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【7月の本よみ】 パンを片手に


その人は、片手でパンを食べながら文庫本を読んでいた。

都内にあるフリースペースで、近くに自販機が何台か置かれていることもあり、何かを食べたり飲んだりしている人もいるような場所だった。


そっと近づいてしゃがんで声を掛けると、すぐに「いいですよ」と答えてくれ、「これ、食べちゃうね」と、あと一口ほどのパンのことを言った。


東京の本よみは、いつも読書をしている人に声をかけて撮影のお願いをする訳だが、

読書中 且つ 食事中 というのは、さすがに初めてだった。

「お食事中にすみません、ありがとうございます」と改めてお礼を言い、斜め後ろから読書姿を撮影させてもらった。

ブックカバーをしていないのは見えていたが、本の表紙を撮らせてもらう際に図書館の本であることが分かった。

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そういえば以前 人と話していて、図書館の利用頻度が人によって様々で興味深かったのを思い出した。

同じように日常的に本を読んでいる人でも、図書館を多用している人もいれば、全く利用しないという人もいる。

東京の本よみは、”東京のどこかで本を読んでいる人”というのは全員共通する事だけれど、

ブックカバーをする/しない、

図書館を利用する/しない、

新刊を頻繁に買う/買わない、

古本屋に行く/行かない、

家にかなり本がある/ない、

積ん読になっている本が沢山ある/ない、

家族に本好きがいる/いない、

本について話す相手がいる/いない、

そういうことは、人によって様々だ。


この時、図書館の本であることが分かった時も、「図書館を利用している方なんだな」と思いつつ、「この人はどんなふうに本と接している人なんだろうなぁ」と、勝手に思いを馳せてしまう自分がいた。


「東京の本よみ」とは?
本をよむ人のポートレート。
ストリートスナップさながらに本を読んでいる人に声をかけ、読書姿と読んでいる本の表紙を撮影させてもらっています。
毎月20日にサイトに新しい写真をアップし、末日に撮影後記をnoteにアップしています。

*HP:https://tokyonohonyomi.jp/
*Twitter:https://twitter.com/tokyonohonyomi


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