夜道で男性と見たら避けないといけないという状況は、仕方のないことかと思います。

4.男性を味方につける

 本来、性犯罪の防止は、社会として取り組んでいくべきことですが、非常に残念なことに昨今はこれらについても男女の対立構造があるように思えます。お笑い芸人のかまいたちの山内さんが、エレベーターで自分を避けてきた女性をわざと怖がらせてしまったケースなんかは記憶に新しいと思います。拙者も、あえて嫌がらせをするのはどうかと思いますが、男性の中でヘイトが溜まってきている事実もあると思います。「5.夜道を歩くための対策」で提案する対策などは、男性の協力が必要となってきますし、どのような対策を立てるにせよ、男性も協力してくれる前提であった方がより有効な対策が打てると思います。なので、大変言いにくいことを、この章ではお話ししたいと思います(聞きたくない人は「5.夜道を歩くための対策」に飛んでください…)。

 まず、女性目線からすると、以下のような感じかと思います。

女性目線の言い分

 間違っているとは思いません。一理あると思います。では他方、男性はどういう状況なのか見ていきましょう。少し観点が違いますが、こちらのすももさんツイートをベースで考えると、男性の7割くらいは女性が男性を避けるのを差別だと思っていない(≒仕方ないと思っている)ということになります。すももさんのフォロワー層による偏向や、「差別だと思うが、仕方ないとも思う」という趣旨のリプライやリツイートの多さからすると、ほとんどの男性は「女性に避けられても仕方ない」と思っていると見て良いでしょう。何を隠そう拙者も(この画像では"思わない"に投票してますが)、「定義的には差別に該当する気がするけど仕方ない」というスタンスです。拙者だって娘が年頃になったら、夜道や二人きりの環境では男はできるだけ避けろって忠告すると思います。

すももさんのツイートから加工

 前章の性犯罪者の比率も含めると、男性の99%は性犯罪とは関係なく、さらにそのほとんどは「女性に避けられても仕方ない」と内心は思っているということになります。では何故、人気芸人がラジオで共感を得られるエピソードトークとして話してしまうくらい、ヘイトを買ってしまっているのでしょうか。
 それは、無辜(むこ)の男性目線では、日常的に避けられ傷ついても「仕方のないこと」とひたすら我慢しているその純粋な善意に対して、「申し訳ないと思わない/感謝などしない(=協力の無価値化)」「性犯罪と比べれば男性が傷つくなど小さなこと(=傷心の矮小化)」「男性特権に無自覚(=批判)」といったネガティブな反応が返ってくるからです。自分を敵視する人々に協力的であり続けるのは難しい。

 例えば、女性の「窃盗」は年間2.5万件以上発生法務省「令和3年度版犯罪白書」の「4-7-1-3図」より)しているので、女性の窃盗の件数は男性の性犯罪件数の倍以上になります。この統計を以て、女性の皆さんを窃盗犯扱いするのは果たして妥当でしょうか?
 「こいつは女だから窃盗犯かもしれない」という目で日常的に見られ続ける状況を想像してください。生活の様々な場面で明らかに警戒され、信用の置けない人物として扱われるのは不快ではありませんか。犯罪者扱いは自己肯定感を毀損します。自分は何もしていないのに、日常生活の所々で嫌な気持ちになるでしょう。さらに、甘んじて受いれていることを当然の義務かのように言われます。傷つくことすら責められます。そんな中「協力的であり続けろ」という方がなかなか無理だとは思いませんか。

 たしかに、男性は女性の置かれた状況に無自覚・無頓着かもしれません。でもそれは仕方のないことでもあります。立場が違えばお互いの認知する世界にはどうしてもギャップがあるのです。ギャップを埋めるには、双方歩み寄るしかありません。男性は女性の安心・安全に関する状況が本当の意味では理解できないから、対話したり、現状を学ぶことで認識を深めていくしかないのです。しかし、善意を享受する側がその善意自体を踏みにじるような言動をすると、向けられていた善意は悪意に変わります。踏みにじられた側からすると、踏みにじってくる人は加害者としか認識できなくなります。

 なので、女性も男性が日常的に犯罪者扱いされて嫌な気持ちになっているということを、(小さいことかもしれませんが)無視したり非難したりせず、「避けてごめんやでー」くらいに思っていただくのが落としどころだと思うのです。たったそれだけで、99%の無辜の男性は味方になるんです。それにも関わらず、頑迷に「申し訳ないと思わなくてよい/感謝しなくてよい」というスタンスに拘るのは一体何故なのでしょう。

 「申し訳ないと思わなくてよい/感謝しなくてよい」というのは、本来、協力してもらった側が余計な心理的負担を負わなくて済むように配慮するためのものです。つまり、協力した側のセリフです(「お客様は神様」と似てますね)。勿論、その考え方が双方に共有されているのが理想的な社会だと思いますが、現実はその段階まで到達していない現状で、協力してもらっている側がこれを表明するのは「ヘイトを買う」「善意を毀損する」「男女を分断する」以外の効果はないと思います。
 そもそも現状、男性の理解が不足していると考えているのであれば、それより遥か先の要求である「女性が負い目すら感じなくてよい環境」まで一足飛びに行くのは無謀であるということを、まずご理解いただきたいです。

女性が夜道を安全に歩くためのステップ(イメージ)

 ひとつ指摘させていただくと、たとえ何もされなかったとしても、夜道に男性と遭遇すると恐怖を感じると思うんです。それは仕方ないことです。しかし、その恐怖を以て「こいつは私を怖がらせた加害者だ!」と認識されているんじゃないかなと思うことがあります。結果的には性犯罪者ではなかった男性を含む男性全てを加害者と見做してませんか。男性=加害者という認識を以て、ヘイトを煽るような発言してしまってはいませんか。

 
この指摘を受けて「あー、たしか」とご自身の気持ちを省みられる方がいらっしゃったら、是非「結果的に何もなかったし、アレはごめんやでーやったな」と後から思い直すようにしていただければ、もう少し良い方向に行くんじゃないかなと思います。そして、本人に直接その気持ちを伝えられない代わりに、ネット上で女性に避けられて落ち込んでる人を見たら、優しい言葉をかけてあげてみてください。おそらく男性全般を加害者扱いし、お互いにヘイトを溜め続けるよりはよっぽど良いです。

5.夜道を歩くための対策

 やっと本題です。正直、解決するのは非常に困難だと思いますが、難しいから放置してよいという問題でもないと思うので、ちょっくら本業の知見などを駆使してソリューションを考えてみたいと思います。
 夜道を安全に歩くためには、当然ですが、性犯罪を防止する必要があります。性犯罪を犯し得る人物の人格矯正などは専門外なので、どちらかというと性犯罪を実行しにくい・実行しても完遂できない環境を作る方向で考えます。

 性犯罪を実行しやすい・完遂できる環境とはどういうものかから逆算すると、「誰かに見られる」「助けが来る」「バレる・捕まる」がソリューションに期待する効果になります。ちなみに「誰かに見られる」「バレる・捕まる」には監視カメラ、「助けが来る」には防犯ブザーといったソリューションが既にありますね。

性犯罪を実行しにくい・実行しても完遂できない環境

(1)ソリューションの内容

 まず、女性にとって一番のネックは、まさに近くにいるその男性が警戒すべき対象かどうかが分からないことなので、それを判断できるソリューションというのはどうでしょうか。夜道で後ろを歩いているその男性が身元が割れていれば安心ですし、近くにいたことが身分情報ごと記録に残れるのであれば相手だって迂闊なことができません。なので、事前に個人情報を登録することで相手が登録者かどうかを判定できる、スマホアプリをベースに考えてみました。とりあえずこのアプリを「YOARUKI(仮称)」と名付けます。ああああ!なんだかキャッチーですねえええ!

スマホアプリ「YOARUKI(仮称)」の概観

 まずはその男性が身元の割れた人なのかを確認しますが、確認の結果、登録なしの方であることが分かると結局怖いです。勿論、ソリューションの趣旨としては登録が確認できない時点で警戒レベルを上げていただくことになるのですが、どうせなら周囲に人がどれくらい人がいるのか、助けてくれそうな人が居ないか等が同時に分かると良いですね。また、自分の状況(不審な人が居て警戒している、助けに来てほしい)を周囲の登録者に伝えられるのも良いかもしれませんね。というわけで、こんな感じでどうでしょう。

「YOARUKI(仮称)」の機能・画面イメージ
(素材としてGoogleMapを利用)

 どうでしょうか、かなり作り込んだ画面がでてきましたね。でも、このアプリまだ存在しないし、このnoteはアフィリエイトでもないんです。怖いことに完全に拙者の趣味なんですね。
 他にも、警戒中に他ユーザにショートメッセージを送る機能や、通話機能なんかがあっても良い気がしますが、もりもりになるので、一旦ここまでにします。
 ちなみに、ここでは防犯メインで機能を記載していますが、残念ながら性犯罪が起こった後についても本アプリは有効です。被害者がどこから警戒して、何時・どこでSOSで出したか、その際に周辺にユーザがどこに居たかをログとして記録するので、捜査情報として警察の要請に応じて提供することで、犯人が本アプリに登録していなかったとしても、容疑者の絞り込みや目撃者の捜索に寄与できるものと考えます。

(2)ソリューションの課題(総論)

  いやー、なかなか良さそうなアプリですが、ちょっと考えただけで結構な問題点があるんですよね。まず、個人情報・プライバシーの問題。そして悪用されるリスク。また、ここまで大規模なものになるとマネタイズ(収益化)は避けては通れません。そして、男性の協力が得られるのかという点。これらについて、次章以降で対策案も一緒に考えてみましょう。課題とかに興味がない方は読み飛ばしていただいて大丈夫です。

(3)課題1:個人情報等の課題

 まず、「YOARUKI」の前提として、ユーザは身分情報を事前に登録する必要があります。身分情報の登録には、顔写真つき身分証の写真データを提供してもらうのがなりすまし防止に最適ですが、最低限、本人が契約した電話番号に紐づけるなどの対応が必要となります。これらのリスクは、ネットカフェでメンバーズカードを作るなどの場合と同等程度のリスクと言えます(まぁ許容できなくはないか)。
 なお、他ユーザに対しては身分情報は開示せず、あくまでクラウド上に保持する構成の為、ユーザ間で個人情報が筒抜けになることはありません。

 プライバシーについても気にしないといけません。いつでも・どこでも自分の位置が広く発信されてしまうと、家だってバレるし逆にストーキングしやすくなってしまいます。なので、自身の位置をマスキングする機能が必要です。しかしながら、毎日手動でオン/オフするのは手間なので、特定のエリア(自宅から〇m等)に入ると自動的にオフする、SOSを発した場合以外は女性は女性にしか場所を開示しない、などの機能面の工夫が必要となると思います。

 ちなみにですが、ユーザにバレなかったとしても、アプリの運営企業に自分の位置情報を握られたくないと嫌悪感を持たれる方もいらっしゃると思いますが、基本的には手遅れだと思います。
 スマホアプリのいくつかには、既に位置情報を取得する機能が仕込まれていて(みんな読まないけどちゃんとアプリストアの説明には書いてある)、個人情報を排した状態でビジネスに利用されています。私自身、仕事で複数回、皆さんの時系列での位置情報をビックデータとして取り扱い、動線分析などをした経験があります。AIを使って日常の動線から住所や家族構成、所得レンジなどを推定して属性情報として付加するサービスまであります。ここまでにインストール前にアプリを精査・選定してきていない限り手遅れです(2回目)。

(4)課題2:悪用に関する課題

 悪用するとしてまず初めに思いつくのが、プライバシーに関する課題でも言及した、あえて登録しユーザの位置を把握することで犯罪に利用する場合が考えられます。なので、先ほどのマスキング機能なんかはきっと必須になるんでしょうね。
 次に考えられる悪用はなりすまし。別人として登録したり、人のスマホに不正アクセスする方法ですね。なりすまされるとやってもない犯罪の濡れ衣を着せられる可能性があるので厄介です。対策としては、クレジットカードと同様に利用停止する機能を設けるしかない気がしますね。そもそも別人として登録する分については、身分情報による本人確認で不正を弾いていくしかないですね。どういう方法があるかは、今後の検討課題って感じでしょうか。
 逆の悪用もあるかもしれません。周辺に人が居ないこと・身元が割れてしまうことを良いことに、冤罪を吹っ掛けられる可能性はあるかもしれません。この辺りは、位置情報のログなども踏まえて、警察に適切に検証していただくしかない気がします。

(5)課題3:マネタイズの課題

 「YOARUKI」は、利用者が多ければ多いほど有効なため、リアルタイムでユーザの位置情報を把握・表示する機能も、位置情報のログを蓄積する機能も、大規模なものになっていくことが予定されます。また顔写真付き身分証などで身分情報の確認を実施する場合、事務処理センターも必要になてきます。よって、最低限、実費程度の収益はあげる必要があります

 まず考えられるのがサービス利用料方式。うーん、基本的に人の善意に頼るソリューションで定額の利用料を取るのはなかなか難しいですね。特に女性としては「被害者の私たちが何故払わないといけないの」という感覚になるでしょうし、男性に至ってはお金まで負担する義理はないですからね。そもそも、とにかくユーザ数を増やさないといけないのに、利用にお金がかかるのは全然センスないですね。というわけで却下。

 次が従量課金方式。「サーチ」「警戒」「助けを呼ぶ」等の機能を使う単位で課金する方式。とりあえず無課金で登録ができるのでさっきよりはマシそうですし、各機能に課金することで悪用の防止ができそうですね。一方、「被害者の私たちが何故払わないといけないの」は無視する形になりますし、被害を受けた人ほど多くお金を払わないといけなくなるのもアレですね。ボタンを押すのを躊躇ったりする可能性があるのも、うーんという感じ。一部のオプション機能について限定的ならありかもしれません。

 じゃあ、広告収益ですかね。いざという時に使えないと困るので、日中にノルマを消費するような形式でしょうか。実際広告収入って、1件あたりは大したことないと思うので、例えば1件×1円×ノルマ2件×30日×1000万ユーザだったとしても月6億円ですかね。うーん、これは足りるのかな・・・分らんな。1日2件広告見るのも面倒ではありますね。

 他には、単体の収益化を諦めるという方法もあります。例えば、Webサービスは熾烈なユーザの取り合いをしているので、付加価値のある新規サービスを併設させることでユーザの囲い込みをしています。具体例を挙げるとLINEのLINEペイとかtwitterのスペース機能とかですね。そういった既存のWebサービス等にくっ付けて、総合的に採算を取れるようにしちゃおうというわけです。その場合、既存サービスの利用者を取り込めるので、最もハードルが高い当初のユーザ集めの部分などが超えやすくなる半面、ビジネス色が強くなってしまい本来の目的から逸脱していってしまう可能性はあります。
 
候補としては、既にそれなりに個人特定がされた状態のLINEやFacebook、女性ユーザが多いルナルナとかが親和性高そうですかね。もしこの記事を見て興味がある企業の方がいらっしゃったらご連絡ください(LINEさんMTIさんは少しだけ仕事したことあります)

(6)課題4:男性ユーザ獲得の課題

 なかなか難しいなあと思うのは、男性ユーザの獲得です。近くにいる男性が身元の割れた人であり、場合によっては助けてくれるかもしれないという状況を作っていくことが重要なので、このアプリは一定数の男性ユーザが利用していないと効果が半減してしまいます。一方で、アプリを入れて夜道でちょいちょい確認してもらうような積極的な協力をするほど男性には大きなメリットはありません。前述の通り、現状は消極的な協力止まりなんですね。なので、男性ユーザにメリットを訴求する必要があります。
 まずメリットの一つとしては、夜道に女性に怖がられて不快な思いをさせられる機会が減るということです。まぁ、不快な思いをさせられなくなるのは嬉しいですが、これだけでは少し弱いと思います。なので、優良ユーザには何らかの利益をフィードバックする仕組みは必要になると思います。最近の企業はダイバーシティ&インクルージョン(横文字)を評価の項目に設定していたりするのでそれに使えるとか、警察と連携して表彰するとか、一番簡単なのが収益の一部を還元するなどですかね。そもそも、既婚や娘持ちは積極的に協力するモチベーションがあるので、未婚男性に向けた特典があると良いかもしれません。例えば、優良ユーザには格付けに応じてゴールドライセンス、シルバーライセンスなどを発行して、それが婚活の場や出会い系で高価値として取り扱われるあるとかですかね(ハードル高いな)。うーん、なかなか難しいですね。

6.その他の利用

 今回の「YOARUKI」は、別の用途にも使えそうだなと思ったので、最後に応用編を書いてみたいと思います。使える場面が多いほど、現実的なソリューションになっていくと考えます。

(1)ソロキャンプでの応用

 話題のソロキャンプ。キャンプ場に警備員を配置するとなかなかコストがかかりますが、このアプリをうまく使って、管理人さんや他のキャンパーへ助けを呼べるのではないかなと考えました。ナンパなどの迷惑行為でも、警戒機能を使ったり、なんならナンパ対策専用の機能を作っても良いかもしれせんね。一つ難点があるとすると、キャリアの通信が届く範囲に限られるということでしょうか。

(2)痴漢対策での応用

 満員電車における痴漢対策にも使えるかもしれませんね。痴漢を受けたとき、怖くて声をあげられない場合でも、周辺のユーザに痴漢を受けていることを伝える機能があっても良いかもしれません。犯人が登録者なら逃げられても特定が可能です。逆説的に、女性専用車両ではなく、アプリ登録者専用車両とかにしても良いかもしれませんね(いいのか?)。
 また、車内にビーコンを設置すれば、それぞれのスマホの位置から痴漢冤罪の証明もできるかもしれませんね(お金は結構かかるし、移動しながらどこまでの精度で測れるのかは分かりませんが)。

7.さいごに(まとめ)

 如何だったでしょうか。思い付きで考えてみたソリューションなので、なかなか前途多難ではありますが、今現在では解決が難しいと思われる社会課題でも、こういった技術や工夫によって解消に迎えるかもしれないということの気づきを持っていただければ、今回noteを書いた甲斐があるなぁと考えております。きっと俺より賢い人が、もっと良いアイディアを出してくれるでしょう。
 その前提として、やはり男女が手を取り合う必要があると思います。その為にはどういうスタンスで居るべきか、まずはそこからはじめようではありませんか!

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