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行為・プロセス依存性「買い物依存症」から学ぶお金の使いかた

人生において買い物は必要です。そのため、買い物依存症を解消するのは難しいことかもしれません。

ほとんどの人は基本的なニーズを満たすために買い物をします。しかし、あらゆる物質的な依存症は、その引き金となる人、場所、欲しい物の趣向、記憶などに依存するため、それをコントロールすることが困難な場合が多いのです。

しかし、思考、感情、行動を変化させれば、買い物依存症の症状をコントロールすることが可能になります。

買い物依存症とは?

買い物依存症とは、買い物のインパルスコントロール(衝動制御)に苦労することをいいます。衝動買いをしたことがない人は、ほとんどいらっしゃらないとは思いますが、買い物依存症の人は、衝動買いが持続しているような状況です。

たとえそのアイテムが不必要だったり、望ましく思えなくても、何かを買うためにそのアイテムを買います。しかも借金があり、それを問題と認識しており、「もうやめたい」と思っていても買い物がやめられません。

買い物依存症は、様々な依存症や中毒と同様に、その依存症に対するニーズ(買い物依存症なら買い物)にアクセスしやすいほど依存性が高まります。

買い物依存症のチェックリスト

・否定的な感情、自尊心、自己評価が低い
・買い物に夢中になってしまう
・ナイショで買い物をする
・買い物をやめられない
・買い物のために価値観や幸福を妥協する
・購入に対して罪悪感と恥ずかしさを感じる
・買い物をしないと落ち着かない

通常の衝動買いと、専門家のサポートを必要とする買い物依存症の間には違いがあることに注意しましょう。

買い物依存症でない人は、衝動的に不必要な買い物をしてしまったら「こういうことは二度としない」と思って、同じことを繰り返さないでしょう。

また、買い物によって人間関係や社会生活に支障をきたすことはありません。

現在、買い物依存症は、ギャンブル依存症などと違って精神障害の診断および統計マニュアルで正式に診断されている状態ではありません。

しかし、DSM-5では行為・プロセス依存症をメンタルヘルス障害として認識しており、アメリカ国立衛生研究所でも、強迫的な購買行動(CBB)は、一般的なメンタルヘルス障害として認識しています。

行為・プロセス依存症の一般的な基準

・落ち着くために行動(行為)をする
・肉体、精神的な害にもかかわらず継続する
・行動(行為)の抑制に苦労している
・行動(行為)に従事することに多くの時間を費やす
・行動(行為)により社会的約束を無視する
・非行動(非行為)時、うつ症状やショック症状を経験する
・依存、中毒症状を隠す

行為・プロセス依存症の一般的な基準を考えると、買い物依存症もそれにあたるようです。

現状、正式に診断基準が認識されていない状態にもかかわらず、アメリカでは人口の約5%が買い物依存症に苦労しています。

買い物依存症の原因

買い物依存症の原因は人によって異なりますが、リスク要因が多いほど、買い物依存症の傾向が強くなります。

調査によると、買い物依存症の発症に関連する一般的なリスク要因は以下になります。

・生物学的要因
・その他のメンタルヘルス症状
・家庭環境や教育
・唯物論
・人間関係の問題
・性格(対人戦略)の傾向
・感情的な苦痛

買い物依存症の予防法

幸いなことに、買い物依存症の予防法はたくさんあります。

全般的に予防法として有効な戦略は、自分と周囲の人の生活の質を向上させながら、支出を抑制するということです。

他の中毒と同様に、最も重要な最初のステップは、自分自身が買い物依存症という問題を抱えていることを認めることです。

買い物依存症をコントロールする12の方法

1.借金に対しての正確な評価

ショッピング中毒で悩んでいる人の約58%は多額の借金を抱えています。ここで言う多額とは、その人にとっての金銭的価値で言う多額ということです。

まずは自分の財政状態について、自分自身に正直であることから始めましょう。

借金の程度と、それを管理するための検討が積み重なるにつれて、多くの買い物依存症の人が拒否状態に陥ります。

しかし、ここで適切な計画を練らなければ、財政的負担は増加し続けるでしょう。

最適化された返済計画は、時間の経過とともに等しく支払いが進むため、スムーズに問題が解決するはずです。

債務に対しての効果的な質問は、以下になります。

・クレジットカードの返済にどれくらいの時間がかかるか?
・債務整理は必要か?その債務整理は最も理にかなっているか?
・破産を宣言すべきか?
・必要のない商品を売る必要があるか?

2.財務状況の評価

月々のキャッシュフロー(収入と支出)を借金の計上がわかった時点でおこなうのは、財政の正確な評価です。

まずは、現在の月収、ボーナス、その他の金銭的利益を算出します。


ただし、銀行やポケットにまだ入っていないお金を「使える」と考えることは、生活費などのコストを解消する能力に影響を与えるため、少々問題があります。

毎月の定期的な請求の考慮には、以下を含める必要があります。

・住宅ローン
・家賃
・公共料金
・保険料
・車のローン
・学生ローン
・医療費

3.債務返済のための資金配分

月々の債務の支払い後の予算に収まる範囲で以下の費用を設定しましょう。

・食費
・衣料費
・燃料費
・交際費、遊興費


次のようなことをすることで、毎月より多くのお金を節約することができます。

・一般的な食品を購入する
・自炊をする
・高価なデザイナーブランドを避ける
・公共交通機関の利用

4.支出制限の設定

1~3までの事項が満たされたら、支出制限を設定します。

クレジットカードやデビットカードの利用について問題を抱えている場合は、家に置いておきます。

基本的に買い物リストを作成し、リストにあるアイテムを購入するのに必要な現金のみを携帯しましょう。

5.オンラインショップは最小限

オンラインショッピングは、ショッピング中毒にとって大きな脅威です。

現状、インターネット自体を避けることは難しいかもしれませんが、ネットへのアクセス制限をすることは、大きな効果を生む可能性があります。

次のような制限を設定することで、オンラインショッピングへのアクセスを制限できます。

・ブラウザの設定を調整する
・Cookieを削除、無効化する
・スパム(広告)メールを解除する
・広告の付いたSNSを制限する

6.ショッピングアプリの削除

タブレットやスマホにインストールされているショッピングアプリを削除しましょう。

潜在的な買い物のトリガーから自分を切り離すことは、理にかなったショッピング中毒の予防となります。

ショッピングアプリの通知をオフにするだけでも効果的ですが、アプリを完全に削除することがベストです。

7.貯蓄基準の設定

何かを買うために貯蓄をするという方法では、0か1かの財政をすることになります。

専門家は、緊急時に対して少なくとも月収の6ヶ月分を貯蓄することを推奨しています。

当たり前かもしれませんが、一定の貯蓄の基準を設定すれば、時間の経過とともに貯蓄は増加します。

・退職後の貯蓄プラン(イメージとしては401kやIRAなど税制上特典のある個人年金など)
・適切な保険(積立式の保険など)
・時間の経過とともにリターンをもたらす投資(株式、債券、不動産などのロングの投資)

8.財務管理を任せる

信頼できる人に財政の責任を負わせるのもひとつの方法です。財務管理は、信頼できるパートナーや、妻や夫とのチームプレイも有効です。

時には自分ではなく、より良い消費習慣が浸透するまでは他者が財政を管理し、キャッシュフローを任せるのも良いかもしれません。

9.支出の先延ばし

可能な限りお金を使うことを先延ばししましょう。それは、お金を使う最良のタイミングを見計るトレーニングにもなります。

・リサイクルショップ、古着屋の利用
必要な家庭用品、服などの購入を上記のような店で検討する行為は支出の先延ばしに役立ちます。

・クーポンクリッピング
クーポンクリッピングは、支出を可能な限り制限する行為です。

・共同購入、シェアサービスの利用
これらの商品の購入・利用方法は、個人購入よりもはるかに支出を制限することができますが、割引きや特典のために購入をしないように慎重に利用する必要があります。

・購入の時期を決めておく
ここでのポイントは、ブラックフライデーやサマーセールなどに必ず何かを買うということではなく、経済的な余裕がある時に必要な商品だけを購入する計画を立て、タイミングを見計らって購入するということです。

10.追加の仕事探し

時々あなたのキャッシュフローは、現在の仕事だけでは収入が支出に追いつかないことがあるかもしれません。

職場で昇給するかどうかに関わらず、追加の仕事(アルバイトなど)を見つけるのは、理にかなった財務をプラスにする行為です。

追加の仕事による臨時収入は、より多くの収入を得るだけでなく、不必要な支出に費やす時間を削ることにもなるのです。

11.無料で有意義なアクティビティ

ショッピング中毒の予防法に集中するのは良いことですが、時には楽しいアクティビティも必要です。

しかし、ここで重要なのは、楽しい活動に過剰な金額を費やすことではありません。

以下にご紹介するのは、最小限のコストで楽しめるアクティビティです。

・散歩
・公営の美術館や博物館
・無料のコミュニティイベント
・図書館
・勉強
・瞑想
・基礎体力トレーニング
・ジャーナリングや知識、情報収集
・音楽


このアプローチは、自分が楽しく有意義だと思う活動をすることがポイントです。

楽しく思えない行為に従事すると、逆にストレスを感じて買い物依存症が加速する可能性がありますので注意して下さい。

12.知識人、専門家のサポート

買い物依存症は多くの場合、他の根本的な問題を抱えているものです。

メンタルヘルスや心身の専門家と話すことは、支出をコントロールするだけでなく、他の問題の対処にも役立つかもしれません。

サポートが包括的であるほど、買い物依存症などの望ましくない行動に戻る可能性が低くなります。

助けを求めるタイミング

問題のある支出に気づき次第、助けを求めるのが早ければ早いほど効果的です。

他の依存症や中毒と同様に、対処がないままの時間が長くなるほど、問題がより深刻になる可能性があります。

買い物依存症の場合、認知的、感情的、行動的な状態とは関係なく、財政的負担は費やされるたびに増加します。

特に、あなたの支出がそれをコントロールする能力を超えているように感じるとき、それはサポートが必要な時です。

おわりに

買い物依存症は克服するのが難しいかもしれません。しかし、少しづつでも回復していくことは可能です。

財政は一度妥協をすると、自分や周囲の人々の幸福に悪影響を及ぼす重要な生活要因です。

遅かれ早かれサポートを求めることは、生活の他の分野が並行して継続的に改善されるのを見ながら、問題のある支出が悪くなるのを防ぐことができます。

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