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もう心配しなくていい"正しい睡眠学"睡眠時間は遺伝で決まる

今回は、睡眠についてのお話を書いていこうと思います。

「眠らない動物はいません」と言えるくらい、脊椎動物にとって睡眠はとても重要なことで、簡単に言うと、"動物は眠らないと死んでしまう"のです。もちろん、クラゲやハエ、魚や昆虫、両生類も鳥も眠ります。

"半球睡眠"眠らない動物は寝ていた

イルカやアホウドリなどは、一日中動き回っていて、私たちのようにゴロンと横になったりして睡眠をとることはありませんが、それは寝ていないのではなく、彼らは"半球睡眠"という睡眠方法をおこなっています。

半球睡眠は、脳の右半分が起きている時は左半分が寝ていて、左半分が起きている時は右半分が寝ているというもので、必ず片側の脳は起きているので、ずっと行動ができます。

ずっと泳いでいるイルカや、繁殖期以外はずっと空を飛ぶアホウドリが寝てないように見えるのは、半球睡眠のせいだったというわけです。

眠れなくなる病気"致死性家族性不眠症"

「寝ないと死ぬ」と先述しましたが、これをそのまま地で行くような病気があります。

日本では2018年の時点で4症例しかない病気で、難病指定されている"致死性家族性不眠症(FFI)"という睡眠に関する病気があります。

症状としては、50代ぐらいで発病をして、一睡もできなくなって、約1年半から2年ぐらいで徐々に消耗していき、最後には亡くなってしまいます。

致死性家族性不眠症(FFI)は、最初イタリアのベネチアあたりで多く見つかった病気で、この病気は有性遺伝をします。

つまり、お父さんかお母さんのどちらかがこの病気の場合、その子供がこの病気になる確率は2分の1で、両親ともこの病気になった場合は、子供は間違いなくこの病気になるということです。(かなり厳しい病気です)

睡眠は7時間は嘘?

普通のお医者さんや本などでは、「1日に7時間は寝ましょう」みたいなものが最もノーマルな意見です。

また、この話を信じている人たちは、7時間睡眠よりも少ない人は「寝不足だ」と言ったり、反対に7時間睡眠よりも多い人は「寝すぎだ」と決めつけてしまいます。

もちろん、このような話を当たり前に書いてある本はたくさんありますし、web上でも簡単に閲覧することができます。(最近は、短い睡眠を推奨するような本なども多いです)

しかし、睡眠時間は"かなり個人差があるもの"なので、上記のようなことはあまり信用しない方が良いと思います。

睡眠時間と遺伝

遺伝学の視点で言えば、個人がどのくらい寝たら良いのか?というのは大体決まっています。以下にご紹介するショートスリーパーやロングスリーパーも、遺伝が大きく関与しているのです。

ショートスリーパー

例えば、「睡眠は3時間~4時間半ぐらいで大丈夫」という人を"ショートスリーパー"と言って、ショートスリーパーで著名な人は、モーツァルト、レオナルド・ダ・ヴィンチ、エジソン、野口英世などで、大体3時間ほどの睡眠で問題なかったようです。

私もショートスリーパーで、夜の12時頃に寝て、海外の論文が発表される3時頃に自然に起きて論文のチェックをしたり、文章を書いたりしています。

また、寒い秋~冬は3~4時間睡眠が基本で、暖かい春~夏は2時間くらいで大丈夫な時期もあります。(これは血液循環や代謝などが影響しているのだと考察しています)また、肉体労働が多い日は、寝る睡眠(頭の睡眠)を2時間半くらいして、ゆっくりとしているだけの睡眠(体の睡眠)を4~5時間おこないます。

最近では、クリスティアーノ・ロナウドさんや武井壮さんのように、短い睡眠(45~90分)を1日に3~4回とるというショートスリーパーの人もいます。

ロングスリーパー

反対に長く寝るロングスリーパーで有名な人は、アルベルト・アインシュタイン、白鵬、タイガー・ウッズ、大谷翔平などで、大体10時間くらいの睡眠時間だそうです。

例えばアインシュタインは、"10時間ぐらい寝ないと機嫌悪かった"という話があって、これは典型的なロングスリーパーの特徴です。

ショートスリーパーの人とロングスリーパーの人のやっていることを比較しても、どちらも偉人と言えるような功績を残している人たちが居ますので、どちらが優れているというのはなさそうです。

よく言われている「年をとると、だんだん睡眠時間が短くなる」という話がありますが、"睡眠時間は人によって違う"というのが正しい解釈でしょう。

睡眠時間と食事

"睡眠時間と食事量や食事内容が関係する"ということも記述しておきましょう。

人間の体は、睡眠している(じっとしている)間に内臓が活発に働きます。

たくさん食べると眠くなる理由は、「早く内臓を動かそうよ」と脳や腸から司令が出ているからです。"たくさん食べる"というのも、人によって量も質も違います。

例えば、もともとショートスリーパーの私でも、普段よりも多い食事量をとれば、いつもより多く眠る必要があります。それをロングスリーパーの人がすれば、半日以上は起き上がれないかもしれません。

自分の体重や体調と相談をしながら、上手く食事量を調整すると良いと思います。

睡眠と睡眠薬

また、よく「眠れない」と言う人が睡眠薬を飲む場合がありますが、睡眠薬は大きく分けて2タイプで、例えばデパス、レンドルミン、ハルシオンのような抗精神薬系の強い薬と、ベルソムラ、ロゼレムなどのやや副作用の少ない薬があります。

デパスやレンドルミンなどは長く飲んでいると、依存をする傾向があって、私はこれを数ヶ月間試したことがあって、あくまでも個人の意見ですが、断薬をする時はかなり厳しく、"死を乗り越える覚悟"が必要だったことを覚えていますので、抗精神薬系の睡眠導入剤などを飲む前に、まずはベルソムラかロゼレムのどちらかが効くのであれば、副作用が少ないどちらかが良いと考えています。

また、"心身共に疲れていて眠れない"というのは、ほぼ正しい答えで、「私は疲れてない」と思っている人も、骨格のゆがみなどによる交感神経などの不調に対しては、自然療法や民間療法的なアプローチも効果的ですから、そのような人は、ぜひ一度ご相談頂ければ良いかなと思います。

睡眠時間の結論とまとめ

睡眠時間を統計で言えば、大体3~4時間のショートスリーパーが5~8%、10時間ぐらいのロングスリーパーが8~10%、その中間の6~8時間のノーマルが約80%となっていますので、今まで「7時間は寝なければいけない!」と考えて余計に眠れなくなっている人や、「10時間も寝て、寝すぎだ!」と怒られて、無理して早起きをしている人は、体のためにも、もうそんな考えや、そのようなことを言う人は無視して、自分オリジナルの睡眠をとれば良いと思います。

さらに最新の研究では、"人間が睡眠している間に意識を失っている必要があるのか?"というテーマがあって、そこも実は、長時間意識を失なうような睡眠(一般的な睡眠)をしなくても、脳の睡眠(記憶の整理など)は、平均で約2時間半の目を閉じたような状態があればOKで、体の睡眠(細胞の再生や内蔵の活動)は、平均で約4時間半の間、横になって体さえ休めていれば良いということがわかっています。もちろんこれも個人差がありますし、慣れというものもあるということです。

一週間サイクルの睡眠

ショートスリーパーやロングスリーパーは、基本的には生まれつきのもので、私は幼稚園児の頃から母親よりも早起きで昼寝もしたことがなく、思春期の頃もなかなか夜に眠れないので、翌日の予定などが心配な時もありました。

しかし、20歳くらいからは、1日サイクルで睡眠時間をみるのではなく、1週間サイクルで睡眠時間を管理しています。

1ヶ月以上のサイクルでも良いかもしれませんが、睡眠に関しては"最も眠らなかった人"でも、11日と12分が限界だったようなので、命の危険を考えると、1週間サイクル以内が良さそうです。

私の計算方法は簡単で、一週間は168時間ですから、168時間の中で、頭の睡眠時間が約18時間、体の睡眠が約30時間ほどとれていればOKとします。

また、頭の睡眠と体の睡眠を別々にとらないといけない人と、同時にとれる人が居るので、168時間中、最低約30時間、最長で約48時間とれていれば、まあ良しとしています。

これも不思議なことですが、最も寝なかった人は、11日と12分後に半日ほど寝たら、前と変わらずに後遺症も出なかったということなので、睡眠の質なども影響するかもしれません。

とにかく、"睡眠時間には個人差がある"ことは間違えがなさそうなので、平均睡眠時間や、普通はこれくらい眠るなどという情報にまどわされないようにしましょう。

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