【7月の本よみ】 あじさいを背中に
そこは日常的に通る道だった。
まだ真夏のような日差しになる前の時期で、夕暮れ時のこと。
これは最近気づいた事なのだけれど、
声をかける時はいつも、無意識のうちに直感と本能に従っているところがある。
もともと撮影枚数のノルマのようなものはもちろん設けていないし、短期間での撮影枚数の多さより、撮り続けていくことに重きを置いているところがあるので、無理をしてまで撮ることはしていない。
直感と本能に従っていると、そこに自分の心身の状態が結構関係していることに気づく。
疲れている時だと読書中の人を偶然見つけても声をかけるテンションにならない(なれない)し、
反対にコンディションがいい時だと、見た目の様子から撮影の承諾がもらえない可能性を感じても「聞くだけ聞いてみよう」という気持ちで挑める。
この時は「この人とはきっと話せる。(撮影がOKかは分からないけど)」と直感的に思い、声をかけたのだった。
実際声をかけてみると、驚かれたり警戒される事もなく、以前話したことがあるくらいの自然な空気で会話が始まった。
読んでいた本についても、その内容や面白さについて教えてくれた。
私はここがよく通る道であることを伝え、またお会いできるかもしれないですね、と言葉を交わして、お礼を伝えその場を後にした。
紫陽花を背中に読書、という素敵な一枚になった。
「東京の本よみ」とは?
本をよむ人のポートレート。
ストリートスナップさながらに本を読んでいる人に声をかけ、読書姿と読んでいる本の表紙を撮影させてもらっています。
毎月20日にサイトに新しい写真をアップし、末日に撮影後記をnoteにアップしています。
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