NES(夜食症候群)の特徴・症状・原因など
夜食症候群(Night Eating Syndrome:NES)は、床に就いても頻繁に目が覚めて、"何かを食べないと眠ることができない"という状態を言います。
NESは多くの場合、睡眠と食事への固執、羞恥心、うつ症状などを経験しますが、現在は様々な治療法や対処法が存在しており、症状の改善をすることが可能となっています。
NES(夜食症候群)の特徴
NESは肥満状態の人に多い傾向があり、拒食症、過食症と同じくひとつの摂食障害として考えられていて、"夜に発症して睡眠を妨げる"という特徴と、不眠症、気分障害を伴う症状などがあります。
NESの人は、夜間に1日の総カロリーの25~50%を食べてしまい、週に2回ほど一度寝ても、また起きて食べてしまうという特徴と、過食症状として「食べたい」という強力な衝動を持っています。
NES(夜食症候群)の有病率
NESの有病率は、データにややばらつきがありますが、アメリカでは人口に対して約1.5~6.2%で、これは拒食症や過食症などに近い割合です。
日本では、大阪市立大学精神科の井上幸紀氏が事業所を調査したところ、男女合わせてだいたい12%だったという報告があります。
NES(夜食症候群)の症状
NESの症状は個人によって違いがありますが、共通点として"食事に対しての固執"、"自分のボディイメージに問題があるという認識"、"エモーションコントロール(感情のコントロール)"が挙げられます。
・睡眠に対しての障害
NESの人は、床に就いても目を覚まして食事を摂るという状況を繰り返し、睡眠について障害を持つことがあります。また、眠りにつくためには「食べなければならない」と信じています。
・夜間に25%以上のカロリーを摂る
NESは通常、夕食後または夜間に1日の食事量の4分の1以上を摂取します。
・日中の食欲低下
日中に食欲がないことが多く、朝食や昼食をとらない場合があります。
・夜間のうつ症状
NESは、孤独や悲しみの感情がより強くなる可能性の高い"夜間に気分が落ち込む症状"に関連しています。
NES(夜食症候群)の原因
NESの原因は様々で、遺伝、他者からの先導、特定の情報、トラウマ、生活環境、生活様式、PTSD、うつ、不安、他の摂食障害などによって発症リスクが高くなります。
ライフスタイルによっては、日中に食事制限などをして夜間に食事を多くとる場合があります。これ自体に問題はありませんが、そこからNESや摂食障害に発展する可能性があるため注意が必要です。
・遺伝
私たちの体の中には、概日リズム(体内時計)に影響を与えるPer1,2,3という遺伝子があり、これが睡眠や起床などに関連していて、遺伝によって概日リズム(体内時計)が崩れやすい場合、NESのトリガーとなることがあります。
・ホルモンバランス
食事に関連するホルモンは主に、レプチン、グレリン、コレシストキニン、インスリン、コルチゾール、グルカゴン様ペプチド-1、グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチドがあり、ジョージ・メイソン大学公衆衛生学部の栄養・食品学教授であるローレンス・チェスキン氏によると、それぞれのホルモンはオーケストラの楽器のように協調しているため、ホルモンバランスは重要であると示唆しています。
・メンタルヘルスの障害
うつ症状、不安障害、ストレスレベルの上昇などを食事によって解消しようとする場合、NESを発症する可能性があります。
・日中の食事制限
日中に食事をとらないライフスタイルやダイエットのサイクルは、夜間の過食を引き起こす可能性があります。
つづく
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