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【Tokyo Saikai Edition 002】 武田稔さん <後編>

東京西海noteの新連載『Tokyo Saikai Edition』。第二回目のゲストは、軽井沢で「232 Work&Hotel」、「カスターニエ 軽井沢ローストチキン」を運営する武田稔さん。

<前編>では人が集う心地よい空間作りへの想いと、そこで使われるハサミポーセリンのマグカップについてお話を聞きました。後編では、武田さんの器選びについて、レストランとホテルのオーナー、プライベートそれぞれの目線で語っていただきます。



——今、お話を聞いている場所は「232 Work&Hotel」(以下:232)の宿泊スペースです。とても居心地が良くて、すっかり寛いでいます(笑)。

寛いでいってください(笑)。僕が旅行した際は、宿泊先にコンドミニアムを使います。”暮らすように宿泊する" というのが好きなんです。そうすることで、自分がその土地の一員になった気分になりますし、ちょっと料理ができたり洗濯ができたりすると助かります。軽井沢にはたくさんのホテルがあるので、「232」は長期滞在に適した場所として、アパートのような感覚を目指しています。調理器具なども一式揃っています。

ただ、一泊だともったいないので、現在は最低二泊からの申し込みにしています。最初のお客さんは18泊でした。びっくりしました(笑)。オープン当初はコロナ禍で渡航が難しかった時期でもあり、ワーケーションで活用されていた方も多かったです。ちょっとこちらを見てください(キッチンの収納に案内される)。


——
「Cords」(以下:コーズ)の器が綺麗に収まっていますね。ありがとうございます!

そう、ここでも使わせていただいています。一階のレストラン(カスターニエ)でテイクアウトして、ここで召し上がっていただくケースも多いです。

——嬉しいです。実際、武田さんにはご自宅でも「Cords」の各サイズをセットでお使いいただいています。率直な感想をお聞かせください。

最初に見た時は、真っ白のエナメル、ホーローの器みたいだなと思いました。実際に使ってみると、どんな料理でも受け止めてくれる器だなと。そして収まりがすごく良いですね。収納スペースや食洗機に入れやすいです。妻はこのオーバル型が特に気に入っています。オーバル型で機能的なお皿って、意外とありそうであんまりないですよね。


あと、全てのサイズでちょっと深さがあるんです。サラダとサンドイッチを2種類盛ったり、カレーにも使えます。焼きそばなどでも問題ありませんね。リムがあるにも関わらず圧迫感がなく、料理を載せてもリムが主張しません。また、サーブもしやすいです。ここ(宿泊スペース)で使うとなると、デザインと機能の両面で満足できるものでないといけないと思っています。また「コーズ」は軽くて丈夫。カトラリーの跡が残りにくいのもいいなと思います。


——貴重なご意見をありがとうございます。「コーズ」をデザインされた山野アンダーソン陽子さんは、リム皿に強いこだわりがあったそうです。普段やられている宙吹きガラスではリムの表現が難しいみたいで。武田さんのご感想の通りで、サーブするときに持ちやすいとか、スタッキングしやすいとか、きれいに盛れるという機能面でリムを大事されています。

武田さんは、プライベートではどのようなお皿を使う機会が多いですか?お店とご自宅でどういう使い分けをしているか、すごく気になります。

家では、そんなに料理にこだわる方じゃないです(笑)。普段はラフに使ってもいいようなお皿ばかりです。以前はちょこちょこお皿を買っていたのですが、最初は楽しいんだけど、増えると全てを使えないことを残念に思ってしまうので。レストランをやっていると、結局店舗で使っていたものとかがいっぱいあって、余ったものを中心に自宅で使っています。

——レストランと家では、お皿を選ぶ目線はだいぶ変わりますか?

うちのようなカジュアルなレストランでは、まず数が必要です。洗い場のところに溜めやすいというのも大事なんです。まぁ性格すごい出るじゃないですか、器の扱いって(笑)。少しでも欠けてしまったらやっぱり悲しいから、質実剛健なものを選びがちです。(リムプレート100mm を手に取って)こういう小さいサイズのお皿って気の利いたものがありそうでないっていうか。

——少し汁気があっても、このサイズは使いやすいですよね。

オリーブオイルや塩を入れるのにぴったりですよね。一時期、オリーブオイルを入れるお皿を探していた時も、意外と悩んだんです。これも使いやすかったです。もちろんお醤油を入れてもいい。これは飲食店でも活用できそうです。

——今回、リムの縁色をグリーンで全部統一された理由はありますか?

最初、妻が「グリーンがいんじゃない?」と言ってくれて、僕は「ブラックかな」と思っていたのですが。しばらく迷っていたら「232(の宿泊スペース)」の玄関のドアと同じ色で。なら合わせてみようとグリーンを選びました。なのでこの場にもしっくりきます(笑)。


——そうでしたか。今回、武田さんに「コーズ」をお使いいただいて、その様子を写真に収めていただきました。こんなにたくさん撮っていただき、ありがとうございます!

日常の風景をラフに収めただけです(笑)。

——この中で最も印象的な一枚はありますか?

難しいです(笑)。魚は母親が焼いて持ってきてくれて。パンを乗せる日もあれば、魚が乗る日もあり、だから「コーズ」はすごく使い勝手がいいんですよね。

武田さん撮影

——パンを乗せるだけでも絵になります。

パンはまずここに盛ってみんなで取り分けたんです。妻から「写真、忘れてるよ」と言われて、慌てて撮影した時です。

武田さん撮影

——1枚1枚から賑やかな食卓な目に浮かびますね。料理とお皿、その背景に映っているものからも、その様子を感じます。

見返すと色々と思い出してきますね。お寿司をテイクアウトしたときに、「リムプレート 100mm」を醤油皿に使って。これまで使ってきたお皿がちょっと大きくて、いつも子供ががっつり取っちゃってたので。今回、取り皿に「リムプレート 170mm」を使ったら、みんなにお寿司が均等にいくようになりました(笑)。

——カレーも美味しそうです。添えてあるのは野沢菜ですか?ご当地感があります。

カレーはレトルトですが、お皿のおかげでそれでもいい感じになりました。カレーに野沢菜は福神漬みたいな感覚です。今年はあたたくて野沢菜がどんどん傷むから、早く食べてってうちの母親から大量にもらって。食べ切れなくて、スタッフにも渡してあります。それもあって野沢菜率が高くなりました(笑)。

武田さん撮影

——武田さんの日常に「コーズ」が溶け込んでいる様子に触れて、我々もとても嬉しく思います。最後に、今後「232」で予定していることがあれば、教えていただけますか?

特に大きなイベントなどは計画していないのですが、しばらくお休みしてしまっている月一で開催していた映画上映会を再開したいです!

——それは楽しみですね。本日はありがとうございました。


武田稔
軽井沢町出身、現在は隣の御代田町に在住。地元の高校を卒業後、オーストラリアへ留学。NASA(North Adelaide School of Art)でCeramicsを専攻。卒業後、一度日本に戻り、横浜にあったBゼミにて現代美術にどっぷり浸かる。再度オーストラリアに渡った後、長野オリンピックの際に米CBSニュースのドライバー兼通訳に採用され帰国。以後、家業を引き継ぎ現在に至る。
「232 Work&Hotel」
「カスターニエ 軽井沢ローストチキン」


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