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【8月の本よみ】 撮りたい姿

声をかける時はいつだって緊張がつきものなのだけど、その人が男性か女性かによってもその緊張の種類はすこし異なるし、歳の頃(自分より明らかに歳が離れているか、同世代くらいか)によっても異なる。

なんとなく同世代くらいと思われる人に声をかける時は、それ特有の緊張が自分の中にあるように思う。

この時はまさにそのタイプだった。

コーヒーショップの中央にある何人かが座れる大きなテーブルに、爽やかそうな男性が美しい姿勢で本を読んでいた。

これは肌感的なものだけれど、コーヒーショップで何かを触っている場合、それが20~30代(とおぼしき人)の場合は特に、スマホかノートパソコンであることが多い。読書をしている人はやはりそれと比べると稀少だ。

いつも、緊張や断られたときのことを想像して躊躇する気持ちよりも「それでも撮りたい、聞くだけ聞いてみよう」という気持ちが上回ったとき、新しい一枚を撮ることが出来ているように思う。

以前、この東京の本よみの活動のことを「へー、面白いですね。コミュニケーション力が高くないと出来なそう(笑)」と人に言われたことがある。

言われて「たしかに自分が第三者でも同じように思うかもしれないな」と思うと同時に、心の中で「いや、そういうことじゃないんだよな。声をかけるときは毎回緊張しているし、それでも "その素敵な姿を撮らせてください" という気持ちのほうが勝(まさ)って、声をかけ、撮影に挑んでいるんだよな」と思った。

どんな人であれ、静かに本を読むその姿に美しさや尊さのようなものを感じるし、それがなぜかははっきり説明ができないけれど、その感情こそがこの活動の原点だと思っている。


最初の印象と変わらず、その男性は爽やかな様子で撮影を承諾してくださった。


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「東京の本よみ」とは?
本をよむ人のポートレート。
ストリートスナップさながらに本を読んでいる人に声をかけ、読書姿と読んでいる本の表紙を撮影させてもらっています。
毎月20日にサイトに新しい写真をアップし、末日に撮影後記をnoteにアップしています。

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