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【和菓子】虎屋のシンプルな経営理念を紐解く

こんにちは!
今回は私の著書『社員を喜ばせる経営』(現代書林)より、
今いる社員が辞めずに育つ、人材育成の成功法則をお届けいたします。
書籍から引用しつつお話します。
シリーズものですが、ここからでもお読みいただけます。


シンプルに表現された名言
ようかん『とらや』の経営理念

 
前回お話した鈴廣グループは、この経営理念の前に、社是として鈴廣グループの社是
老舗にあって老舗にあらず」を掲げています。
これは創業150年を超える伝統と歴史の上にあぐらをかいて商売をしてはいけない。
現状に満足することなく、常に挑戦を忘れないという戒め
です。
このような社是と経営理念を使い分けるやり方もあると思います。
経営理念とか社是は法則がないので、
会社としてこんな発信をしたいぞということを作ればいいと思います。
一方、室町時代後期に創業したという老舗の『とらや』の経営理念
500年続いている『とらや』さんの理念は極めてシンプルです。
 
美味しい和菓子を召し上がっていただく
 
それ以上でもそれ以下でもない、それだけというわけです。
素晴らしいシンプルさですよね。
ここにはいろんな意味が含まれます。
美味しい和菓子を作る側・売る側・食べていただく側。
それから当然廃棄の問題、環境の問題などそういうのを全て考えるということだろうと思うんです。

ですから美味しい和菓子を召し上がっていただく
すごくシンプルなんだけど、これを徹底していると、お客様から支援されるし、地域にも貢献できる。そういうことではないかなというふうに思います。

この経営理念の言葉以外に『とらや』のホームページには説明の文章はありません。
シンプルなだけに、社員にも強いインパクトを与えるだろうと思います。

社外から見ても
『そうか、それがとらやなんだ』という本気の熱い思いが伝わります。

経営理念として個性的です。
経営理念の説明をするというよりは、お客様がそれをどう捉えるか、社員がどう捉えるかです。
おそらく社内の中では、この理念をもとに考え方をいろいろと伝えているんじゃないかなと思います。
しかし、羊羹の『とらや』ならではですし、とらやでなければ言えない言葉のようにも思います。
借り物の言葉でなく、自分の存在意義を純粋な気持ちで表現していることがわかりますね。
『とらや』さんは500年続いていて、いつも社員さんに言ってる言葉があるそうです。
うちは500年続いているけど、来年残る保証がない
老舗に甘えることなく、常に革新をしていかなければという意思を感じます。
私も直接取材を今の会長にさせていただいたことがあります。
本当にブレない経営をされてるなと思います。

ぜひ皆さんも経営理念をね、きちっと掘り下げていただきたい。

今の経営理念で本当にいいのかどうか、それも見直していただきたい。
経営理念っていうのは心の叫びですから。

この心の叫びが社長さんだけでなく社員さんも聞くことによってね、社員もお客さんも感動するような理念を作っていったほうが良いと思います。

借り物ではない、自分の言葉ということが重要です。

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